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『LOGAN/ローガン』 | 守るべき者がいてこそ男は戦える

戦わなければいけない時に立ち上がる覚悟はあるか?


誰だって年齢を重ねるにつれて体力や挑戦心が少しずつ低下し、いろんな局面でつい“守り”に入ってしまうことがあります。

でも、キャリアアップに必要な課題を乗り越えるため、大事な家族を守るため、我が身を投げ出すリスクを背負ってでも戦うべき時がいつかは訪れるはず。

そんな時の道しるべとなってくれるであろう作品が、人気アメコミ映画『X-MEN』シリーズのスピンオフ3部作の最終章『LOGAN/ローガン』です。


生身の人間へと衰えたヒーローに感情移入必至!


時は2029年。特殊能力を誇るミュータントたちの大半が死滅し、今や滅亡の危機に。そして鋼鉄の爪を持つ不死身の男ウルヴァリンことローガンも、どんな傷でも回復できる治癒能力をほとんど失い、生身の人間としてひっそり暮らしていました。

そんな“ただ滅びゆく日を待つのみ”という無為な人生を変えたのは、ミステリアスな少女ローラとの出会い。ミュータントの未来を握る彼女を謎の武装集団から守るため逃亡を続け、やがて2人の間には親子にも似た絆が芽生えていきます。


何よりショッキングなのは、あの野性味ほとばしるウルヴァリンの老い衰えた姿! これまでヒーロー映画で“老い”を描くことはタブー同然でしたが、本作ではそうしたシビアな現実に正面から向き合っています。

普通の人間のように疲れて傷ついたウルヴァリンに誰もが感情移入させられ、だからこそ彼がなりふり構わずボロボロの体にムチを打ち、最後の死闘に立ち上がる覚悟に魂が震えることでしょう。


そんな人間ドラマの重みをいっそう強めているのが、これまで足かけ17年間にわたってウルヴァリンを演じ続けてきたヒュー・ジャックマンの“集大成”というべき役作り。長年の激闘と苦悩をすべて凝縮したような年輪を、白髪交じりのルックスと繊細な演技で体現し、戦いに明け暮れた一人の男の末路を生々しく追体験させてくれます。


大切な人を守りたい──無償の愛が“父”を立ち上がらせる


これまではただ悪を倒すために本能のまま戦い、人間らしい感情を一切持ち合わせてこなかった野性のヒーロー。そんなウルヴァリンに初めて芽生えた、父娘のように深い絆を結んだ少女を「守りたい」という純粋な思いと使命感。


“娘”への無償の愛に駆られたウルヴァリンが熱くほとばしらせる自己犠牲の精神を、ぜひ胸に刻み込んでください。

きっとそれは、いつか自分が大切な人を守るために立ち上がる時の勇気となるはずです。


<作品情報>
『LOGAN/ローガン』(2017年) /アメリカ / 上映時間:138分
Photo by Photo Credit: Ben Rothstein - © 2017 Marvel. TM and © 2017 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved. Not for sale or duplication.


「親子の絆を深める映画」その他の記事はこちら>

上村 真徹(ライター・編集者)

上村 真徹(ライター・編集者)

家庭では妻の笑顔と娘の成長を最大の生きがいに、週末の料理やデザート作りで家族の胃袋をつかんでいる。最近は娘が成長し、以前ほど甘えてくれなくなったのが悩みのタネ。映画は新作・旧作問わず、年間100作品以上鑑賞。マイベストムービーは『ゴッドファーザー』だが、実は泣ける映画好き。

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