
SNSの利用は?タブーの話題は?今どき親子のコミュニケーションのカタチを考える
近年はLINE・Twitter・Facebook・InstagramなどのSNSが急速に普及し、今や世代を問わず日常生活に欠かせないコミュニケーションツールとなっています。
一方で携帯電話を所有する子どもの数も増え、毎日のコミュニケーションにSNSを積極的に活用しているようです。
SNSが主流化しつつあるコミュニケーション環境の変化は、親子の関係にどのような影響を与えているのか?
また、こうした環境の中、どのように親子のコミュニケーションを深めていけばいいのか?
そこで今回は、「ミクシィ コミュニケーション白書」第3弾となる「家族とコミュニケーションに関するインターネット調査」(小学生~高校生の子どもがいる男女600人、高校生の男女200人、小学生~中学生の孫がいる祖父母400人が対象)から、親子のコミュニケーションのヒントになる調査結果をピックアップしご紹介します。
SNSは親子間のコミュニケーションを活性化させている?
まず「親子の1日あたりの会話時間」について調べたところ、「30分~1時間未満」が最も多く、子どもが大きくなるにつれて会話時間は少なくなっていくことが分かりました。
ちなみに今回の調査対象となった子どもたちの携帯電話所有率は、小学生は38.5%、中学生は69.5%、高校生は93.5%。
そうした子どもが携帯電話を持っている親子の1日あたりのSNS(LINE・Twitter・Facebook・Instagramなど)でのメッセージやメールのやりとりの回数は「3回未満」が最多でした。
SNSの登場で親子間のコミュニケーションは増えたか尋ねたところ、「変わらない」と答えた親(65.7%)が最多でしたが、子どもが小学生の場合には42.3%の親が「増えた」(「増えた」5.8%+「やや増えた」36.5%)と回答。
SNSがコミュニケーションの活性化に一役買っている側面もあるようです。
コミュニケーション意欲と「話題にされたくないこと」で親子にギャップ
続いて、親子のコミュニケーションの話題について聞いたところ、子どもが男子の場合は「勉強・授業のこと(66.1%)」、「友達のこと(52.9)」、「部活のこと(33.9%)」、「流行っていること(32.9%)」の順。
また、子どもが大きくなるにつれて「将来のこと」が多く話題になっていることが分かりました。
一方、子どもが女子の場合は「勉強・授業のこと(71.1%)」「友達のこと(64.3%)」「流行っていること(41.0%)」「家族のこと(38.0%)」の順で男子とは少し異なる結果に。
特に小学生の女子を子どもに持つ親は、「流行っていること(52.5%)」についてコミュニケーションすることが多いようです。
一方、コミュニケーションに対する親子の意欲を尋ねたところ、高校生の子をもつ親の76.0%が「毎日子どもの話を聞きたい」と思っているのに対し、「毎日親と話をしたい」と思っている子ども(高校生)は56.5%。
そして、高校生の子をもつ親の80.5%が「子どもには何でも話してほしい」と思っているのに対して、「親には何でも話したい」と思っている子ども(高校生)は35.5%。
自分が話したいタイミングで話したいことだけを親に聞いてほしい──時代は変わっても、子どもは毎日親から根掘り葉掘りいろいろな話を聞かれることを敬遠する傾向があるようようですね。
また、親に「子どもから聞かれたくない・話題にされたくない」と思うことを尋ねたところ、「性に対する話題(38.3%)」「専門知識がないとわからないようなこと(35.7%)」「年収や貯金額などお金の話(33.8%)」が上位に。
一方、高校生に「親から聞かれたくない・話題にされたくないと思うこと」を尋ねたところ、男子高校生は「性に関する話題(56.0%)」「彼氏・彼女などの恋愛関係(47.0%)」「お金の使い道(38.0%)」の順。
女子高校生は「彼氏・彼女などの恋愛関係(71.0%)」「性に関する話題(65.0%)」「お金の使い道(27.0%)」の順になりました。
子どもとはいえある程度の人格・自我が芽生える年齢になったら、「最近付き合ってるコはいるの?」なんて無遠慮に聞くのは避けた方が良さそうですね…。
家族で家事を分担すればコミュニケーションが増える?
最後に「家事シェア」と家族のコミュニケーションとの関連性についての調査結果に注目してみましょう。
まず、家族での家事分担について聞いたところ、父親の約6割が「分担している」と答えた一方で、「分担している」と答えた母親は約4割。“やったつもり”の夫と“満足していない”妻とのギャップが判明しました。
また、母親の約6割が「今よりも家事を分担したい」と思っている一方で、「今よりも家事を分担したい」と思っている父親と子ども(高校生)は、ともに約4割にとどまりました。
その原因の1つとして、父親の3人に1人、子ども(高校生)の2人に1人が「家事ができるか自信がない・邪魔になるのでは」と心配に思っていることが影響しているようです。
一方、家族で家事を分担できていると答えた人に「家事を分担することで家族との普段の会話などコミュニケーションが増えたか?」と尋ねたところ、父親・母親・子どもいずれも約6~7割が「増えた」と回答。
家族みんなで家事を分担することは、コミュニケーションのきっかけづくりの効果があるようですね。
今回は「家族とコミュニケーション」に関する調査結果についてご紹介しました。
自分が小さい頃とは様変わりした生活環境の中、大きく成長した子どもとのコミュニケーションの取り方に悩むパパママは多いと思いますが、SNSというデジタルツールも、家事というアナログな行動も、家族が関わり合えるという意味では貴重なコミュニケーションのきっかけにつながります。
子どもの年齢に応じた距離感や話題を考慮しながらいろいろなスタイルを活用し、親子の絆を深めるコミュニケーションを積極的に実践してみてください。
【「ミクシィ コミュニケーション白書」実施の背景】
ミクシィは創業以来“コミュニケーション創出カンパニー”として、SNS「mixi」やスマホアプリ「モンスターストライク」といった友人や家族など親しい人と楽しめるサービスを提供してきました。これら2つは、いずれも家族・友人・知人間の「バイラルコミュニケーション」によって指数関数的なユーザーの増加を引き起こす特徴を持たせたサービスであるという共通点があります。これからもミクシィは、事業ドメインを「コミュニケーションサービス」と定義し、「バイラルコミュニケーション」の設計力を生かせるサービスの創出に取り組んでいきます。
“コミュニケーション創出カンパニー”として、当社はコミュニケーションの視点から現代社会の実態に迫り、より良い未来を考え、コミュニケーションに関する調査企画「ミクシィ コミュニケーション白書」を今後も実施していきたいと考えています。