【10歳の反抗期】口答えにどう対処すればいい?子どもの反抗期虎の巻

【10歳の反抗期】口答えにどう対処すればいい?子どもの反抗期虎の巻

育児

目次[非表示]

  1. 10歳の反抗期(10歳の壁/小4の壁)とは?
  2. 「10歳の壁」の時期の、子どもの気持ち
  3. 交友関係が広がり、親の言葉がすべてではない
  4. 子どもの「でも」「だって」をさえぎらず、言葉をちゃんと聞いてみよう
子どもの成長は親にとって最高の幸せではありますが、子育ては楽しいことばかりではありません。特に頭を悩ませるのが、2歳のイヤイヤ期、4歳の反抗期、10歳の反抗期など、年齢ごとに顕著となって現れる反抗的な態度。親の言うことを聞こうとしない我が子への対応に手を焼き、ついカッとなって怒鳴ったりしてませんか?

でも、できることなら怒ったりイライラせず、親子が一緒にいる時間は笑って過ごしていたい──。そう願うパパママのために、反抗期の我が子にどのように接して言い聞かせればいいか、子育てアドバイザーの高祖常子さんがアドバイスする「子どもの反抗期虎の巻」。今回のテーマは、10歳の反抗期(10歳の壁)で見られる子どもの口答えです

10歳の反抗期(10歳の壁/小4の壁)とは?

9~10歳(小学校4年生前後)になった子どもが直面する、内面的な変化のこと。心身共に発達して自立心や自己肯定感を育む過程の中で、友だちとの比較などから劣等感を抱きやすくなり、そのイライラや不安が攻撃的な言葉づかいや反抗的な態度として大人に向けられやすくなります。

▼「10歳の反抗期(10歳の壁/小4の壁)」についてはこちらもチェック

「10歳の壁」の時期の、子どもの気持ち

小学生になったけれど親にくっついてきたりして「まだまだ子どもだな」なんて思っていたり、何事にも割と前向きに取り組んでいる様子が見られた我が子。なのに「宿題しなさい」「片付けなさい」「そろそろゲームやめなさい」などと声をかけると、「だって、まだ学校から帰って来たばかりだよ」「でも、まだゲームは途中だから終われないよ」などと不満そうに(時には喧嘩腰に)ムスッとしながら口答えするようになり、親としては「え?」「急に反抗期?」などと戸惑うことも多いでしょう。

この時期は「10歳の壁」と言われ、勉強面でのつまずきの出始めを指摘されることも多くありますが、これは心の発達からの影響と大きいと捉えることができるでしょう。小学生低学年期は「できる」ことがうれしく、それを認められると素直に喜び、自己肯定感が高まるという感じで、比較的親も接しやすかったのではないでしょうか。これが10歳前後になってくると、認知的な思考が発達してくるということです。

体もぐんと成長し、女の子は胸が膨らみ始める子もいます。心と体の成長によって、それまでは自分がある程度中心にいましたが、他者と能力や性格、体の成長や体形などを比較するようになり、時には自分が劣っていると感じたり、自分の中で教科や性格的な部分で不得意なことを認識したり、苦手などを考えるようになります。そこで劣等感を持ったり、自信を失ってしまうこともあります。

今までは、「すごいね」「頑張ったね」と認めたり、「頑張って」と励ます言葉を嬉しそうに受け取ってくれていたのに、急に「そんなことない」と否定したり、無視したり、逆に「わかったようなこと言わないでよ」なんて……。親としてはやや攻撃的とも取れる言葉を返されると驚いてしまいますね。

交友関係が広がり、親の言葉がすべてではない

10歳前後は、子ども自身が友だちや、先生、自分の周りの人間関係から、いろいろなことをキャッチしている時期なのです。

幼児期や小学校低学年とは違って、交友関係も広がってきています。クラスの友だち、ほかのクラスの子、担任の先生やほかの教科の先生、課外活動での友だちとのつながり、習い事の人間関係など、親が思っているよりも、子どもを囲む人間関係はとても大きく広がっています。もちろん、親が知らないことも増えてくるでしょう。「今日学校でね……」と何でも報告してくれていたわが子が、急に口数が少なくなったりすることもあるかもしれません。

子どもはさまざまな人間関係の中で、いろいろな言葉や他者の気持ちを受け止めたり、その背景に考えを巡らせながら、自分の立ち位置を確認している時期なのです。親が言う言葉がすべてではないこの時期は、子どもの成長・発達にとって、とても重要な時期とも言えるでしょう。

子どもの「でも」「だって」をさえぎらず、言葉をちゃんと聞いてみよう

「親の言葉をすんなり受け止めてくれなくなった」というのは、親としてはちょっと寂しいし、時には腹立たしい気持ちになるかもしれませんが、それは親とは違う気持ちを持った、それを表現しようとしているという成長の証です。

「でも」「だって」と言われると、「言い訳ばかりするんじゃない!」という気分になってしまうパパ・ママもいるでしょう。でも、ここは親自身が、その言葉にカーっと怒りを爆発させないことです。売り言葉に買い言葉となっては、子どもも健全なコミュニケーションを学ぶことができません。特に気を付けたいのは、子どもが「でも…」「だって…」と言いかけたときに、間髪入れずに「でもじゃない!」と制止しないことです。このような制止は、子どものその次の言葉を奪っていることになります。

時には、「でも」と言いかけて、その先を言わない子もいるでしょう。それは、その次の言葉を持っていないのではなく、「その次の言葉を言っても、きっと否定されるだろう」というあきらめでしょう。今までの親子関係の中で、子どもの「イヤ」という言葉や泣きたい気持ちを、「イヤじゃないでしょ」「泣かない」と否定してこなかったかを、親自身ちょっと振り返っていただけたらと思います。「でも」の先の言葉を、子どもが言ってくれる関係性を持ちたいものです。

この時に「でもだけじゃわからないでしょ!その先を言いなさい!」なんて喧嘩腰になってはきっと、子どもは口をつぐんでしまうことでしょう。「そうか、ちょっと違う気持ちなんだね。その先を聞かせて」という感じで、会話してみましょう。

「その先の気持ち」はもしかしたら、その場ですぐに話してくれないかもしれません。「今までは否定していたのに、なんで今日は聞いてくるんだろう」など、子ども自身、心の整理がつかないかもしれないからです。「聞いてくれるとは言っても、自分の想いは受け止められるのか、ちょっと変じゃないのか」など、子ども自身の心の葛藤があるかもしれません。子どもが自分の気持ちを話すタイミングは、子ども自身が決めること。その場で話すのが難しそうなら、「話せるようにあったら教えて」と伝えるといいでしょう。

これを読んでくださっているみなさんの中には、このやりとりを「甘やかし」のように感じた方がいるかも知れません。でも、気持ちの言語化は、大人になっても、社会に出ても、とても大切なことです。ぜひ、親子の会話の中で、取り入れてみてください。

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