Original

『妻よ薔薇のように 家族はつらいよⅢ』| ワンオペ家庭をきっかけに見つめ直す夫婦のあり方

家のことを妻に任せっきりにしていませんか?


“家ごと”に関心が高い家men読者の皆さんなら、ワンオペという言葉をご存じかと思います。ワン・オペレーション、つまり家事育児を夫婦のいずれか一人(主に女性)だけが担当し、負担が集中してしまう問題のことです。


「平日は仕事優先で妻任せだから、せめて週末は家事育児を積極的にやっている」という方もいれば、「ウチは毎日家事シェアできているから大丈夫!」と自信満々な方もいることでしょう。では、実際のところ妻は夫のことをどう思っているのか?


その“リトマス試験紙”として、ぜひ夫婦一緒に見てほしい映画があります。5月25日から劇場公開される、巨匠・山田洋次監督&豪華キャストで織りなす喜劇シリーズ第3弾『妻よ薔薇のように 家族はつらいよⅢ』です。


主婦、辞めます──その時男たちはどうする?


これまで『家族はつらいよ』シリーズでは、東京の郊外に暮らす3世代同居の平田家を中心に、兄妹夫婦を交えて繰り広げられる騒動をユーモラスに描きながら、かけがえのない家族の絆をハートフルに伝えてきました。


山田監督はこのシリーズを手がけるうちに「女性の家事労働がまったく評価されていないことは大きな問題ではないか」という思いを募らせ、第3弾である今回「家庭における家事労働」をテーマに選んだそうです。


平田家の家事育児は専業主婦の史枝(夏川結衣)が一手に引き受け、朝昼晩の食事の準備、掃除、洗濯…自分のための時間がまったくない、典型的なワンオペ状態。一方、夫の幸之助(西村まさ彦)も典型的な仕事人間で家のことはノータッチ。それどころか「俺が家に金を入れてやっている」という昭和的価値観の持ち主。


よくこれで十数年間も夫婦生活が破綻しなかったな…と思いますが、ついに緊急事態に直面! ある事件に巻き込まれた史枝に対して幸之助が無神経な言葉を掛けたことから、溜まりに溜まった不満を史枝が爆発させ家出してしまうのです。それまで家のことを全部担ってきた妻がいなくなった平田家のドタバタぶりは、まさに自業自得と言うしかなく笑わずにいられません。


そんな危機に手を差し伸べるのが、次男・庄太(妻夫木聡)と長女・成子(中嶋朋子)の兄妹夫婦です。幸之助に「これは俺たち夫婦の問題だ!」と逆ギレされてもおせっかいを焼こうとする親身な姿を見ていると、やっぱり家族っていいな…としみじみ。失われつつある大家族の厄介さと良さをこれまで何度も描いてきた、山田洋次監督の真骨頂です。


我が家の家事事情を見つめ直すきっかけに


ワンオペに悩む主婦の共感を誘う内容から、予告編では「奥さん!家事育児は夫に任せて映画館へ!」と推していますが、家menとしては夫婦一緒での鑑賞をオススメします。


平田家のワンオペぶりと妻不在の大混乱を見て少しでもギクッとした方は、ぜひこの映画を反面教師に、奥さんへの感謝の示し方や家事シェアのあり方を見つめ直してみましょう。


また「自業自得だよ!」と笑って見ていられた方は、奥さんのリアクションもチェックしておいてください。ちょっと冷たい視線を感じたら、それは「そうやって笑っているけど、あなたも完璧じゃないわよ」という意思表示かも…。


鑑賞後に平田家の家事事情をネタにしながら、ご家庭の家事シェアについて意見を交わし合ってみてはいかがでしょうか。


すべての家庭にとって、夫婦のあり方や家族の絆についてのヒントがきっと見つかるはずですよ。


<作品情報>

『妻よ薔薇のように 家族はつらいよⅢ』(2018年) /日本 / 上映時間:123分

2018年5月25日(金)全国ロードショー

© 2018「妻よ薔薇のように 家族はつらいよⅢ」製作委員会


『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』 | 己の信念を貫いた天才脚本家 | 家men

『ビフォア・ミッドナイト』 | いつか訪れる倦怠期…夫婦の絆が試される | 家men

『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』 | 人生はいつでも再出発できる | 家men

上村 真徹(ライター・編集者)

上村 真徹(ライター・編集者)

家庭では妻の笑顔と娘の成長を最大の生きがいに、週末の料理やデザート作りで家族の胃袋をつかんでいる。最近は娘が成長し、以前ほど甘えてくれなくなったのが悩みのタネ。映画は新作・旧作問わず、年間100作品以上鑑賞。マイベストムービーは『ゴッドファーザー』だが、実は泣ける映画好き。

Ranking ランキング

CATEGORY カテゴリ

TAGS タグ

QRコードでLINEの友だちを追加