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貯めながら増やすコツコツ投資(教育費とセカンドライフ資金の準備方法)

貯蓄だけでは足りない可能性が高い?


「人生100年時代」になることで変わっていく「老後」の概念。その生き方について考え、自分や家族がどのように働き、地域活動を行い、余暇を過ごすのかが、これまで以上に重要になります。

だからこそ、長い人生で必要となる「お金」についてもっと知っておかねばならないと思うのです。


『人生100年時代を楽しむライフプラン』と題した本連載ではこれまで、家族のライフデザインについて考え、家計簿アプリで現状のお金の使い方を「見える化」する方法について書きました。

そして前回の「固定費の見直しがあなたの未来を変える!? 家計で見直したい4つの項目」では、効果の高い固定費の見直しについて触れ、将来に回せるお金を生み出す方法を考えました。


とはいえ固定費を削減、つまり痛みを伴わずに支出を下げても、お金は日常生活で自然と使ってしまうものです。これから必要になる大きな支出、特に教育費やセカンドライフの生活費、さらにはマイホーム。この3つは金額が大きいだけに、できるだけ早く資金の積み立てをコツコツ始めることが求められます。


ただ、ライフデザインを設計してみた方はもう気づいているかもしれませんが、貯蓄だけですべての資金を準備することは難しいかもしれません。働き方を変えて収入を増やすにも限界があります(年を重ねてもできるだけ働き続け、少しでも稼げるようにしておくことは効果的)。そこで、今すぐにできることとしてオススメしたいのがコツコツ投資です


その前に質問です。教育費とセカンドライフの生活費、どちらから先に準備しますか?

例えば大学の学費はセカンドライフより先に必要になるので、皆さん教育費は意識して何とか準備しようとします。ところが、子どもたちが大学を卒業してセカンドライフが目前に迫った時、支給予定の年金額を見て絶望的になったという話も聞きます。


100年生きるということは、セカンドライフの生活費もこれまでより多く必要になるということ。2つの資金はどちらが先ということなく、少しの金額からでも今すぐ準備を始めましょう。


教育費は児童手当を活用しましょう


大学費用は私立大学の4年間総額で約600万円とされていますが、これだけの大金をすぐに準備するのは難しいことです。大学費用を準備する猶予時間は、子どもが生まれてから18年間程度あります。単純計算すると、18年の間に毎月約2万8000円貯めなければなりません。これで老後資金も貯めるとなると、厳しい方も多いと思います。


そこで活用したいのが、国に申請すれば毎月支給される児童手当です。


児童手当は、2人目までの子どもであれば中学卒業までに1人あたり最大210万円支給されます。大学の受験費と、初年度の学費や教材費などが賄える金額です。つまり、毎月の児童手当を入学年度の学費用に貯蓄し、残り3年分の教育費約390万円を18年間で準備すれば良いのです。貯蓄するなら1カ月あたり約1万8000円。自己資金は月額1万円減りましたね。


セカンドライフ生活費は貯めて・増やして・取り崩す


それでも老後資金のことを考えると、まだ余裕があるとは言えません。
100年時代がすぐそこまで来ていることを考慮すると、セカンドライフの生活費は教育費より多く必要。一般的には「3000万円は準備しましょう」と言われています。定年までの30年間で準備しようと考えるなら、1年間に100万円貯めなければなりません。1カ月あたり8万円。できますか?


そもそも本当はどれぐらい老後資金が必要なのでしょうか? その金額は、あなたやあなたの家族がどう生きて、どう働くかで大きく変わってきます。家族に介護が必要になったらどうするのか、ということも考える必要があります。


平均的な年金月額22万円で生活が収まる夫婦であれば、介護費用1000万円強(2人分)、医療費200〜300万円、お葬式代などを含めても最低1500万円あればなんとかなるかもしれません。30年間かけて貯めるなら月額4万1700円程度になります。

この金額なら何とかなるかもしれない、と思われた人もいるかもしれませんが、これは“生きるための費用”。楽しみに使うお金は含まれていません。


お金のことを長期的な視点で考えるのはとても大事なことですが、考えすぎてすぐに一歩目が踏み出せないと、時間という最大の力を活かせないことになります。貯蓄、投資、退職金など資金の選択肢を踏まえて、限りあるお金と時間の中でよりよく暮らすことを考えてみましょう。


すぐできそうなことで試算してみました


セカンドライフの資金3000万円を30年間で貯める場合、月額8万円の貯蓄が必要になります。金利5%で30年間運用できれば、月額3万6000円の資金で合計3000万円を超える計算になります


ここで気をつけておきたいのは、セカンドライフの資金は“貯めて終わり”ではないということ。お金は命ある限り使うわけで、なくなってはいけないのです。


でもご安心ください。3000万円というのは毎月の年金では足りない金額の総額なので、3000万円が突然、全額必要になるわけではありません。投資をしながら貯蓄を取り崩しても人生の終わりまでに3000万円あれば足りるという発想で、現役の間に月額いくら貯めればいいか資産運用を考えましょう。


月額1万9400円のコツコツ投資で30年間に金利5%、その後は4%で運用できた場合、30年間で1620万円の資産が形成でき、100歳までの35年間で月額7万2000円を受け取れる試算になります。一般サラリーマンの月額年金22万円程度と合わせて、30万円に近い受取金額になります。退職金が2000万円程度見込めるのであれば、介護費用やお葬式代も含めて準備できそうですね。


自営業やフリーランスの場合は大きく違います


自営業やフリーランスの方が加入しているのは国民年金なので、年金の月額受取額は約6万5000円です。夫婦合わせても13万円なので、資産運用を行った一般サラリーマンと比べると16万2000円も少ないことになります。


退職金代わりの2000万円まで含めて、サラリーマンと同じセカンドライフの水準に達するには、30年間で8804万円の貯蓄が必要。月額10万5200円のコツコツ投資で30年間に金利5%で運用できた場合、8804万円を超える計算になります。月額6万7800円のコツコツ投資でも、30年間に金利5%の運用、さらにその後4%で運用できた場合、30年間で5670万円の資産形成、そして100歳までの35年間で月額16万2000円と一時金2000万円を受け取れる試算になります。

iDeCo(個人型確定拠出年金)を活用すれば節税メリットもあるので、もうちょっと少ない金額でもこの水準の金額が達成できる可能性があります。


働くことは強力な武器になります


もっと貯蓄にゆとりを持たせたい、投資で資産形成するとしても積立金額が難しい…上記のシミュレーションに対する感想は人それぞれだと思います。


貯蓄や資産形成にゆとりを持たせるには「働く」という選択肢が残されています。そもそも健康のためにも、元気な間は働いた方がいいと私は考えています。年齢とともにできることは変わっていくと思いますが、“働く未来”を想像しながら若いうちからキャリアを考えてみるのも良いのでないでしょうか。


定年後に月額5万円の収入があれば、それだけで10年間の資産が600万円になります。ご夫婦揃って働くのであれば1200万円にもなり、介護費用が賄える金額になります。貯める、増やす、増やしながら取り崩す、そして働くという選択肢の中で、人生の時期に応じて、そのバランスを柔軟に変えていくことでより豊かな暮らしができます。


次回はコツコツ投資の実践編です。


『人生100年時代を楽しむライフプラン』その他の記事はこちら>

内木場 豊

内木場 豊

フリーランス・ファイナンシャル・プランナー。 大学卒業後アメリカへ留学し、ビジネスについて学ぶ。インターンとしてアメリカの証券会社で働き、帰国後は証券会社や不動産会社などで働くが、お客様、一人ひとりと関わる中で、「ライフデザイン」を実現する「マネープラン」の提案により得られる「お客様とその家族の笑顔」こそ自身の人生の使命(ミッション)と気づき、ファイナンシャル・プランナーとして独立起業。プライベートでは3児のパパであり、父親の子育支援をするNPO法人ファザーリング・ジャパン理事でもある。

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