【運動不足によるケガを予防】親子でおうちトレーニング!足の指をきたえる運動遊び

【運動不足によるケガを予防】親子でおうちトレーニング!足の指をきたえる運動遊び

育児

目次[非表示]

  1. やっと学校再開…でも思わぬ怪我に要注意!
  2. 足指じゃんけん
  3. タオルギャザー
  4. ボールうつし
  5. 足指新聞びりびり
  6. おわりに

やっと学校再開…でも思わぬ怪我に要注意!

新型コロナウイルス感染症の影響により自宅で過ごす時間が長くなったことで、子どもたちの体力や運動能力の低下が危惧されています。

ある報道によると、学校再開後に急に激しい運動をした子どもがけがをするケースが増えている、と指摘されており、健康診断を担当した医師は「自粛期間が長くなればなるほど運動機能が低下した状態は続いていくので、軽い運動でもけがをしやすくなる」とコメントしています。(※1)

ふだんは運動不足のパパが、子どもの運動会でいきなり張り切って走ろうとして肉離れをしてしまう現象と少し似ているかもしれませんね。ずっと家の中で過ごしていた子どもたちも、休校前といきなり同じレベルの運動をしようとしてしまうと、転倒による打撲・ねんざ・骨折といった、思わぬけがをする可能性が高まってしまいます。

こうしたけがのリスクを減らすために、筆者が注目しているのが足の指の機能です。

筆者はアスリートから高齢者まで数多くの患者さんにエクササイズを指導してきましたが、足の指を動きの中でうまく使える人は、姿勢が崩れそうになってもグッと踏みとどまることができるため、全体的なバランス能力が高い印象があります。もちろん同じことは子どもたちにも当てはまるでしょう。

特に近年、立っている時に足の指がすべて接地していない「浮き指」の子どもが増えてきており、小学1年生79名のグループのうち約75%に浮き指が認められたという報告もあります。(※2)これまで以上に、子どもたちにとって足の指をしっかり動かす運動の重要性は高まっていると言えるでしょう。

今回のコラムでは、理学療法士の筆者が家men読者のパパのために「親子で遊びながら取り組めるかんたん足指エクサイズ」をご紹介します。

足指じゃんけん

まずは足指じゃんけんで、5本の足の指をまんべんなく大きく動かす感覚を身につけましょう。特に親指以外の4本の指は、ふだんは曲げていることが多く、大きく伸ばすという動きがうまくできない方が多いようです。足指じゃんけんで指全体を楽しく動かしていきましょう。

①足の指で「グー」「チョキ」「パー」と順番に動かします。
足の指をすべて曲げて「グー」
親指は伸ばして、他の4本を曲げて「チョキ」
すべての指を伸ばして「パー」

②動きに慣れてきたら「グー・チョキ・パー」、「パー・チョキ・グー」と順番を変えて、それぞれ10回ずつやってみましょう。

③最後は応用編。
右足でグー、左足でパーの状態から→右足でパー、左足でグーとなるように左右を入れ替えます。これをリズムよく続けてみましょう。

                      ↓
グーとパーの組み合わせは比較的簡単ですが、グーとチョキの組み合わせで交互に足を動かしてみると、大人もたじたじの難しさです。左足と右足で同じ動きをするよりも、違う動きを順番に繰り返すほうが脳の情報処理はぐっと複雑になりますので、はじめのうちはぎこちない動きになってしまうかもしれません。目で動きをよーく確認しながら続けていると、だんだんスムーズになってきますよ。

タオルギャザー

①椅子に座り、床に置いたフェイスタオルの上に足を載せます。

②足の指でタオルをギュッとつまんで5秒キープします。
③タオルをつまんだままでつま先を上に持ち上げ、そのまま5秒キープします。
④タオルを離して、すべての指を大きく開きます。この状態で5秒キープします。
⑤つまんで5秒、持ち上げて5秒、離して5秒…という流れを10回繰り返します。

床の素材が畳の場合、摩擦が大きくなり少し難しくなります。うまくできない方はフローリングなど摩擦の少ない床で行うとやりやすいですよ。

ボールうつし

①スポンジ素材のボール(今回使用したボールは直径60mmのもの)と、平らなお皿を用意します。
②足の指でひとつずつボールをつまんで、トレイに移していきます。
③どちらが早く移し終わるかパパと競争すると、より盛り上がりますよ!
足指じゃんけんやタオルギャザーで足の指の動きがスムーズになった後にやってみるとよいでしょう。

ボールをつまんでいる間は片足立ちの状態になりますので、ふらつきが強い場合はパパが片方の手をつなぐなど、お子さんのバランス能力に応じてサポートしてあげましょう。

※窒息の危険のある大きさ(直径 44.5mm以下)のボールは3歳未満のお子さんには与えないでください。また、3歳以上のお子さんであっても誤って口にしないよう必ずご両親の監督下で事故に注意して使用してください。
参考資料:日本玩具協会(2018)「玩具による乳幼児の気道閉塞事故への対策―ST基準・STマーク制度における対象年齢設定等への取組―」

足指新聞びりびり

①新聞紙を床に広げてその上に立ちます。
②足の裏だけでなく足の指も使って新聞紙をできるだけ細かくしていきます。
③力まかせにやろうとしても意外とうまくできません。右足で紙をおさえて、左足の指で破る、というように両足のコンビネーションが重要になってきます。はじめにパパがお手本を示してあげるとスムーズです。
④がんばってここまで細かくすることができました!
慣れてきたら、「1分間にどれだけ細かく新聞紙を破けるか」というようにルールを設定し、親子で競争しても楽しいですね。

おわりに

これまでは裸足で芝生の上を走り回ったり、友だちと鬼ごっこをしたり…といった外遊びを通して足の指の力は自然と鍛えられていたのですが、現在は制限なしにこうした遊びを行うことが難しくなってきている状況です。

パパが率先して今回ご紹介したような「自宅でできる」運動遊びをうまく取り入れることで、子どもたちが身体を動かす楽しさを実感できるようにサポートしていきましょう!

※本稿における専門家による情報は、紹介しているエクササイズの効能や有効性を保証するものではありません。

※今回の記事でご紹介する運動遊びの難易度は、小学校1年生〜2年生のお子さんを想定しています。それぞれのお子さんに応じた設定、難易度にアレンジして遊んでみてください。

※1:NHK NEWS WEB「コロナで運動不足の子どもたち 学校再開で抱えるリスクとは」
※2:小学1年生の足部および足趾の形態に関する調査報告


文・写真:奥山和人

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