写真を貼ると、子どもの“自己肯定感”がアップ!写真でほめるという、子育て新習慣「ほめ写」のススメ

写真を貼ると、子どもの“自己肯定感”がアップ!写真でほめるという、子育て新習慣「ほめ写」のススメ

教育

以前、「夫婦で思い出を振り返るきっかけに!写真を整理してフォトアルバムを作ろう」で、写真プリントを活用した夫婦コミュニケーションをご提案しましたが、この発想を子育てに活用した取り組みが提唱されているのをご存じでしょうか。







 


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それは、子どもが自らの価値を認識し、自分自身に自信を持つことができる自己肯定感とそれを育む新たな子育て習慣「ほめ写」です!


目次[非表示]

  1. 1.子どもの自己肯定感を高める「ほめ写」とは
  2. 2.3ステップで簡単に実践できる「ほめ写」のやり方
    1. 2.1.①撮る
    2. 2.2.②飾る
    3. 2.3.③ほめる
  3. 3.3つの実験・調査から立証された「ほめ写」の効果
    1. 3.1.自己肯定感に関する意識調査
    2. 3.2.「ほめ写」実験
    3. 3.3.写真を見たときの脳活動測定

子どもの自己肯定感を高める「ほめ写」とは

教育評論家の親野 智可等(おやの ちから)氏は、小学校の教師として多くの子どもたちと接してきた中で感じた「自己肯定感の高い子どもの家庭には、写真プリントが貼られていることが多い」ことに着目


脳科学者・発達心理学者・パートナー企業の協力の元、子どもと親の自己肯定感に関する意識調査や「ほめ写」の実証実験と脳測定を行い、「写真でほめる」ことについて考察を重ねてきました。


そして親野氏は、脳科学者の篠原 菊紀氏、発達心理学者の岩立 京子氏らと共に、“写真を貼ってほめることで、子どもの自己肯定感を向上させる”という「ほめ写」を世の中に広めていく活動「ほめ写プロジェクト」を8月29日(水)より本格的にスタートしました。


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「ほめ写プロジェクト」は、特設ホームページに調査結果を公開し、プロジェクトメンバー・パートナー企業・賛同団体は、セミナーやイベントなどを通じて効果的な「ほめ写」のやり方や、子どもの自己肯定感を向上させるコツなどに関する情報を発信します。


■「ほめ写プロジェクト」ホームページ
https://homesha-pj.jp


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3ステップで簡単に実践できる「ほめ写」のやり方

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①撮る

子どもが何かに頑張っている姿や何かを達成した等の特別なシーンだけではなく、何気ない日常の一コマや家族と一緒に写っている姿も写真に収めてください。

②飾る

写真は子どもの目線の高さで生活の導線上に飾ってください。「これは!」と思う写真はA4程度の大きめのプリントが効果的です。子どもの目に留まるように飾ってください。

③ほめる

飾った写真を見ながら、「この時は頑張ったね」「よくできたね」と努力や成果をほめるだけでなく、「生まれてきてくれてありがとう」「見ているだけで幸せな気持ちだよ」と子どもの存在そのものを肯定してあげてください。


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自分の写真が家の中で飾られ、親にほめてもらうことで、その写真に対して肯定的な感情を持つようになります。


ほめられている時以外でも日常生活の中で繰り返しその写真を見ることで、「自分は愛されている」「存在価値を認められている」という肯定的な感情が反芻されるようになります。


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3つの実験・調査から立証された「ほめ写」の効果

自己肯定感に関する意識調査

①自己肯定感について95%の親は「子どもの自己肯定感は重要」 と考える一方で、約6割の親は意識して自己肯定感を向上させる取り組みを行っていることはない 。

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②写真を飾っている家庭の子どもは、写真を飾っていない家庭の子どもよりも自己肯定感が高い結果となり、家庭での写真掲出の有無が自己肯定感の高低差に関係があることが分かった。

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「ほめ写」実験

写真プリントを家に貼ってほめる「ほめ写」が、子どもの自己肯定感を高めることに有効かどうかを実証するため、幼稚園児から小学生とその親が「ほめ写」ワークを実施しました。


普段写真を飾っていない計32組の親子を調査対象として、2018年1月29日から約3週間にわたり、家庭でお子さまの写真や家族と一緒に写っている写真を飾り、ほめる言葉をかけてもらう取り組みを行っていただきました。


ワーク実施前後のアンケート調査を比較して意識や行動の変化を調べました。 その結果、子どもの自己肯定感に関する意識が全般的に向上しました。特に「自分自身への満足」に大きな変化が見られました。

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写真を見たときの脳活動測定

「ほめ写」を3週間体験した子どもと、「ほめ写」を実施していない子どもに、自分の写真、家族との写真、関連性のない写真を見せた時に、脳活動にどのような違いが見られるか測定を行いました。

測定にはNIRS(ニルス)という脳計測装置を使って脳に近赤外光を当て、酸素化ヘモグロビンの濃度変化(※)を見ることで、脳のどの部位が活性化するかを測定しました。


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※活性度は酸素化ヘモグロビンの濃度変化の平均値(=t値)で示す。数値が0より大きい場合は活性化の傾向を示し、小さい場場合は沈静化の傾向を示す。


こうした脳活動測定を通して、次の3つが分かりました。


①自分の写真を見た時の腹内側前頭前野の活性度が自己肯定感に関連する。

「ほめ写」体験後の自己肯定感アンケート(※)で自己肯定感に関する評価が高い子どもは、写真を見た時に「心地良い」と感じる脳の部位である腹内側前頭前野に活性化がされていることが確認できました。

自分の写真を見ることで、自分自身をイメージして心地良くなり、自己肯定感が高い状態になると考えられます。

※自己肯定感アンケート:4つの選択肢から選ぶ意識調査アンケート(全14問 計56点満点)

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※ch44の活性度(t値):ch44の酸素化ヘモグロビンの濃度変化の平均値(t値)


②「ほめ写」体験者は、非体験者より、自分の写真を見た時の腹内側前頭前野が活性化していた。

「ほめ写」体験者と非体験者で、自分の写真を見た時(※)に腹内側前頭前野の活性度を比較したところ、体験者の方が、この部位が活性化していることが分かった。


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③「ほめ写」体験者は、非体験者よりも興味をもって自分の写真をしっかり見ている。

「ほめ写」体験者は、非体験者より、自分の写真を見ている時に、前頭葉の右側付近の働きが活性化していることが分かりました。

この部位は画像情報を一時的に記憶し、操作する「空間認知的ワーキングメモリ(※)」に関連しています。ほめ写を体験した子どもは、自分の写真という映像情報をインプットし、自分の持っている記憶・情報と統合・整理することで、過去の記憶をイメージしながら写真を見ている可能性があるといえます。

※空間認知的ワーキングメモリ:脳のメモ帳と言われており、入ってきた情報を脳内にメモ書きし、自分の持っている記憶・情報と統合・整理する役割を持っている。

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※ch21の活性度(t値):ch21の酸素化ヘモグロビンの濃度変化の平均値(t値)


写真を貼ってほめることで、子どもの自己肯定感を向上させるという新しい子育て習慣「ほめ写」についてご紹介しましたが、いかがでしたか。


子どもを上手にほめることは、子どもが自信をつけたりやる気のアップにつながります。そのきっかけとして写真プリントを使うのは、とても簡単に実践しやすそうですね。


皆さんも「ほめ写プロジェクト」の情報を参考に、子どもの自己肯定感を向上させてあげましょう。


【「ほめ写プロジェクト」概要】

■プロジェクト名   :ほめ写プロジェクト
■構成メンバー    :親野智可等(おやの ちから)/教育評論家
           :篠原菊紀 /脳科学者 公立諏訪東京理科大学教授(応用健康科学、脳科学)
           :岩立京子 /発達心理学者  東京学芸大学総合教育科学系 教授
■ホームページ    :https://homesha-pj.jp
■メインパートナー:富士フイルム株式会社
■賛同団体      :独立行政法人国立青少年教育振興機構
            一般社団法人日本セルフエスティーム普及協会
              NPO法人Fathering Japan
                            日本フォトイメージング協会
                            ニューバランス・ジャパン株式会社


本プロジェクトの活動意義に賛同した富士フイルム株式会社をメインパートナーに迎え、賛同団体として、独立行政法人国立青少年教育振興機構、一般社団法人日本セルフエスティーム普及協会、NPO法人Fathering Japan、日本フォトイメージング協会、ニューバランス・ジャパン株式会社が本プロジェクトに参画致します。


【構成メンバープロフィール】

■親野智可等(おやの ちから)/ 教育評論家

名 杉山 桂一。長年の教師経験をもとにメールマガジン「親力(おやりょく)で決まる子供の将来」を発行。具体的ですぐできるアイデアが多いと評判を呼び、新聞、雑誌、テレビ、ラジオなど各メディアで絶賛される。子育て中の親たちの圧倒的な支持を得てメルマガ大賞の教育・研究部門で5年連続第1位に輝いた。ブログ「親力講座」も月間PV20万超。『「叱らない」しつけ』(PHP文庫)などベストセラー多数。現在、全国各地の小・中・高校、幼稚園・保育園のPTA、市町村の教育講演会で大人気となっている。


■篠原菊紀 / 公立諏訪東京理科大学教授(応用健康科学、脳科学)

東京大学、同大学院修了。共通教育センター・工学部情報応用学科(知能、医用、健康、センシング)教授、大学院工学マネジメント研究科教授。確率的条件と快感のかかわり、ギャンブル障害、中高年の脳トレ、子どもの教育方法などについて研究している。過去に写真療法、デジタル情報と紙情報の差についての実験を行っている。著書に「すぐにやる脳」に変わる37の習慣 」(KADOKAWA)、「子どもが勉強好きになる子育て」(フォレスト出版)、他多数。フジテレビ「とくダネ!」など多数のテレビ番組等で解説や監修を行っている。


■岩立京子 / 東京学芸大学総合教育科学系 教授

東京学芸大学教育学部、大学院修士課程を経て、筑波大学大学院博士課程心理学研究科心理学専攻に進学。平成5年に博士(心理学)を取得。専門分野は幼児教育、発達心理学。最近の研究テーマは幼児教育における様々な評価。筑波大学大学院博士課程修了後、筑波大学心理学系技官を経て、東京学芸大学幼児教育科で30年にわたり、幼児教育の専門家養成に従事している。また、多くの幼稚園での助言者、文部科学省の調査研究協力者会議の委員などを歴任してきている。NHKのEテレ「すくすく子育て」、雑誌等において子育ての助言をしてきている。3月まで、附属幼稚園園長を兼任。


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