小さな子どもがご飯を残すのはなぜ?食事をしっかり食べさせるコツ

小さな子どもがご飯を残すのはなぜ?食事をしっかり食べさせるコツ

育児

目次[非表示]

  1. 小さな子どもが食事を残してしまう原因は?
    1. ①遊び食べのせい
    2. ②食事に集中しづらい環境のせい
    3. ③食材や味付けが苦手なせい
  2. 出された食事をしっかり食べさせるには?
    1. おやつを与えすぎない
    2. 食べやすいサイズと量で料理を出す
    3. 子どもが好きなキャラクターの食器を用いる
    4. ふりかけなど「子どもが好きな味付け」に頼る
    5. テレビを消して食事に集中させる
    6. 大人がしっかり美味しそうに食べる
育ち盛りの子どもを持つパパママにとって、成長に必要な栄養をしっかり摂れるよう日々の食事を残さず食べてくれることは大きな願い。でもそんな親の思いとは裏腹に、出された食事をちゃんと食べずに残してしまうことは珍しくありませんよね。厚生労働省が10年に一度行っている「乳幼児栄養調査」(※1)でも、「食べる量が少ない」「食べものの種類が偏っている」「食べるのを嫌がる」と悩んでいる家庭が多かったそうです。

では、なぜ小さい子はきちんと食べずに食事を残してしまうのか? その要因として考えられるものを挙げながら、出された食事を子どもにしっかり食べさせるアイデアを紹介します。

小さな子どもが食事を残してしまう原因は?

①遊び食べのせい

親に食べさせてもらう離乳食期を経て自分で食べられるようになってから、スプーンを振り回したりフォークで食器を叩いて音を鳴らすなど、つい「遊び食べ」をしてしまうことはありませんか?

遊び食べの原因としては、単に「食欲がない」というものから「食事に集中できていない」までさまざまですが、食べながら遊んでいるうちにお腹がいっぱいになり、最終的に食事を残してしまうという因果関係が考えられます。

②食事に集中しづらい環境のせい

遊び食べと似たような行動としてよく見られるのが、食事中に子どもがじっと座っていられず席を立ったり遊び出してしまうこと。また、食事中にテレビをつける習慣のある家庭では、子どもがテレビに夢中になって手と口が止まってしまうこともあるでしょう。いずれも、食卓以外のことに気を取られ、食事に集中できないのが原因と思われます。

あるいは、食卓の高さに対して椅子が高すぎたり低すぎたり、椅子に足の置き場がなくてブラブラしてしまうことなども、子どもが食事に集中しづらい要因になります。

③食材や味付けが苦手なせい

離乳食を与えていたころは出されたものを何でもパクパク食べていたのに、味覚の発達に伴って好き嫌いが生まれ、急に食が細くなってしまったというケースは少なくないでしょう。

子どもが苦手とする食材といえば、苦みのある野菜が思い浮かびますが、あまり味のしない白米もわりと嫌がりがち。口に入れたくない→残す→苦手を克服できないという負のループが生まれ、食事を残してしまいがちになるのでしょう。

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出された食事をしっかり食べさせるには?

おやつを与えすぎない

子どもが食事を残すそもそもの理由として「お腹がすいていない」ことが考えられます。特に夕食の場合、おやつの食べすぎによって満腹感が残り、肝心の食事を残してしまいがち。

子どもはおやつが大好きなので難しいところではありますが、おやつの量をさりげなくセーブしたり「おやつはご飯をちゃんと食べた後に」とルールを作り、なるべく空腹=食欲旺盛な状態で食事に臨めるようにしてみてください。

食べやすいサイズと量で料理を出す

子どもが出された料理をしっかり食べるような改善策を工夫しても、いきなり解決するのは難しいでしょう。そこでまずは、食器に盛る料理の量を少なめにして「完食する」という体験を味わわせてみてはいかがでしょうか。そしてすかさずパパママが「おっ、全部食べられてエライね!」と大げさにほめてあげれば、その積み重ねによって子どもの自信と意欲につながるはずです。

またその際は、一口サイズのおにぎりや小さめの食器など、子どもにとっての食べやすさも配慮するとなお良いでしょう。

子どもが好きなキャラクターの食器を用いる

子どもが好きな絵本やアニメの力は、なんといっても絶大! お気に入りのキャラクターがプリントされた食器を用いて「今日も〇〇と一緒に仲良く食べようね」と声がけすれば、食事をすることが楽しくなり、ひいては料理そのものも美味しく感じられることでしょう。

ふりかけなど「子どもが好きな味付け」に頼る

子どもにとってはちょっと味気ない白米も、ふりかけを足せばパクパク食べてくれることがありますよね。ふりかけに頼りすぎると「ふりかけなしでは食べられなくなるかも」と心配になるかもしれませんが、大きくなれば自然と白米だけでも食べられるようになるもの。それにちゃんとご飯を食べてくれる方が安心だし、親の精神衛生上にもプラスに働きます

ちなみに、子どもが好きなアンパンマンがデザインされた「それいけ!アンパンマンふりかけ」は、1袋あたりの食塩相当量が0.3g(※2)。厚生労働省によると3~5歳の食塩相当量摂取基準は1日あたり3.5g未満(※3)とのことなので、塩分の摂りすぎが心配な方は1食あたり1袋にとどめておくのがよさそうですね。

テレビを消して食事に集中させる

食事中の娯楽や話題づくりのためにテレビをつけている家庭も少なくないでしょうが、「ながら」でも食事できる大人と違って子どもはテレビを見ればそちらに集中し、その結果食事が進まなくなってしまいがち

大人にとっては物足りないかもしれませんが、食事中は我慢してテレビを消すなど、食事に集中できる環境を整えてみてください。そのぶん子どもとの会話を心がけ、家族で食卓を囲む楽しさを教えてあげましょう

大人がしっかり美味しそうに食べる

「親は子の鏡」と言われるように、子どもは親の行動をよく見ていて、意図的に(あるいは無意識に)真似してしまうもの。つまり、パパママが「これ美味しいね」と笑顔で料理をパクパク食べれば、子どもも「食事は楽しいもの」「ウチの料理は美味しい」と思うことができるはず

「ちゃんと食べなさい」「遊びながら食べない!」と口で注意することも大切ですが、パパママが自ら「こう食べてほしい」という手本を示す方が、よりポジティブな食育につながるのではないでしょうか。

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食べ物の好き嫌いは味覚の変化など時間が解決してくれることもありますが、子どもが食事に前向きに臨めるようになるには、パパママのひと工夫が与える影響は決して少なくありません。

「食べないから怒る」「残すから怒る」を繰り返していると、大人にとっても子どもにとっても食事の時間が苦痛になってしまいます。食事中の様子をじっくり観察して食べない原因を見極めながら、子ども一人ひとりに適した働きかけを実践してみてください。


<参照>
※1:厚生労働省「平成27年度 乳幼児栄養調査結果」

※2:永谷園「それいけ!アンパンマンふりかけ ミニパック」
※3:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

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