子どもの運動能力を伸ばす親子の遊びとは?

子どもの運動能力を伸ばす親子の遊びとは?

育児

目次[非表示]

  1. 1歳児向けの運動遊び
    1. 1歳児の動作の特徴
    2. おすすめの運動遊び「パパのおひざでたっち」
  2. 2歳児向けの運動遊び
    1. 2歳児の動作の特徴
    2. おすすめの運動遊び「ひらひら布ジャンプ」
  3. 3歳児向けの運動遊び
    1. 3歳児の動作の特徴
    2. おすすめの運動遊び「にょろにょろロープジャンプ」
  4. 終わりに
昔と比べて子どもたちが外で自由に遊べる環境が減ってきており、屋内でゲームをしたり動画を見たりなどの遊び方が中心になってきているようです。

自分が子どものころはもっと外で走り回って遊んでいたんだけど…と感じているパパも多いのではないでしょうか。

子どもたちに身体を使った遊び(運動遊び)の楽しさを知ってもらうには、まずはパパが率先して一緒に身体を動かして遊ぶことが何よりも大切です。

でも実際に一緒に遊ぼうとしても、「今の年齢でどんな遊びがちょうどいいのかよくわからない」「遊びのバリエーションが少ないので子どもがすぐに飽きてしまう」といったパパの声もよく聞きます。

そこで今回は、理学療法士として子どもたちの運動遊びや身体の使い方を指導している筆者が、お子さんの年齢別に、動作の特徴とおすすめの運動遊びをまとめてみました。

これまでやったことがない遊びを提案すると、パパの株もぐっと上がるかもしれませんよ?

1歳児向けの運動遊び

1歳児の動作の特徴

手ばなしの状態で立ち、一人で歩けるようになってくる時期です。歩き始めの時期はふらついて転ばないように足を肩幅程度に広げ(ワイドベース)、両腕を上げた状態(ハイガード)での歩行が多くなります。

うまくバランスをとることができるようになると徐々に腕は下がり、より自然な姿勢で歩くことができるようになってきます。

また歩くときの足のつき方は、はじめは一歩ずつ立ち止まる(足の裏全体で接地する)ような歩き方ですが、徐々に身体の使い方がうまくなってくると、大人と同じように踵から足を着くことができるようになります。そうなると歩幅は大きくなり、歩くスピードも上がってきます。

おすすめの運動遊び「パパのおひざでたっち」

我が子を膝の上に乗せてかわいがっているだけ…ではありません。正座した状態でお子さんを膝のうえに乗せて、立った姿勢でバランスをとる運動遊びです。写真のように、はじめはふらつかないようにパパの腕でしっかり上半身をかかえてあげて、お子さんが怖がらない範囲でこの姿勢に慣らしてあげるようにしましょう。

パパの膝の上は普段立っているフローリングや畳の床と違ってやわらかく不安定ですので、お子さんは自然といろいろな感覚(身体の傾き、揺れ、位置関係など)を感じとります。特に足底の感覚を意識しながら転ばないように姿勢を保つことで、足の指・足首、お尻の周りなどバランスをとるために必要な筋肉をうまく使うことができます。

さらに余裕が出てきたら、膝の上でまっすぐ立った状態からしゃがむ・立つ動きを繰り返す、 両足でジャンプする、そのまま足踏みするなど、よりダイナミックな動きを入れていくと盛り上がりますよ。

2歳児向けの運動遊び

2歳児の動作の特徴

1歳のころは歩いていてもバランスを崩して転んでしまうことがまだまだ多いと思いますが、2歳を過ぎるとそうした経験を通して身体の使い方が上達しますので、手ばなしでの歩行は安定してきます。

さらに足腰の筋力や瞬発力がついてくると、今度は「走る」動作が可能になります。最初はトコトコと小走りで体幹の揺れが大きいフォームですが、何度も繰り返し行うことで体幹が安定し、太ももがしっかり上がるようになっていきます。そうすると、徐々に走るスピードも上がっていくでしょう。

また階段の上りや両足ジャンプ、ボールを蹴るといったよりパワーを必要とする動作もできるようになってくる時期です。

おすすめの運動遊び「ひらひら布ジャンプ」

お家にあるスカーフ、風呂敷などの薄手の布をご用意ください。※今回の画像ではシフォン布という素材を使用しています。

お子さんがジャンプして届くかどうかというギリギリの高さで、パパが布をひらひらさせさせて「布にさわれるかなー?」と声をかけながら遊びましょう。

ひらひらしていて不規則に揺れる「布」を使うところがこの遊びの特徴になります。目で布の動きや位置をしっかり確認したうえで、そこに届くように身体を動かす(手を伸ばす、ジャンプする)という運動は、この時期のお子さんには意外と難しいもの。状況に応じた身体の使い方や瞬発力を伸ばすにはぴったりの遊びだと思います。

その場でジャンプする動きでうまく布にタッチできるようになってきたら、今度はパパが布をひらひらさせたまま逃げ回って、鬼ごっこに遊びを発展させても楽しいですね。走って追いかけることで下半身の筋力をつける運動になるだけでなく、相手の動きに合わせて動く方向やスピードを変えることで、敏捷性(素早く正確に身体を動かす能力)を高めることにもつながります。

3歳児向けの運動遊び

3歳児の動作の特徴

手足の動きをスムーズにコントロールする能力(協応性)がさらに発達してきますので、階段を降りる動作や片足立ちといった、力を発揮するタイミングが難しい動作もできるようになってきます。外での遊びも活発になり、三輪車や自転車にうまく乗れるようになってくるのもこの時期です。

また、タイミングよく力を入れる・抜くという調整ができるようになってくると、ボールを投げる動作がかなり上達してきます。球を放すタイミングと腕の動きを合わせて、腕全体で投げるようになるので、より正確に遠くまで投げることができます。パパとのキャッチボールもさらに楽しくなってきますね。

ただし、この遊びが安全かどうか、という判断はまだできません。好奇心のままに高いところから飛び降りようとしたり、高いところによじ登ったものの怖くて降りられない…といったことが起こりやすいため、転倒や転落などの怪我には十分注意しましょう。

おすすめの運動遊び「にょろにょろロープジャンプ」

ロープやなわとびなど、踏んでも痛くないひも(1.5-2m程度)をご用意ください。パパママがひもの端を持って、くねくねと動かします。ヘビのようにニョロニョロしているロープを、踏まないように飛び越える遊びです。

大人が先にお手本を見せてあげると、遊び方がスムーズに理解しやすくなります。はじめは両足をそろえたジャンプで飛び越えますが、慣れてきたら走り込んで片足で踏み切ってジャンプするやりかたにも挑戦してみましょう。

床の上のロープを余裕をもって飛び越えられるようになってきたら、床から少しロープを浮かせて高さを出すことで、さらに難易度を上げることもできますよ。反対にまだジャンプが難しい場合は、ジャンプせずにロープをまたいでみたり、パパと手をつないだ状態でジャンプするなど、少しやさしい動作から始めてみてください。

終わりに

今日からお子さんとできそうな運動遊びはありましたか? このようにどこの家にでもある身近なものを使ってちょっとした工夫をすれば、楽しく身体を動かして遊ぶことができます。

また、小学校に入る前の時期にしっかり身体を動かして遊ぶことは、将来いろいろなスポーツに挑戦していくうえでの基礎づくりにもなります。

いずれの運動遊びも、お子さんだけで行うのが難しい場合は、パパが「少し」手伝ってあげることがポイントです。「スムーズにできた」「うまく身体を動かすことができた」という成功体験が、運動能力の発達を促すうえで非常に重要です。

運動が好きになるきっかけがパパとの運動遊びなんて素敵ですよね。ぜひご家庭で実践してみてくださいね。

※運動能力が発達する時期や成熟度には個人差があります。今回の記事では年齢ごとに動作の特徴や運動遊びを紹介していますが、あくまでも大まかな目安となります。ご自分のお子さんが無理なくできるレベルに内容を調整して遊んでみましょう。
奥山和人(理学療法士/パーソナルトレーナー)
1981年秋田県生まれ。理学療法士・パーソナルトレーナー。「姿勢と動作の専門家」として子育て世代のパパ・ママのコンディショニングや、子どもの運動遊び指導など幅広く活動。 トレーニングだけでなく、脳科学・心臓リハビリテーションといった豊富な医学的知識を活かした講座・セミナー開催、コラム執筆なども多数。プライベートでは3児のパパとして子育てに奮闘中。
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写真:奥山和人
参考文献:上杉雅之監修『イラストでわかる人間発達学』2015 医歯薬出版