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『グラン・トリノ』 | イーストウッドが次世代に伝授する男の生きざま

この世に生まれて生きた証を残したい

この世に生まれたからには、自分が生きた証を何か残したい。

でも、後世まで語り継がれる偉業を成し遂げられる人なんてほんの一握りだし…。

そう思ったことがある人にぜひ見てほしい男の生きざまがあります。ハリウッドの“生きる伝説”クリント・イーストウッドの集大成と言える、最後の監督・主演兼任映画『グラン・トリノ』です。


迷える少年に男の生きざまを伝授

本作でイーストウッドが演じる主人公は、郊外の一軒屋で愛犬と孤独に暮らす元軍人ウォルト。妻に先立たれてからは実の息子に対しても心を閉ざし、近所のアジア系移民に偏見の眼差しを送る、典型的な“取り扱い注意”の頑固老人です。

そんな彼の愛車グラン・トリノを、モン族の少年タオが不良グループに命じられて盗もうとしたところ、歴戦の猛者ウォルトは不良グループごと成敗。成り行きでタオの一家と交流を持つようになったウォルトは、学校に行かず仕事にも就かない中途半端なタオを、一人前の男に育てようとします。


このウォルトという老人は、脚本を読んだ際にイーストウッドが「まるで自分をイメージして書いたような男」と感じたほどのハマリ役! 不良を蹴散らしライフルで凄みを利かせる勇ましさは、まるで『ダーティハリー』のキャラハン刑事の老後のよう。

生き方に迷う少年に対して、師匠のように厳しく男の気骨を伝授し、父親のように温かく慈愛を注ぐ姿は、タフな時代を生き抜いてきたイーストウッドの年輪が成せる味わいです。


大切な人の心に刻まれ、次代に受け継がれる“魂”

その一方、ウォルトやタオ一家に対する不良グープの嫌がらせがエスカレート。大切な人たちや未来ある若者を守るため、ウォルトは命を懸けた最後の決断を下します。その覚悟と壮絶な運命に、見ているだけで魂が震える…。

ウォルトが身をもって示した男の信念は、間違いなくタオたちの胸に刻まれたはずです。


あなたもウォルトのように、自らの生きざまを家族や仲間に見せていきませんか。

大切な人たちの心に刻まれたあなたの魂は、いつまでも生き続けていくことでしょう。そしてそれが「生きた証」になるのです。


<作品情報>

『グラン・トリノ』(2008年) /アメリカ / 上映時間:117分

©2009 Warner Bros. Entertainment Inc. and Village Roadshow Films (BVI) Limited. All Rights Reserved


上村 真徹(ライター・編集者)

上村 真徹(ライター・編集者)

家庭では妻の笑顔と娘の成長を最大の生きがいに、週末の料理やデザート作りで家族の胃袋をつかんでいる。最近は娘が成長し、以前ほど甘えてくれなくなったのが悩みのタネ。映画は新作・旧作問わず、年間100作品以上鑑賞。マイベストムービーは『ゴッドファーザー』だが、実は泣ける映画好き。

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