第1回「モンテッソーリ教育とは?本当に家でもできるの?」【家庭でもできる!パパが「モンテッソーリ教育」を育児に活かすコツ】

第1回「モンテッソーリ教育とは?本当に家でもできるの?」【家庭でもできる!パパが「モンテッソーリ教育」を育児に活かすコツ】

育児

目次[非表示]

  1. 現代の創造的事業を牽引しているのはモンテッソーリ教育!?
  2. モンテッソーリ教育が目指しているのは「しあわせ」な大人であること
  3. モンテッソーリ教育で自尊心が高い子に育つ
  4. はじめに知っておきたいモンテッソーリ教育3つのポイント
  5. 家で取り入れるための視点と、パパのスタンス
  6. 大人がお手本になり、子どもと一緒に作っていくオーダーメイド教育
はじめまして。「モンテッソーリ・ホームレッスン」代表の菅原陵子と申します。日本でも近年注目が集まっているモンテッソーリ教育の基本について、そして日常の子どもとの関わり合いを通じてパパがモンテッソーリ教育を家庭で実践していく方法を連載でご紹介していきます。

日本ではあまり知られていないのですが、世界では、シュタイナー教育と並んで歴史も長く、実績のある教育法です。日本ではちょっと前に、将棋の藤井さんが幼稚園時代に受けていたとして、話題になりました。

現代の創造的事業を牽引しているのはモンテッソーリ教育!?

モンテッソーリ教育は、イタリア精神科医 マリア・モンテッソーリさんが創始した教育メソッドです。医師が始めたという背景もあり、教育メソッドの中では比較的実践的・科学的な視点が色濃く、再現性が高いのが特徴。考案されてからあっという間に世界中に広まり、モンテッソーリ旋風を巻き起こした教育法です。

それから100年以上たった、現在。
ビル・ゲイツ、バラク・オバマ、マーク・ザッカーバーグ…などなど、この教育を受けて活躍する人には3つの特徴があると言われています。

1:新しい時代を切り開く発想力がある
2:新しいサービスを作る=形にしていくことができる
3:自分の意見を持ち、信念をもって生きる


これをもって、ウォール・ストリート・ジャーナル誌は 、現在のアメリカで、創造的事業の成功者の共通点は、モンテッソーリ教育にあるとまで称しました 。また、この教育を受けたAmazonの創始者ジェフ・ベゾスさんは「僕のベースはモンテッソーリ教育が作った」と語っています。

「変わっていく時代に、どんな仕事をするか」「どんな自分で仕事をしていくか」ということを求められる今、日本でもその効果に注目するパパも増えてきました。積極的に子どもと関わりたい。そんなパパに人気があります

モンテッソーリ教育が目指しているのは「しあわせ」な大人であること

そんな世界が愛するモンテッソーリ教育ですが、教育のゴールとして掲げられているのは意外にも『しあわせな大人』になること。平和教育、レジリエンス教育といわれることもあります。

日本では、モンテッソーリ教育を天才教育や早期教育として紹介されがちですが、本質的なゴールはとても明確。しあわせな大人とは、まず自分が満たされていることとされています。「個人のしあわせと平和」というと、わかりにくいかもしれないのですが、こんなふうに成長し伸びていくと考えられています。
創始者のマリア・モンテッソーリ先生は、この流れで教育が平和を作るといい、実際の教育効果の高さからノーベル平和賞の候補にも選出されました。教育が世界を変えるということを、世界に発信したメソッドでもあります。

これをお読みのみなさんに今一度、心に留めておいていただきたい出発点は、『自分が満たされたしあわせな大人であること』。『自分で自分を満たすことができる大人であること』

これを生まれたときから子どもたちが体感できたら、未来はやっぱり変わっていく。モンテッソーリ教育には、子どもに関わる大人がそう思わずにはいられないものがあります。家庭ではパパご自身も、ときどき「自分がどんな時にしあわせか」を考えてみたり、お子さんと話してみることもオススメです。お子さんが小さくても、パパが語ることに意味があります。

モンテッソーリ教育で自尊心が高い子に育つ

さて。モンテッソーリ教育は、具体的にどんなことをするのか?というと、乳児から大人まで実践できる、そして毎日が自由研究みたいな教育メソッドです。完全オーダーメイドの状態で、一人ひとりの発達に合わせて、興味のあるもので、試行錯誤を繰り返すことができるように体系化されています。

その考えのベースにあるのは、子どもたちは生まれながらに「自分がしたいこと」をわかっているので、子どもがしたいことに取り組む環境を整えると、自発的に学んでいくという考え方。そして、自分がしたいことを心ゆくまでできると、子どもたちは身体的、社会的、情緒的、あるいは認知的にもよく育ち、この教育を受けた子どもは、レジリエンス(自尊心)が高く、チャレンジする子どもになる。困難に負けない子になると言われています。あるいは集中力があり落ち着いていて自分で考える子になることに着目する人もいます。

はじめに知っておきたいモンテッソーリ教育3つのポイント

そしてモンテッソーリ教育の実践にあたって、大事とされていることが2つあります。

1つは、関わる大人のあり方がとても問われること。
2つ目は、何をするかは子どもの発達に合わせて、教具と呼ばれる道具がたくさんあること。
特に幼児向けの教具で、先生が教育施設で使うものは、ゆうに300種を超え、それぞれどう扱うかが決まっています。これを家で整えて実践するのはとても大変。モンテッソーリ教育を家庭で実践するときは、道具を揃えて何をさせるかに着目するより、大事な目のつけドコロがあります

ご家庭での実践にあたって知っておくといいポイントは次の3つ。
子どもの育ちとして

1:大人が子どもを伸ばすのではなく、子どもが自分で伸びていく

2:環境から子どもが自分で伸びていくので、大人は環境を整える

3:大人は子どものお手本となってみせる。子どもはそれを見て、自分で伸びていく
図にすると、こんな三角形で表現されます。

日本の教育は、「大人が教える」というスタンスなのに対して、モンテッソーリ教育は、子どもと大人は対等な位置づけ。このため「やり方を知らない小さな人」として子どもに接することが求められます

家で取り入れるための視点と、パパのスタンス

実はこのモンテッソーリ教育、0歳から6歳までの「幼児期」、12歳までの「児童期」、18歳までの「思春期」、24歳までの「青年期」のカリキュラムがあります。日本では幼児教育として浸透していますが、幼児期に受けたとしても、小学校以降の『みんな同じ』を目指す教育環境の中で疑問を感じられる方もいらっしゃいます。
だからこそ、親の関わり方がポイント。

子どもの成長に合わせて関わる大人は変わっていきますが、幼児期・児童期・思春期・青年期と安定して子どもにベストな環境を整えたいとき、一番効果的なのは、前章で挙げたようにご家庭でモンテッソーリ教育的な関わりができることがおすすめです

2019年ノーベル経済学賞を受賞したアビジット・V・バナジーとエステル・デュフロの著書「貧乏人の経済学」では、家庭教育の関わりがクローズアップされていました。子どもに長い時間、長期に渡って関わるご両親が、モンテッソーリ教育的な関わり方に意識を変えるだけで、ぐっと得られるものが変わってきます。

大人がお手本になり、子どもと一緒に作っていくオーダーメイド教育

これまで、日本の社会は一人ひとりが「みんな」に適合することを求められてきました。「みんなと同じで、一丸となって成果を出していくこと」を大事にしてきたのが、時代の変化に合わせて「個々人の能力を活かす」「考える」ことを求められてきます。そんな違いは、パパたちが日々の仕事の中で感じられることも多いのでは?

モンテッソーリ教育は、そんな時代の変化にマッチしたオーダーメイド教育。家庭だからこそできるのは、子ども発信のものを、大人が観察して捉えること。そして子どもの興味に対して、大人が子どもにわかるようにやってみせること。そもそも大人自身がひとりの人として、模範的な大人であること。毎日の生活の中でほんの一時でもいいので、丁寧に「やってみせる」ことです。

そうすることで、子どもの時間とスペースを守ってあげることが、モンテッソーリ教育的な子育てを家庭で実現するポイントになってきます。お子さんが小さなときのゆったりした生活と会話は、お子さんの基盤を作っていくことでしょう。

次回からは、専門教具を使わずとも効果的に実践できる、具体的な家庭の日常シーンでの“モンテッソーリ的な子どもとの関わり方”についてご紹介していきます。

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