
兄妹・姉弟を一緒にしたり比べない!男の子と女の子の育て方 ~同性の子どもへの関わり方~
育児
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毎日の暮らしの「困った!」に役立つ技やコツをご紹介する連載「目指せ我が家のHERO!家族を助ける特技を作る」。今回のテーマは「兄妹・姉弟の育て方」です。
同じ子どものはずなのに、上の子と下の子の性別が違うだけで育てやすさに差を感じてしまう…。そんなパパママのモヤモヤを解消するための育児アドバイスを、All About子育てガイドの田宮由美さんに解説していただきます。
同じ子どものはずなのに、上の子と下の子の性別が違うだけで育てやすさに差を感じてしまう…。そんなパパママのモヤモヤを解消するための育児アドバイスを、All About子育てガイドの田宮由美さんに解説していただきます。
同性同士の子育ては大変に感じる?
男の子と女の子、性差の違う子どもがいると、いずれかが育てやすく感じることはないでしょうか。どちらに対しても、愛情は同じで、可愛いわが子なのですが、接する時、どちらかに「手がかかる」と感じた経験のある親も少なくないでしょう。
一般的によく言われているのは、「男親は娘が可愛く、女親は息子が可愛い」という言葉です。このフレーズを一度は耳にしたことがある人は多いと思います。これを反対に言うと、「男親は息子への接し方を大変と感じ、女親は娘への関わり方に手を焼く」とも言えるでしょう。
なぜ、このように感じるのでしょうか。その要因の一つとして、同性同士はある時期から対等意識を持ちやすく、ライバル視することが挙げられます。
例えば、息子が何かスポーツを習っている場合、父親は「自分が子どもの頃は、もっと厳しい練習に耐えてきた」と、緩く取り組んでいる息子を歯がゆく感じたりすることがあるのではないでしょうか。それは母親と娘との関係にも当てはまり、自分の歩んできた道と比べ、イライラしたり歯がゆく感じることがあると思います。
一般的によく言われているのは、「男親は娘が可愛く、女親は息子が可愛い」という言葉です。このフレーズを一度は耳にしたことがある人は多いと思います。これを反対に言うと、「男親は息子への接し方を大変と感じ、女親は娘への関わり方に手を焼く」とも言えるでしょう。
なぜ、このように感じるのでしょうか。その要因の一つとして、同性同士はある時期から対等意識を持ちやすく、ライバル視することが挙げられます。
例えば、息子が何かスポーツを習っている場合、父親は「自分が子どもの頃は、もっと厳しい練習に耐えてきた」と、緩く取り組んでいる息子を歯がゆく感じたりすることがあるのではないでしょうか。それは母親と娘との関係にも当てはまり、自分の歩んできた道と比べ、イライラしたり歯がゆく感じることがあると思います。
友達関係になる母と娘、師弟関係になる父と息子
ですが、母親と娘はある程度、子どもの年齢が高くなれば、一緒にショッピングに行ったり、食事をしたり、趣味の会話を楽しんだりと、友達親子というような関係性に変化することがあります。それに比べ、父親と息子の間には、そのような関係性は生じにくく、友達と言うより師弟関係のようになっていることが多いでしょう。
子どもは男女を問わず、成長していく過程で、親とは対等意識を持ち始めます。ですが、受容的養育的な母性は、包み込むような愛情で接し、子どもを受け入れます。それに対し、物事の善悪を伝えたり、規範やルールを守ることなど、厳しさを教える父性は、どうしても子どもとの間に上下意識ができることが多いのです。
男親は元より、可愛いと感じている娘に対しては、厳しく接することは少ないのですが、息子には厳しくすることで、男の子の父親に対して生じる反抗心が、さらに育てにくいと感じることがあるのかもしれませんね。
子どもは男女を問わず、成長していく過程で、親とは対等意識を持ち始めます。ですが、受容的養育的な母性は、包み込むような愛情で接し、子どもを受け入れます。それに対し、物事の善悪を伝えたり、規範やルールを守ることなど、厳しさを教える父性は、どうしても子どもとの間に上下意識ができることが多いのです。
男親は元より、可愛いと感じている娘に対しては、厳しく接することは少ないのですが、息子には厳しくすることで、男の子の父親に対して生じる反抗心が、さらに育てにくいと感じることがあるのかもしれませんね。
子どもの発達を左右する「男の子脳」「女の子脳」の違い
人の脳には右脳と左脳があり、右脳は感情や感覚、左脳は言語や計算、理論的な分野を担っていると言われています。
そして生物学的に性差があるように、脳の成長や発達にも、男の子、女の子の違いがあります。もちろん個人差があり一概には言い切れませんが、男の子、女の子の脳は、それぞれの脳の発達する速度や構造が異なるのです。
一般的に男性より女性の方が脳の発達は速く、また左脳と右脳を結ぶ役割をしている脳梁も女性の方が太いと言われています。また女性の脳は、言語を司る「言語野」の発達も速く、左右の脳を使って話をするとも言われています。
ですので、女の子はおしゃべりが好きで、感情や考えをスムーズに言葉にできたり、人と言葉によるコミュニケーションも上手なのに対し、男の子は口下手という印象があるでしょう。ですが、男の子は、黙々と集中することが多く、また空間認知を司る「頭頂葉」は男性の方が優れていると言われており、地図を見たり道順を覚えたりするのは得意なことが多いです。
女の子は、おしゃべりをしながら他のことができたり、友達との関わり方が上手かったり、また喜怒哀楽がはっきりしていたりします。男の子は、理論的に考え、空間認知や情報処理に優れ、ひとつのことに集中する傾向があります。他人の感情をくみ取ったり、言葉によるコミュニケーションは苦手なことが多いでしょう。
これらのことから、男の子、女の子には思考や行動に違いがあることを理解し、それぞれの特徴を踏まえて接していくことで、同性同士の子どもへの関わりもスムーズにいくでしょう。
そして生物学的に性差があるように、脳の成長や発達にも、男の子、女の子の違いがあります。もちろん個人差があり一概には言い切れませんが、男の子、女の子の脳は、それぞれの脳の発達する速度や構造が異なるのです。
一般的に男性より女性の方が脳の発達は速く、また左脳と右脳を結ぶ役割をしている脳梁も女性の方が太いと言われています。また女性の脳は、言語を司る「言語野」の発達も速く、左右の脳を使って話をするとも言われています。
ですので、女の子はおしゃべりが好きで、感情や考えをスムーズに言葉にできたり、人と言葉によるコミュニケーションも上手なのに対し、男の子は口下手という印象があるでしょう。ですが、男の子は、黙々と集中することが多く、また空間認知を司る「頭頂葉」は男性の方が優れていると言われており、地図を見たり道順を覚えたりするのは得意なことが多いです。
女の子は、おしゃべりをしながら他のことができたり、友達との関わり方が上手かったり、また喜怒哀楽がはっきりしていたりします。男の子は、理論的に考え、空間認知や情報処理に優れ、ひとつのことに集中する傾向があります。他人の感情をくみ取ったり、言葉によるコミュニケーションは苦手なことが多いでしょう。
これらのことから、男の子、女の子には思考や行動に違いがあることを理解し、それぞれの特徴を踏まえて接していくことで、同性同士の子どもへの関わりもスムーズにいくでしょう。
男の子・女の子に適した育て方
では次に、「男の子脳」「女の子脳」の違いから、父親が育てにくいと感じることの多い男の子の育て方に注目しながら説明していきます。
ポイント①女の子には、感情に共感し、親の気持ちを伝える
女の子は、成長が男の子より早く、口も達者なことから、少々生意気な面を感じるかもしれません。そして反抗期も男の子より早く来ることが多いでしょう。
その場合は、「そうなんだ、それはイヤだよね」「○○ちゃんの気持ち、よくわかる」など気持ちに理解を示す言葉をかけましょう。その上で「△△してくれれば、お父さん、嬉しいんだけれどな~」など、親の気持ちを伝えるような言い方をすればよいでしょう。
その場合は、「そうなんだ、それはイヤだよね」「○○ちゃんの気持ち、よくわかる」など気持ちに理解を示す言葉をかけましょう。その上で「△△してくれれば、お父さん、嬉しいんだけれどな~」など、親の気持ちを伝えるような言い方をすればよいでしょう。
ポイント②男の子には時間をかけて傾聴する
男の子は言葉による説明が苦手ですので、自分の思いが相手に伝わらないと、つい手が出たり、物にあたったりと、乱暴な行動になりがちです。また、周囲の状況を見ながら行動する女の子に対し、男の子は自分の思ったままに動くことが多く、時にはそれが周りからは誤解を招くこともあります。
口数の少ない男の子に対し、「何を考えているんだ」「勝手にしろ」など突き放すような言葉で怒鳴ることはNG。男の子は脳の発達の違いからも言えるように、言葉での説明が苦手です。うまく言葉で伝えられずモヤモヤしているところに突き放すような言葉を言うと、反発心が高まり親子の溝は深まります。
そのような時は、ゆっくりと子どもの言葉に耳を傾け、時間をかけて話を聴くようにしましょう。
口数の少ない男の子に対し、「何を考えているんだ」「勝手にしろ」など突き放すような言葉で怒鳴ることはNG。男の子は脳の発達の違いからも言えるように、言葉での説明が苦手です。うまく言葉で伝えられずモヤモヤしているところに突き放すような言葉を言うと、反発心が高まり親子の溝は深まります。
そのような時は、ゆっくりと子どもの言葉に耳を傾け、時間をかけて話を聴くようにしましょう。
ポイント③男の子が何かに没頭している時は、声をかけない
また男の子は興味あるものに取り組み始めると没頭しがちですので、その時はあまり声をかけず、思う存分、気の済むまでさせてあげましょう。
例えば、本や図鑑を読んでいる時、ブロックや工作をしている時、また何かを分解しているような時など、自分の方から能動的に関わっている時は、食事やお風呂の時間になることもあるかもしれませんが、その時は親の臨機応変な対応を示したいものですね。
例えば、本や図鑑を読んでいる時、ブロックや工作をしている時、また何かを分解しているような時など、自分の方から能動的に関わっている時は、食事やお風呂の時間になることもあるかもしれませんが、その時は親の臨機応変な対応を示したいものですね。
ポイント④男の子には、数字を用いたり理論的に説明する
そして、物事を説明したり行動を促す場合は、数字やルールを用いて理論的に話してみてください。
例えば、宿題になかなか取り組まない場合、「早くしなさい!」と命令口調で言うより「早く終わらせると、夜寝るまでの〇時間、宿題のことを気にせず、好きなように過ごせるよ」と論理的に話すとよいでしょう。
例えば、宿題になかなか取り組まない場合、「早くしなさい!」と命令口調で言うより「早く終わらせると、夜寝るまでの〇時間、宿題のことを気にせず、好きなように過ごせるよ」と論理的に話すとよいでしょう。
ポイント⑤男の子はプライドを傷つけないよう褒める
男の子は、小さなことでも勝ち負けを気にしたり、特に興味あることに対してはこだわりが強かったりします。そして、注意されることや負けを認めるのを嫌います。ですので男の子は特に「褒めて」伸ばしましょう。
その際、漠然と「スゴイ!」「エライ!」と褒めるのではなく、きちんと褒めるべきところを見極めることがコツです。「車のエンジン音で車種が分かるなんて、本当にすごいね」と、スゴイところを具体的に指して褒めましょう。
また「テストで満点取るなんて、エライ」より、さらに一歩踏み込み、「テスト勉強、頑張っていたからな。満点なんて、本当にエライね」と、努力した過程も褒めましょう。この褒め方に関しては、女の子にも同様ですが、男の子の方が喜びやすく、次の意欲につながるでしょう。
その際、漠然と「スゴイ!」「エライ!」と褒めるのではなく、きちんと褒めるべきところを見極めることがコツです。「車のエンジン音で車種が分かるなんて、本当にすごいね」と、スゴイところを具体的に指して褒めましょう。
また「テストで満点取るなんて、エライ」より、さらに一歩踏み込み、「テスト勉強、頑張っていたからな。満点なんて、本当にエライね」と、努力した過程も褒めましょう。この褒め方に関しては、女の子にも同様ですが、男の子の方が喜びやすく、次の意欲につながるでしょう。
男の子の成長には父性も大切
母親の母性は、自分を無条件の愛情で受容していることを男の子は感じています。ですので、少々お母さんが叱っても、右から左へと聞き流して大丈夫、というような感覚も持っているでしょう。その場合は、やはり父親の父性が大切になってきます。毅然とした態度で、社会の規律や善悪を理論だって教えていきましょう。
ただ一方的に高圧的な関わりでなく、時には「よく知っているな、お父さんも驚きだ。教えてくれるか」など頼りにしたり認めているような言葉も、普段の会話の中に入れるとよいでしょう。
ただ一方的に高圧的な関わりでなく、時には「よく知っているな、お父さんも驚きだ。教えてくれるか」など頼りにしたり認めているような言葉も、普段の会話の中に入れるとよいでしょう。
その子らしさに注目した子育てをしましょう
一般的な男の子、女の子の特徴や、同性同士の子どもへの関わり方をお伝えしましたが、やはりその子の持って生まれた気質や、育つ環境によって、その性格や特徴は異なってきます。
そして、必ず母親が母性、父親が父性の役割をしなければならないこともありません。その子自身をしっかり見つめ、各家庭の状況、その子の特徴にあった子育てで、健やかな成長と自立を促していきましょう。
<専門家プロフィール>
All About子育てガイド
田宮 由美
https://allabout.co.jp/gm/gp/1662/
「家庭教育協会・子育ち親育ち」代表。小学校教諭・幼稚園教諭・保育士・日本子育て学会会員。幼児教室指導者として約10年間、7地域で教室を展開。また公立幼稚園や小学校・中学校での勤務や公的ボランティアの活動などを通してさまざまな角度から多くの親子と接し、2010年に子ども能力開花くらぶを開設。現在は執筆を中心に講演、個別教室など幅広く活動中。著書に『子どもの能力を決める 0歳から9歳までの育て方』(中経出版・刊)。
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<専門家プロフィール>
All About子育てガイド
田宮 由美
https://allabout.co.jp/gm/gp/1662/
「家庭教育協会・子育ち親育ち」代表。小学校教諭・幼稚園教諭・保育士・日本子育て学会会員。幼児教室指導者として約10年間、7地域で教室を展開。また公立幼稚園や小学校・中学校での勤務や公的ボランティアの活動などを通してさまざまな角度から多くの親子と接し、2010年に子ども能力開花くらぶを開設。現在は執筆を中心に講演、個別教室など幅広く活動中。著書に『子どもの能力を決める 0歳から9歳までの育て方』(中経出版・刊)。
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