
【思春期の子ども】子どもの反抗的な態度や口ごたえに、どう対処すればいい?子どもの反抗期虎の巻
育児
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稲田尚久(怒りの取り扱いアドバイザー)
子どもへの叱り方に悩むパパたちのために、怒りの感情に流されずに子どもと接し、的確に注意し正しく導くためのコツを、怒りの取り扱いアドバイザーの“いなっち先生”こと稲田尚久先生に解説いただきます。
第4回のテーマは「子どもの反抗的な態度や口ごたえへの対処法」です。
第4回のテーマは「子どもの反抗的な態度や口ごたえへの対処法」です。
子どもに注意した時、素直に言うことを聞かず、生意気な言い方で口ごたえされたり、時には汚い言葉を返されたりといった経験がありませんか?
子どもが思春期になれば、多かれ少なかれこういったことはあります。そんな時、親としてどう対処するのが良いのでしょうか?
今回のコラムでは、子どもの反抗的な態度や口ごたえに対する親の心構えや対処方法についてお伝えします。
子どもが思春期になれば、多かれ少なかれこういったことはあります。そんな時、親としてどう対処するのが良いのでしょうか?
今回のコラムでは、子どもの反抗的な態度や口ごたえに対する親の心構えや対処方法についてお伝えします。
思春期の子どもはネガティブ感情をためやすい
まずは、第1回のコラムでお伝えしたことですが、イライラや怒りの感情が沸き起こる仕組みについて再確認しておきましょう。
私たちの心の中に『疲れ』『悩み』『不安』といったネガティブ感情がいっぱいたまってくると、怒りやすくなります。アンガーマネジメントでは、こういったネガティブ感情のことを『第一次感情』といい、第一次感情がいっぱいになると機嫌が悪くなりやすく、怒りっぽい状態となっていきます。
これは大人だけでなく、子どもにも言えること。
毎日学校へ行き、帰ってくる。これだけでも体力や気力を使いますから『疲れ』がたまります。学年が上がるにつれて勉強も難しくなっていきますから、疲れる量も増えるでしょうし、勉強が難しいことでの『悩み』や、進路への『不安』だって出てきます。
そして思春期で一番大きいネガティブ感情の原因が、友だちとの人間関係です。
思春期に入ると、多くの友だちと関わるより、自分の価値観に合ったより固定化された友だちとの関わりが増えていきます。人間関係がより親密になり、量よりも質の友だち関係となっていくんですね。友だち関係がより親密で固定化されることで、相手の価値観と自分の価値観とのズレを今までよりも強く意識するようになります。
そこで、自分の価値観と相手の価値観の間で一喜一憂し、友だちとのいざこざも増えやすくなります。私の経験では、男子よりも女子の相談が多かったですね。中学校教師をしていた時、クラス内で女子の人間関係トラブルは、毎年のようにありました。
私たちの心の中に『疲れ』『悩み』『不安』といったネガティブ感情がいっぱいたまってくると、怒りやすくなります。アンガーマネジメントでは、こういったネガティブ感情のことを『第一次感情』といい、第一次感情がいっぱいになると機嫌が悪くなりやすく、怒りっぽい状態となっていきます。
これは大人だけでなく、子どもにも言えること。
毎日学校へ行き、帰ってくる。これだけでも体力や気力を使いますから『疲れ』がたまります。学年が上がるにつれて勉強も難しくなっていきますから、疲れる量も増えるでしょうし、勉強が難しいことでの『悩み』や、進路への『不安』だって出てきます。
そして思春期で一番大きいネガティブ感情の原因が、友だちとの人間関係です。
思春期に入ると、多くの友だちと関わるより、自分の価値観に合ったより固定化された友だちとの関わりが増えていきます。人間関係がより親密になり、量よりも質の友だち関係となっていくんですね。友だち関係がより親密で固定化されることで、相手の価値観と自分の価値観とのズレを今までよりも強く意識するようになります。
そこで、自分の価値観と相手の価値観の間で一喜一憂し、友だちとのいざこざも増えやすくなります。私の経験では、男子よりも女子の相談が多かったですね。中学校教師をしていた時、クラス内で女子の人間関係トラブルは、毎年のようにありました。
SNSとの関わりで疲れている子ども
さらに今の子どもたちのネガティブ感情を増大させている大きな原因が、SNSでのやり取りです。気に入らない友だちのことをSNS上で誹謗中傷したり、LINEのグループから外したりといったことが、今は日常茶飯事となっています。
そうなると、自分がその対象とならないために、学校でもいろんな人の目を気にしながら、自分が嫌われないために必死で過ごさなくてはいけないわけです。これは子どもにとってかなりのストレスですから、自然と学校へ行くだけでネガティブ感情がたまっていくわけです。
そうなれば、家に帰って来た時「いつまでスマホ触ってるんだ!いいかげんにやめなさい!」と親から小言を言われたら、心の中にたまりにたまったネガティブ感情が一気にあふれ出しますよね。それが怒りの感情となって「うるせー!」とか「うざい!」といった口ごたえとなるわけです。
たまりにたまったネガティブ感情を吐き出した子どもに対して、親が反射的に言い返すのは、できれば控えてほしいところです。
「誰に対して言ってるんだ!」
「何様のつもりだ!」
「誰のおかげでスマホを買ってもらえたと思っているんだ!?」
こういった売り言葉に買い言葉をやってしまって、果たして子どもは素直になれるでしょうか?
むしろその逆で、子どもはさらにヒートアップして荒々しい態度をとったり、もしその場は黙っていたとしても「俺の気持ちを分かってくれない」「そうやってすぐ偉そうに言う」と不満だけが残ってしまいます。
そうなると、自分がその対象とならないために、学校でもいろんな人の目を気にしながら、自分が嫌われないために必死で過ごさなくてはいけないわけです。これは子どもにとってかなりのストレスですから、自然と学校へ行くだけでネガティブ感情がたまっていくわけです。
そうなれば、家に帰って来た時「いつまでスマホ触ってるんだ!いいかげんにやめなさい!」と親から小言を言われたら、心の中にたまりにたまったネガティブ感情が一気にあふれ出しますよね。それが怒りの感情となって「うるせー!」とか「うざい!」といった口ごたえとなるわけです。
たまりにたまったネガティブ感情を吐き出した子どもに対して、親が反射的に言い返すのは、できれば控えてほしいところです。
「誰に対して言ってるんだ!」
「何様のつもりだ!」
「誰のおかげでスマホを買ってもらえたと思っているんだ!?」
こういった売り言葉に買い言葉をやってしまって、果たして子どもは素直になれるでしょうか?
むしろその逆で、子どもはさらにヒートアップして荒々しい態度をとったり、もしその場は黙っていたとしても「俺の気持ちを分かってくれない」「そうやってすぐ偉そうに言う」と不満だけが残ってしまいます。
子どもの口ごたえに親が心がける3つのポイント
そこで、親として心がけてほしいポイントが3つあります。
①子どもと同じ土俵へ上がらない
子どもと同じ土俵へ上がってしまうと売り言葉に買い言葉となり、お互いにヒートアップするだけです。より建設的な解決へ進むために、ここは一歩引いて、子どもとバトルしないということを最優先しましょう。
そのためには、腹が立ってもまずは『6秒待つ』を意識してみましょう。6秒待つための方法については、こちらへ書いておりますので参考にしてみてください。
▼詳しくはこちら
そのためには、腹が立ってもまずは『6秒待つ』を意識してみましょう。6秒待つための方法については、こちらへ書いておりますので参考にしてみてください。
▼詳しくはこちら
②子どものネガティブ感情を受け止める
学校から帰って来た子どもが、親に聞こえるようにブツブツ愚痴を言ったら否定をせず、まずはありのままに受け止めましょう。
例えば子どもが次のような愚痴を言った時の対応について、悪い例と良い例を紹介します。
「A太ウゼー。めんどくせー!ムカつく!」
悪い例「そんなこと言うなよ。A太だっていい所あるだろ?」
良い例「そうかあ。A太にムカついたのかあ」
子どもの言うことがおかしいと思うこともあるかもしれませんが、いったん『受け止める』ということを意識してみましょう。誰かに受け止めてもらえたら、冷静さを取り戻すきっかけになり、他の見方や考え方を受け入れやすくなるでしょう。
ただし、子どもに同調しすぎないよう気をつけてくださいね。事実関係がはっきりしない状態で「そうか。A太ってめんどうくさいやつだ。そりゃムカつくなあ。」と一緒になって相手を一方的に悪く言わないようにしましょう。
子どもの意見を鵜呑みにするのではなく、辛さや悔しさなどの感情を受け止めるだけでいいのです。
例えば子どもが次のような愚痴を言った時の対応について、悪い例と良い例を紹介します。
「A太ウゼー。めんどくせー!ムカつく!」
悪い例「そんなこと言うなよ。A太だっていい所あるだろ?」
良い例「そうかあ。A太にムカついたのかあ」
子どもの言うことがおかしいと思うこともあるかもしれませんが、いったん『受け止める』ということを意識してみましょう。誰かに受け止めてもらえたら、冷静さを取り戻すきっかけになり、他の見方や考え方を受け入れやすくなるでしょう。
ただし、子どもに同調しすぎないよう気をつけてくださいね。事実関係がはっきりしない状態で「そうか。A太ってめんどうくさいやつだ。そりゃムカつくなあ。」と一緒になって相手を一方的に悪く言わないようにしましょう。
子どもの意見を鵜呑みにするのではなく、辛さや悔しさなどの感情を受け止めるだけでいいのです。
③子どもに伝えたいことがあれば自分メッセージで
子どもに対して言いたいことを我慢する必要はありませんが、大切なのは『どう伝えるか?』です。そこで、伝え方のコツの一つ、『自分を主語にして気持ちを伝える言い方』をお伝えします。
例えば、子どもから汚い言葉を投げかけられた時。あなたが親なら何と言いますか?
悪い例「おまえのその言い方はひどい!」
良い例「父さん(自分)はその言い方をされると辛い!」
さて、違いがわかりましたか?
「あなたの…」と言われると、責められている感じがしませんか? 闘う姿勢になりそうですよね。子どもが間違ったことを言った時、子どもを主語にして気持ちを伝えてしまうと、子どもはすごく否定された気持ちになります。
こんなに簡単にはいかないかもしれませんが、少なくとも普段から意識していけば、少しずつできるようになっていきます。
売り言葉に買い言葉をしない方がいいとは言いましたが、親子で時にはぶつかり合っても問題ないですよ。でも明らかに言い過ぎたと思った時は、素直に謝ったらいいのです。
100点満点の対応を目指す必要はありませんよ。100点を目指すと苦しくなってしまいますからね。
子どもの素直な気持ち理解し受け止め、親の素直な気持ちも遠慮せずに伝える。こういった親子関係でいられるといいですよね。
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悪い例「おまえのその言い方はひどい!」
良い例「父さん(自分)はその言い方をされると辛い!」
さて、違いがわかりましたか?
「あなたの…」と言われると、責められている感じがしませんか? 闘う姿勢になりそうですよね。子どもが間違ったことを言った時、子どもを主語にして気持ちを伝えてしまうと、子どもはすごく否定された気持ちになります。
こんなに簡単にはいかないかもしれませんが、少なくとも普段から意識していけば、少しずつできるようになっていきます。
売り言葉に買い言葉をしない方がいいとは言いましたが、親子で時にはぶつかり合っても問題ないですよ。でも明らかに言い過ぎたと思った時は、素直に謝ったらいいのです。
100点満点の対応を目指す必要はありませんよ。100点を目指すと苦しくなってしまいますからね。
子どもの素直な気持ち理解し受け止め、親の素直な気持ちも遠慮せずに伝える。こういった親子関係でいられるといいですよね。
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<専門家プロフィール>
稲田尚久(怒りの取り扱いアドバイザー)
一般社団法人日本アンガーマネジメント協会認定アンガーマネジメントファシリテーター。アンガーマネジメント叱り方トレーナー。岡山県青少年健全育成促進アドバイザー。
1970年岡山県真庭市生まれ。名古屋芸術大学絵画科洋画専攻卒業後、愛知県の中学校に講師として1年間勤務し、翌年帰郷。岡山県の公立中学校教諭として23年間勤務。24年間の教師生活の22年間を学級担任として、700組以上の多感な思春期の子どもと保護者へ寄り添ってきた。
2017年4月、『怒りの取り扱いアドバイザー』として独立。
アンガーマネジメント、叱り方、伝え方、聴き方を中心に、子育て、教育、コミュニケーション、メンタルヘルス、ハラスメントといった分野の講演や研修を行っており、年間130本以上をこなしている。また、産業カウンセラーとして、官公庁や企業、個人へのカウンセリングも行っている。
教師経験を活かした内容と豊富な事例。自身がイライラを家族へぶつけてきた父親としての反省を活かした内容に共感を呼び続けている。失敗経験を包み隠すことなくおもしろおかしく伝えることで、笑いながら楽しく学べる内容に定評あり。
稲田尚久(怒りの取り扱いアドバイザー)
一般社団法人日本アンガーマネジメント協会認定アンガーマネジメントファシリテーター。アンガーマネジメント叱り方トレーナー。岡山県青少年健全育成促進アドバイザー。
1970年岡山県真庭市生まれ。名古屋芸術大学絵画科洋画専攻卒業後、愛知県の中学校に講師として1年間勤務し、翌年帰郷。岡山県の公立中学校教諭として23年間勤務。24年間の教師生活の22年間を学級担任として、700組以上の多感な思春期の子どもと保護者へ寄り添ってきた。
2017年4月、『怒りの取り扱いアドバイザー』として独立。
アンガーマネジメント、叱り方、伝え方、聴き方を中心に、子育て、教育、コミュニケーション、メンタルヘルス、ハラスメントといった分野の講演や研修を行っており、年間130本以上をこなしている。また、産業カウンセラーとして、官公庁や企業、個人へのカウンセリングも行っている。
教師経験を活かした内容と豊富な事例。自身がイライラを家族へぶつけてきた父親としての反省を活かした内容に共感を呼び続けている。失敗経験を包み隠すことなくおもしろおかしく伝えることで、笑いながら楽しく学べる内容に定評あり。