
育休を3カ月間取得した三つ子パパの毎日とは?
政府は「男性の育休取得率を2020年までに13%へ引き上げる」という目標を掲げていますが、まだまだその数値にほど遠いのが現状です。本当は育休に関心があっても、実際に取得した男性が身近にいないと「どうすれば取れるのか」「育休の間はどんな生活になるのか」をイメージしづらいですよね。
そこで、今回は三つ子の誕生を機に3カ月の育児休業を取得したという広告制作会社勤務の寺門さんに、初めての育休ライフについてお話を伺いました。
三つ子パパが育休を考えだしたのはいつ?
─2016年に育休を取得されたということですが、もともと育休は考えていたんですか?
狙ったわけではないのですが(笑)3月3日に女の子の三つ子が生まれました。初めての子どもで一気に三人でしょ?妻一人では到底手が足りないので、三つ子と分かった瞬間から育休を考えました。
─職場で育休は取りづらくなかったですか?
所属部署の部長に相談したところ「三つ子なんだし、ぜひ取った方がいいよ」と応援してくれて、まったくハードルはなかったですね。子どもが生後1カ月半ほど入院し、退院後から3カ月間育休を取得しました。
─寺門さんの会社は男性の方もみなさん普通に育休を取得されているんですか?
僕が育休を取得したのは2016年なのですが、実は弊社初となる男性育児休業取得者の一人でした。というのも、ほぼ同じ時期に僕以外の男性2名も取得したんです。
─男性初の育休取得者が同じ時期に3名も!
はい。そのうちの一人は同じ事業部の同僚で。彼も上司から「1カ月か2カ月くらい取っちゃいなよ」と言ってもらって、1カ月取得していました。周りも応援してくれたので、僕も彼も特に悩むことはなかったですね。
─業務の引き継ぎはスムーズにいきましたか?
ちょうど会社の引っ越しと時期が重なったのですが、思いきって同僚に引き継ぎました。もし分からないことがあっても、いざというときは携帯電話やメールなど連絡手段はあるので大丈夫だろうと。
─まだまだ世の中的には男性が育休を取りにくい風潮もありますが、取得経験者としてどのように感じていますか?
育休という選択肢があり、それを個人が自由に選べる環境があるのであれば、あとは本人次第だと思います。業務の引き継ぎがうまくできるか不安な人も少なくないと思いますが、やる気になればできるはず。引き継げないと思っているのは多分本人だけですよ。
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─育休中はどのような生活でしたか?
ウチの三つ子は、泣くのもミルク飲むのもお風呂も3人一緒。お風呂は、妻が体を洗って僕が受け取って服を着せての流れ作業。ミルクも3人分作って、1人は僕が飲ませ、もう1人は妻が授乳し、3人目はあやしながら飲むのをちょっと待ってもらう。そんな目まぐるしい毎日の繰り返しでした。
─子育てに追われる生活への変化に対応できましたか?
最初の1カ月は睡眠時間が1、2時間で、食事は手が空いたときにササッと済ませるといった具合で、3カ月間の育休でめちゃくちゃダイエットできました(笑)。一度風邪をひいたときがあって、まず1人目が熱を出し、落ち着いたかなと思ったら2人目、3人目、妻、僕の順でうつってしまい、なかなかの地獄でした。
─それは大変でしたね。
でも子どもの寝顔を見ていると、疲れも吹き飛ぶんですよ。その可愛い寝顔を糧に、3カ月過ごしていました。
─大変ながらも充実した育休を過ごされたようですね。3カ月があっという間だったのでは?
3カ月後仕事に復帰したら、キーボードがスムーズに打てなくなっていて、「遅い!」と自分にやきもきしながらメールを打っていました。可能なら1年くらい取得したい気もしますけど、僕の場合は3カ月がちょうど良い期間だったかなと思います。
─育休後、家庭と仕事への姿勢は変わりましたか?
残業をしなくなりました。帰りが遅いと妻が大変ですから。残業しない=仕事をしていないと思われるかもしれませんが、より集中して取り組むようになりましたね。
─次に子どもが生まれたら、再び育休を取りますか?
次は4人目ですからね。もちろん取りますよ!
─最後に、育休を取ろうと考えているパパに一言お願いします。
子どもが生まれてすぐの時期にしか感じられないことやできないことがあります。もちろん仕事は大事ですが、育休を取れる環境があって、取りたいと思うパパはぜひ実現させてほしいですね。将来の子どもの成長にもきっとプラスになるし、また仕事にメリハリがつき、自分の意識も変わると思いますよ。
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