子どもへのご褒美、習慣にするのはOK?NG?ご褒美制のあり方を考える

子どもへのご褒美、習慣にするのはOK?NG?ご褒美制のあり方を考える

育児

目次[非表示]

  1. その場では効果絶大なご褒美。でも長い目で見ると…
  2. 使い方によっては親子の信頼関係を損なう?気を付けたいポイント
  3. 形のないご褒美=ほめ言葉を上手に使おう
    1. ①頑張った過程を認める
    2. ②子どもと同じ目線に立って共感する
    3. ③達成する充実感を体験・理解させる

その場では効果絶大なご褒美。でも長い目で見ると…

勉強、習い事、お手伝い──子どもに頑張ってほしいことはたくさんあるのに、なかなか思うように動いてくれない…と悩んでいるパパママは少なくないはず。

そんな時につい頼りたくなるのが、成果や頑張りとの引き換えとして特定の報酬を提示する「ご褒美制」。例えば、「期末テストの点数が上がったらゲームを買ってあげよう」「お手伝いを毎日1つすれば100円あげるよ」なんてご褒美を提案されたら、たいていの子どもはやる気になってくれることでしょう。

確かに「今回だけは頑張ってほしい」「とにかく重い腰を上げてほしい」「やるべきことを習慣化するきっかけに」といった“ここぞ”というケースでは、ご褒美によるモチベーション効果は絶大。また、短期的に到達できるゴールを設けることで、頑張ることに対する達成感を子どもが得やすいというメリットもあります。

でも、こうした“モノで釣る”形でモチベーションアップを図るのは、長い目で見た時に親子それぞれにとって良いことなのか? そう自問したくなるようなメッセージを込めた漫画がSNSに投稿され、話題を集めています。

使い方によっては親子の信頼関係を損なう?気を付けたいポイント

ご褒美をもらえるから頑張ったのに、親に「やっぱりダメ」と裏切られてショックを受けた…というこの漫画の内容に対して、「自分も経験がある」という声が次々挙がっています。

さすがに“その場しのぎの嘘”は論外としても、期待通りの報酬を得られなかった場合など、使い方によっては親子の信頼関係を損なう火種になりかねない“ご褒美制の危うさ”を感じずにいられません。
子どもに対して「〇〇したら〇〇をあげる」といったご褒美制を習慣化することの懸念は、行動のモチベーションが報酬に左右されるおそれがあること。

「頑張ればご褒美がもらえる」という方式に慣れると、いつしか「ご褒美のために頑張る」「もっと大きなご褒美が欲しい」というご褒美ありきの発想が芽生え、それが「ご褒美がもらえたからもういいや」「ご褒美がなければ頑張らない」という思考になってしまうおそれも。さらに、大きくなってからもモノや見返りで物事の価値判断を測ったり、自主的なやる気に乏しくなる懸念も拭えません。

形のないご褒美=ほめ言葉を上手に使おう

本来なら、親が見返りを提示したり強制せずとも、自ら「勉強が面白い」「頑張ってピアノが上手くなりたい」とモチベーションを見出してくれるのがベストでしょうが、やはり子どものやる気スイッチを押すには親の働きかけが必要な時もあります。
そこで意識したいのが、ほめ言葉によって子どもの内発的なモチベーションを湧き上がらせること。

厳密には「モノを介さないご褒美制」ではあるのですが、やっぱり大好きなパパママに笑顔でほめてもらうことは、子どもにとって最高のやりがいであり幸せ! そんなパパママの温かい愛情が込められたほめ言葉なら、方法方次第ではモノを介するご褒美制よりもやる気を引き出し継続させることが期待できます。

①頑張った過程を認める

結果の良し悪しがどうあれ、本人なりに努力したのであれば、まずはその頑張った過程をほめてあげてみてください。すると、認められ励まされた子どもの心に「頑張ることはいいことだ」「よし、次も頑張ろう」と前向きな気持ちが芽生えるはずです。

また、結果という瞬間だけでなく普段の努力を認めてあげると「僕/私のことをちゃんと見てほしい」という子どもの承認欲求が適度に満たされ、さらなるモチベーションの原動力となることでしょう。

②子どもと同じ目線に立って共感する

頑張る過程をポジティブに感じてもらえるようにするには、「自分の気持ちを分かってほしい」という子どもの共感欲求を満たす声かけも有効です。

例えば「うんうん、これは難しいよね。よくできた!」「昔パパがこれをできるまで時間がかかったんだよ。スゴイね」など、大人が同じ目線に立って寄り添うように声をかければ、子どもも「頑張って良かった」と心から思うことができ、さらに発奮させられるはず。

③達成する充実感を体験・理解させる

「〇〇を頑張るのは面白い」「目標を達成するために頑張ろう」という内発的モチベーションに目覚めさせるには、頑張ることで得られる充実感を体験・理解させることが有効。

例えば、ずっと散らかっていた部屋を子どもが掃除した時、「部屋をキレイにして偉いね」と結果だけをほめるのではなく、「部屋がキレイになると気持ちいいね」と達成感を実感できるように声をかけてみるのはいかがでしょうか。実際にキレイになって気持ちのいい部屋を目の前にすれば、これからも頑張って掃除しよう!という継続的なモチベーションが自発的に芽生えるはずです。
モノを介する「ご褒美」と、モノを介さない「褒める」。どちらも同じ漢字で表される行為ですが、子どもに与える影響と効果は似て非なるものです。

“報酬をもらったらそこで終了”というご褒美方式はここぞ!というシチュエーションに大事にとっておき、日々の勉強やお手伝いなど継続的に頑張ってほしいことに対しては、上手なほめ言葉を投げかけてモチベーションアップを図ってみてください。

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