
『461個のおべんとう』│3年間の手作り弁当に込められた、父親から子への無言の愛情
育児
理想のパパって何だろう?
突然ですが、皆さんにとって理想のパパとはどんなパパですか? 家事育児に熱心、家族と過ごす時間をたくさん作る、毎日一生懸命働く…おそらく人の数だけ答えがあることでしょう。
家men読者のパパは年齢的にもまだ子どもが小さい家庭が多いでしょうが、幼年期、少年少女期、思春期と成長ステージが変わっても父親の役割の重要性は常に変わりません。そんな中、常に父親としてブレない理想や信念があれば、子どもの成長過程でどんなことが起きてもドッシリと構えていられると思いませんか?
そうした理想のパパ像を考えるきっかけになる映画を今回はご紹介します。音楽ユニット「TOKYO No.1 SOUL SET」の渡辺俊美さんによる実体験を基に描いた、11月6日から劇場公開予定の感動ドラマ『461個のおべんとう』です。
家men読者のパパは年齢的にもまだ子どもが小さい家庭が多いでしょうが、幼年期、少年少女期、思春期と成長ステージが変わっても父親の役割の重要性は常に変わりません。そんな中、常に父親としてブレない理想や信念があれば、子どもの成長過程でどんなことが起きてもドッシリと構えていられると思いませんか?
そうした理想のパパ像を考えるきっかけになる映画を今回はご紹介します。音楽ユニット「TOKYO No.1 SOUL SET」の渡辺俊美さんによる実体験を基に描いた、11月6日から劇場公開予定の感動ドラマ『461個のおべんとう』です。
3年間で461個! 毎日のお弁当作りで得た、思春期の息子とのつながり
人気バンド「Ten 4 The Suns」のボーカルで一児のパパでもある一樹は、長年連れ添った妻と別れることに。父と暮らすことを選んだ息子の虹輝は高校受験に失敗し、一浪で高校生活をスタート。高校での昼食をどうしたいか尋ねたところ「父さんのお弁当がいい」と返答された一樹は、「3年間、毎日お弁当を作る」「3年間、休まず高校へ行く」という約束をお互いに交わします。
この物語は、実際に高校生の息子に3年間=461個のお弁当を作った渡辺俊美さんによる写真エッセイ「461個の弁当は、親父と息子の男の約束。」を翻案したオリジナルストーリー。オリジナルとはいっても、お弁当作りに慣れていないパパがニオイの強い具材を入れて失敗したり、ダイエット弁当をリクエストされて知恵を絞る姿などエッセイで印象的なエピソードも盛り込み、渡辺さん親子がお弁当を通じて紡いだ絆のエッセンスをしっかり活かしています。
ちなみに渡辺さんは、本作と同じようなシチュエーション(息子ではなく娘)の実話を映画化した『パパのお弁当は世界一』で、お弁当作りに奮闘する父親をリアルに演じています。
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ちなみに渡辺さんは、本作と同じようなシチュエーション(息子ではなく娘)の実話を映画化した『パパのお弁当は世界一』で、お弁当作りに奮闘する父親をリアルに演じています。
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主人公の一樹に扮するのは、幅広い世代から親しまれ、実生活でも良き夫・良きパパのイメージがある井ノ原快彦。「学校だけがすべてではない。自由に好きに育ってくれたらそれでいい」と息子に願い、自らも自由に生きて人生の今を楽しむ一樹を、いい感じに肩の力が抜けた大らかさで演じ、「こんなパパっていいよな」と素直に憧れてしまいます。
また、そうしたキャラクター性が一樹のお弁当作りにもよく表れているのが興味深いところ。高校生のお弁当だからと変に気負わず、新品の弁当箱を買ったり料理道具をカスタマイズし「おいしければ、何でもいいよな」とお弁当作りを楽しむ姿は、息子が「自分が作りたいだけでしょ」があきれるほどイキイキとしています。家事も育児も、どうせやるなら楽しもう──そんなポジティブなメッセージが伝わってきますね。
また、そうしたキャラクター性が一樹のお弁当作りにもよく表れているのが興味深いところ。高校生のお弁当だからと変に気負わず、新品の弁当箱を買ったり料理道具をカスタマイズし「おいしければ、何でもいいよな」とお弁当作りを楽しむ姿は、息子が「自分が作りたいだけでしょ」があきれるほどイキイキとしています。家事も育児も、どうせやるなら楽しもう──そんなポジティブなメッセージが伝わってきますね。
毎日お弁当を作り、毎日笑顔で励ます──変わらぬ父がいることの安心感
しかし一方、一樹は楽天家すぎて言葉が足りないところがあり、繊細な心のケアが求められる思春期真っただ中の息子と微妙な距離が生じてしまいます。一浪したせいで高校生活がギクシャクし自信も持てず、そして自分の居場所を見つけられず悩む虹輝は、「うまくいくと思えば、全部うまくいく」と楽観的に励ます一樹に反発し、父子はすれ違っていく…。
それでも3年間、毎日欠かさずお弁当を作り続ける一樹。そして、お弁当を介して心を通わせたりぶつかり合ったりを繰り返していくうちに、2人の関係は少しずつ濃密になっていきます。きっとそれは、息子においしいお弁当を食べさせたいという父の願いと、言葉にするのは照れくさいけど感謝している息子の思いが確実に通い合っているから。
そんな2人を見ていると、「親が毎日お弁当を作り、子どもが残さず食べる」という一見当たり前の日常がとても愛おしく感じられ、日々キッチンに立つパパたちも気力を奮い起こされるはず。そして、毎日お弁当を作り、いつも「大丈夫」と笑顔で肩を叩く──単なる放任ではなく程よい距離感で見守りながら、常にどっしり変わらずにいることで息子に安心感を与えようとする一樹のブレない父親像に、パパとしてあるべき姿の一つを見出せることでしょう。
3年間のお弁当ライフを経て、父と息子の関係は果たしてどう変わっていくのか? 何気ない日常の中で育まれていく親子の絆で静かな感動を与え、理想のパパ像のヒントも示してくれる『461個のおべんとう』。これから迎える反抗期や思春期において、自分がどのように子どもと向き合っていくか改めて考えるきっかけとして、ぜひご覧になってください。
『461個のおべんとう』(2020年) /日本/ 上映時間:119分
配給:東映
11月6日(金)全国劇場で公開
© 2020「461個のおべんとう」製作委員会
それでも3年間、毎日欠かさずお弁当を作り続ける一樹。そして、お弁当を介して心を通わせたりぶつかり合ったりを繰り返していくうちに、2人の関係は少しずつ濃密になっていきます。きっとそれは、息子においしいお弁当を食べさせたいという父の願いと、言葉にするのは照れくさいけど感謝している息子の思いが確実に通い合っているから。
そんな2人を見ていると、「親が毎日お弁当を作り、子どもが残さず食べる」という一見当たり前の日常がとても愛おしく感じられ、日々キッチンに立つパパたちも気力を奮い起こされるはず。そして、毎日お弁当を作り、いつも「大丈夫」と笑顔で肩を叩く──単なる放任ではなく程よい距離感で見守りながら、常にどっしり変わらずにいることで息子に安心感を与えようとする一樹のブレない父親像に、パパとしてあるべき姿の一つを見出せることでしょう。
3年間のお弁当ライフを経て、父と息子の関係は果たしてどう変わっていくのか? 何気ない日常の中で育まれていく親子の絆で静かな感動を与え、理想のパパ像のヒントも示してくれる『461個のおべんとう』。これから迎える反抗期や思春期において、自分がどのように子どもと向き合っていくか改めて考えるきっかけとして、ぜひご覧になってください。
『461個のおべんとう』(2020年) /日本/ 上映時間:119分
配給:東映
11月6日(金)全国劇場で公開
© 2020「461個のおべんとう」製作委員会