『花嫁のパパ』 | 嬉しくも寂しい子どもの結婚までに心の準備を

『花嫁のパパ』 | 嬉しくも寂しい子どもの結婚までに心の準備を

育児

いつか必ずやって来る“最大の親離れ”に備えよう

目に入れても痛くないほど可愛い子どもも少しずつ成長し、いつかは結婚して親元を離れる日が訪れます。

そんな嬉しくも寂しい時のために、どこにでもいる一家の結婚騒動を描いた心温まるコメディ『花嫁のパパ』を見て、心の準備をしておいてはいかがでしょうか。


結婚しても子どもとの絆は永遠

主人公ジョージは海外留学から戻ってきた娘アニーに、何の前触れもなく婚約を報告されます。相手は上流階級出身の青年で申し分ないのに、愛する娘を知らない男に取られたようで不満タラタラ。妻ニーナの後押しもあって結婚式の準備は着々と進みますが、両家の顔合わせやら式の莫大な予算やら悩みの種が尽きません。


子どもの幸せを願いながらも、いざ手放すとなるとアタフタし、結婚相手や式の準備にいちいち文句を言ってしまう…。この複雑な心情をスティーヴ・マーティンがドタバタ満載に微笑ましく好演し「分かる分かる!」と共感させてくれます。ただ、ジョージと自分を重ねて寂しがるパパたちに気づいてほしいのは、結婚しても子どもと両親の絆は終わらないということ。


その証となる名シーンが、結婚祝いでジョージが娘にカプチーノ・メーカーを贈る場面です。相手方の両親からなんと新車が届いてジョージは気おくれしますが、娘は自分のお気に入りをセレクトしてくれた父の思いやりを実感し「一番の贈り物よ」と心から喜んでくれます。結婚式は“子育ての卒業式”であり、義理の家族を新たに迎えるセレモニー。子どもとの絆は永遠に続いていくんだと分かっていれば、笑顔で娘を送り出せそうですよね。


門出の日から再開する妻とのストーリー

とはいえ、毎日我が家にいた子どもがいなくなると、どうしても家の中が寂しく感じるもの…。そんな時に心の支えとなるのが、隣に寄り添ってくれる妻です。本作でも、自宅でのにぎやかな披露宴が終わった後、ジョージは娘を無事に送り出した満足感をじっくり噛みしめ、妻と静かにダンスを踊ります。2人だけの時間を心から愛おしむように。


子どもが結婚して家を離れた日から、夫婦だけの生活が再スタートします。妻との新たなストーリーをどう紡ぎ、絆を積み重ねていくか──本作の鑑賞後、さっそく想像してはいかがでしょうか。


<作品情報>

『花嫁のパパ』(1991年) /アメリカ / 上映時間:105分

© 1991 - Touchstone Pictures