「生まれ順」で育て方は変わる?きょうだい仲良く育てるための子育て方法

「生まれ順」で育て方は変わる?きょうだい仲良く育てるための子育て方法

育児

目次[非表示]

  1. 生まれ順によって違う、 兄弟姉妹が抱えがちな不満
  2. 親に頼られて甘えられない…第1子が持ちがちな不満
  3. いつまでも子ども扱い…末っ子が持ちがちな不満
  4. 注目されず放っておかれる…真ん中っ子が持ちがちな不満
  5. 親が陥りがちな“きょうだい差別”の落とし穴
  6. きょうだい仲良く育てるために、比較せず個性を尊重しよう

生まれ順によって違う、 兄弟姉妹が抱えがちな不満

「弟よりお姉ちゃんが欲しかった!」「お兄ちゃんばっかりずるい!」「末っ子ばっかり甘やかされてる!」等々、きょうだいの中で育つ子どもは、いろいろな不満を抱えがちです。親としたら、子どもはそれぞれにかわいい。同じように育てているつもりなのに……と悩んでしまうことがあるかもしれません。

子どもが感じやすい不満や抱えやすいさみしさは、生まれ順によって違います。きょうだいが仲良く育つために、親はどのようなところに気を付ければよいのでしょう?

親に頼られて甘えられない…第1子が持ちがちな不満

下の子が生まれると、上の子が赤ちゃん返りすることは少なくありません。「お兄ちゃん、お姉ちゃん」になった喜びもある一方で、これまで独占してきた両親や祖父母からの関心や愛情が急に薄れたと感じています

ポッと出の新人に主役を奪われたスターのような気持ちかもしれません。スポットライトを浴び、周りからチヤホヤされている妹や弟をうらやましいと思いながら、スターのプライドがあるから甘えられない…。

ですから、上の子が一緒の時は、両親が下の子だけにかかりきりになるのは極力避け、どちらかが上の子に寄り添うようにしましょう。祖父母に任せることがあるかもしれませんが、やはり子どもにとっては両親が特別です。

両親ともに赤ちゃんのそばにいる時は、上の子もその場に呼んで一緒に「かわいいねー」と言ったり、何かお手伝いをしてもらうといいかもしれません。上の子が「両親と赤ちゃん⇔自分」ではなく「赤ちゃん⇔両親と自分」と感じられるようにするのがポイントです。ひとり親の場合も同じです。

第1子がしっかり者になりやすいのは我慢することが多いからでしょう。たとえば、3つ離れて生まれた下の子が3歳になった時、親は「あの頃3歳だった上の子は、こんなに小さかったんだ…」と感じたりします。「お兄ちゃん(お姉ちゃん)でしょ」と、ついつい頼ってきたのかもしれません。

上の子に無理をさせてきたなと思ったら、その気持ちを率直に伝えましょう。「さみしい思いをさせてごめんなさい。でも、あなたがいてくれて本当に助かった。ありがとう」というふうに。

なお、障害や病気を持つ子どもがいる場合、親は他のきょうだいに、第1子と同じような期待をしがちなので注意しましょう。

いつまでも子ども扱い…末っ子が持ちがちな不満

いつまでもかわいい末っ子。子育ての経験を積んで余裕がある親にとっては、なおさらかわいく感じます。内心「自分が一番愛されている」と思っている末っ子も少なくありません。一方で、末っ子は「いつまでも子ども扱いされる」ことに不満を持ちがちです

上の子を観察して立ち回りを覚えていく末っ子は、甘え上手で愛され上手ですが、親が頼るのはいつも上のきょうだいばかり。自分だって同じようにできるのに、と思っても、それを証明するチャンスはなかなか巡ってきません。自分が成長しても、同じだけ上も成長するので、いつまでたっても追いつけない。上のきょうだいのことをひそかにライバルだと思っていたりします。

ですから、末っ子が「得意なこと」を見つけて、それを伸ばしてあげられるといいですね。趣味でも勉強でもスポーツでもいいですが、できれば、上の子と競争にならないようなジャンルがいいかもしれません。例えば、家事をきょうだいそれぞれに分担して「お風呂掃除は、あなたが家族で一番上手ね! 鏡までピカピカですごい!」とほめちぎり「わが家のお風呂掃除の専門家」を作ってみるのはどうでしょう?

上に同性のきょうだいがいる場合「自分はいつもおさがりばかり!」というのもよくある不満です。値の張るものは難しいでしょうから、そのぶん、何かを買ってあげるときには、その子の印象に残るような「特別感」のある買い方ができないか考えてみましょう。例えば、ネットショッピングじゃなくて、おめかしをして実店舗に買いに行くとか、手紙を添えてきれいにラッピングしたものをサプライズで渡してみるなど、いろいろな工夫を楽しんでください。

注目されず放っておかれる…真ん中っ子が持ちがちな不満

真ん中っ子は、第1子のように親から頼られるわけでもないし、末っ子のように甘やかしてもらえるわけでもなく、最も放っておかれがちです。そのぶん自由で気楽な面もありますが、さみしさを抱えることが多いようです。

上の子の気持ちも下の子の気持ちもわかるので、バランス感覚がよく、いろいろなことによく気がつく、手のかからない子が少なくありません。一方で、自分の存在をせっせとアピールしてくる真ん中っ子もいます。いずれも根っこは「親から愛されたい、自分を認めてもらいたい」という気持ちです。

「親と真ん中っ子だけの時間」を作ってあげられるといいですね。上の子の場合、下の子たちが寝た後に、といったこともできますが、真ん中だとなかなかそういうわけにはいかないかもしれません。ですから、ほかのきょうだいの習い事のあいだに、ふたりだけでスーパーに買い物に行く、など、親の愛情を独り占めできる時間を作れるよう工夫してみましょう。

親が陥りがちな“きょうだい差別”の落とし穴

親子といえども別の人間で、個性も違います。ですが、親自身が自分と同じ生まれ順の子どもに感情移入してしまうことはよく起こります。例えば、長男として育った父親は自分の長男に、末っ子として育った母親は末っ子に、幼い頃の自分を重ねてしまい、特定の子どもに対して、過剰に甘やかしたり、厳しく接してしまうといったことです。

子育ての中で、自分が子ども時代を思い出し、つらくなってしまうというのはよくあることです。大人になって乗り越えたと思っていた幼い頃の傷つきが再燃してしまうのです。

例えば「お兄ちゃん(お姉ちゃん)でしょ」と我慢させられて育ったからと、下の子に年齢不相応の行き過ぎた忍耐を強いるのは不適切です。あるいは末っ子の父親が「お兄ちゃんばかり大事にされてつらかった」からと、末っ子を過剰に甘やかしてしまうのも問題です。

また、自分とよく似た気性の子どもは、行動や考えが理解しやすいので、かわいいと思いがちです。パートナーの長所を受け継いでいると思うところがあれば、我が子ながら素敵だなと感じるかもしれません。反対に、自分やパートナー、両親などの、あまり好きではない気質に似た部分を感じると、イラッとすることがあるかもしれません。

「自分(または他の家族)に似ている部分が気に障る」という場合、それは自分が克服したいところだったり、その「家族」との関係性に課題があるということかもしれません。「子どもの問題ではなく、自分の問題ではないか?」という視点を持つと、子どもとの関わり方も変わってくるでしょう。

特に、同性の親子(父と息子、母と娘)は葛藤を抱えやすいので、煮詰まる前にパートナーが介入することも必要です。両親が子育てのおおまかな方針を共有するのは大切なことですが、子どもに「逃げ場があるか?」ということは常に考えておきましょう。

きょうだい仲良く育てるために、比較せず個性を尊重しよう

きょうだいは、何かと比較されます。容姿や成績、性格、友達の多さや器用さ、あらゆるものが、同じ親から生まれたと言うだけで比較されます。家族や親戚、学校の先生、友達、先輩、近所の人たちなどから、「お姉ちゃんは優秀だったのになぁ」とか「弟は友達が多いのにね」といった心ない言葉を無邪気にかけられ、それが傷つきとして長く残ることは少なくありません。

「お兄ちゃんは優しいね」とか「妹ちゃんはしっかりしているね」などと、他のきょうだいの前でほめるのも要注意です。大人でも、自分の前で同僚や友人ばかりがほめられていると、それに比べて自分はダメだと言われているような気がしてしまうことはありますよね。きょうだいがお互いに認め合って切磋琢磨するのは素晴らしいことですが、親がきょうだいを「張り合わせない」よう気をつけましょう

また、「女の子だから」「長男だから」「イケメンだから」といった、自分ではどうしようもないことで扱いに差をつけることもやめましょう。親の経済的、精神的状態によって、きょうだいすべて同じ環境で育てることは不可能ですが、子どもは「扱いの差=愛情の差」だと受け止めてしまいます。きょうだい仲も、親子の関係もこじらせてしまいます。

その子の個性を一番よく知っている親くらいは、きょうだいを「比較」せず、子どもの心を守ってあげましょう。「あなたは、あなたらしく生きていればいい」と言ってくれる存在が身近にいたら、子どもはどれほど心強いことでしょう。

自分は親からまるごと愛されている。そう思えて初めて、きょうだいにも優しくできるのではないでしょうか。

<専門家プロフィール>
福田 由紀子

臨床心理士。公認心理師。認定フェミニストカウンセラー。自治体の女性相談、スクールカウンセラー、精神科心理療法士、大学非常勤講師などの経歴を持ち、女性のエンパワーメント(力を取り戻す/力をつける)支援をライフワークとしている。ユキ メンタルサポート代表。
https://yms17.com

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