ネントレ(ねんねトレーニング)って何?「子どもがかわいそう」「泣かせるだけでしょ」という誤解

ネントレ(ねんねトレーニング)って何?「子どもがかわいそう」「泣かせるだけでしょ」という誤解

育児

目次[非表示]

  1. 「ネントレ」とは?
  2. 夜泣きや寝かしつけトラブル=ネントレが唯一の解決法、ではない
  3. 具体的なトレーニング方法
  4. ネントレは子どもとの絆に影響を与える?
  5. ママがネントレに挑戦しようとしたら?
赤ちゃんが健やかに成長していくには、十分な時間かつ良質な睡眠が不可欠。そうした睡眠を得るために親ができることは?そんなパパママの悩みを、妊婦と子どもの睡眠コンサルタントとして活動する和氣春花さんが解決するコラム連載。今回はネントレ(ねんねトレーニング)について解説します。
夜泣きや寝かしつけにお困りのパパ(ママ)の中には、「ネントレ」や「ネントレ本」という言葉を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

私自身、娘の夜泣きに苦しんでいたときにママ友から「ネントレしてみたら?私はこの本を読んだよ!」と紹介されたことがありました(その時は本を読む余裕すらなくできませんでしたが…)。

そんな「ネントレ」について、一体なんのことを指すのか、具体的にどんな風にやるものなのか、子どもへの悪影響はないのか、パパにもわかりやすく解説していきたいと思います。

「ネントレ」とは?

「ネントレ」は「ねんねトレーニング」の略で、赤ちゃんや子どもの寝る力を上達させるためにする練習のことを指します。

ネントレについて耳にしたことのある方に「ネントレってどんなものか知ってる?」と聞くと、「あ〜赤ちゃんギャンギャン泣かせて放置して寝られるようにするやつだよね!私無理だわ〜!」などと答えられることがあります。

ネントレについてこのような認識を持たれている方が非常に多いのですが、その理由としては最も有名なトレーニング方法が「泣かせるメソッド」であるからだと考えられます。

ですが、実はネントレの方法は泣かせることだけではありません。世界中の小児科医や研究者が子どもの睡眠について研究を重ねており、さまざまなトレーニングメソッドを生み出しています。その中には泣かせるメソッドだけではなく、泣きをコントロールしたり、できるだけ泣かせないようにしたりする方法もあるのです。

ただ、傾向としては泣かせるメソッドのほうが効果が出るのが早いので、一般的に広く使われています。

夜泣きや寝かしつけトラブル=ネントレが唯一の解決法、ではない

とても誤解されることが多いのですが、夜泣きや寝かしつけの問題があるからといってすぐにネントレをすることはおすすめできません。準備なくネントレをすると、もっともっと激しく泣いてしまってうまくいかず、親子ともに疲れ切ってしまうという懸念があります。

睡眠のトラブルがあった場合はまず、睡眠環境やスケジュールが整えられているか、睡眠を妨げている要因はないかを確認するようにしましょう。

具体的には、
・赤ちゃんが疲れすぎていないか(活動時間の確認)
・日中は十分な睡眠を確保できているか
・部屋は暑すぎないか(汗をかいていないか)
・安心して眠れる睡眠環境が整えられているか
・気が散るおもちゃなどが寝床にないか
・豆電球が付いていないか
・窓やドアから明かりが漏れていないか
・気になる音がしていないか
・パジャマのキツさや寝具の肌触りに問題はないか
・寝付いたときと同じ環境をキープできているか
などが挙げられます。

睡眠の土台を整えて、それでも問題が解決しない場合に「寝かしつけのクセ」を取るためにネントレを検討する、という順番になります。

具体的なトレーニング方法

有名な方法だと最初に挙げた泣かせるメソッドである「エクスティンクションメソッド」というものがあります。赤ちゃんを寝室に連れていき、そのままあやしに行かずに泣かせ続けるという方法です。赤ちゃんは泣いても親が来てくれないことを理解し、次第に泣かずに眠るようになるというトレーニング方法です。

ですが、これでは心が痛む!という方が多いのではないでしょうか。そこで多く取り入れられているのが、ファーバーメソッドという「少しあやしにいく」方法です。

赤ちゃんを寝床に置いたら一旦部屋を出て、決められた時間が経過したら短時間だけあやしにいく、というやり方です。「ファーバーメソッド」で検索いただけるとたくさんの事例がヒットしますので、興味のある方はぜひ検索してみていただければと思います。

部屋を出ていくのがつらい!という方には、同じ部屋にいたまま、できるだけ介入度を低く距離を取りながらあやし続けるという方法もあります。こちらは「フェイドアウトメソッド」と言って、できるだけ泣かせないメソッドに分類されます。

ネントレは子どもとの絆に影響を与える?

ネントレを行うことは赤ちゃんとの絆に影響を与えてしまわないだろうか? 気持ちの面で悪影響があるのではないか?と心配になってしまうかもしれません。

ですが、これについては医学研究で発達や愛着関係に影響を与えないと証明されています。

文献)Five-Year Follow-up of Harms and Benefits of Behavioral Infant Sleep Intervention: Randomized Trial

こちらは2012年に公開されたオーストラリアの研究で、睡眠トラブルを抱える7ヶ月の赤ちゃん326人を2つのグループ(ねんねトレーニングをするグループとしないグループ)にランダムに分け、5年後に子どもの精神面の発達や親子関係などをテストしたものです。結果、2つのグループには差がなかったというデータが出ています。

パパやママは大切な我が子を泣かせることに不安を覚えるかもしれません。そんなとき、「やっぱりやめよう…」とトレーニングを中断してしまうことは、むしろ子どもを混乱させることにつながります。

自信を持ってネントレに取り組むためには、睡眠の土台を整え、子どもに与えた睡眠環境やスケジュールに自信を持つことがとても大切です。

ママがネントレに挑戦しようとしたら?

ネントレに挑戦したいと思っているということは、なにかしらお子さんの睡眠に対して悩みを持っているということです。
その悩みを一番理解してもらいたいのは毎日一緒に暮らしているパパです。まずはママがどんなことに悩んでいて、どう解決したいのか聞いてみましょう。パパが協力することで、解決できる悩みもあるかもしれません。

そして、ネントレをすべきなのか、その前にやれることがないのか(睡眠の土台の見直し)を二人で確認してみてください。それらを確認した上で、「ネントレをしよう!」ということであれば、パパも納得できるまでママに質問して(もしくは自分で調べてみて)、開始時期やトレーニングの方法を一緒に決めていくことをおすすめします。

ネントレを成功させるために大切なのは一貫性です。

「こんなに泣かせて…やめたほうがいいんじゃないの?」。そんなパパの一言は、覚悟を決めて頑張っているママの心をぽっきり折ってしまうので(ネントレ失敗のあるあるです)、必ず事前によく話し合い、お互い納得した上で始め、トレーニング期間中は協力しあうことをおすすめします。これが成功への近道です。

注意点として、直後に旅行が控えていたり、引越しがあったり、保育園に入園したりなど環境の変化がある時期はおすすめできません。後ろ1ヶ月くらいには大きな環境変化の予定がなく、パパがママをサポートしやすい時期(お休みが取れるタイミングなど)を選んでやっていただくと良いでしょう。
<専門家プロフィール>
和氣 春花(わけ はるか)
米国IPHI公認 妊婦と子どもの睡眠コンサルタント。SNSではねんねママの名前で活動。我が子の夜泣きに悩んだ際に睡眠コンサルタントに支えられた経験から同資格を取得し、パパママ向けのコンサルティングやねんねママのブログ・YouTube「ねんねママちゃんねる」での情報発信、「赤ちゃんとママのためのぐっすりねんね講座」の講師を務めている。

ねんねママのブログ
https://mominess.com/
YouTube「ねんねママちゃんねる」
https://www.youtube.com/channel/UCdcmZnjdRiU6uL7BKua8Bvw
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