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『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』 | 己の信念を貫いた天才脚本家

会社のルールや人間関係のしがらみが複雑に絡み合う中、自分の信念を貫くのは難しい…。


そんなふうにあきらめて空気ばかり読んでいる人にオススメの作品、それは実在する映画脚本家の驚くべき半生を描いた『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』です。

『ローマの休日』を生んだ脚本家の波乱万丈

戦後アメリカに共産主義者を排除する「赤狩り」の猛威が吹き荒れ、ハリウッドの売れっ子脚本家ダルトン・トランボもその標的となります。投獄されたあげくに業界から干されてしまったトランボは、不遇を嘆いてキャリアを投げ出したりせず、偽名を使って執筆活動を続けることに。そしてB級映画の脚本を量産して食いつなぎながら、なんと『ローマの休日』など2度もアカデミー賞に輝きます(もちろん偽名なので、授賞式には出席できません)。


ハリウッド内幕ものとしても社会派ドラマとしても興味深い作品ですが、何より圧巻なのはトランボの不屈のバイタリティ。家族を総動員して仕事を手伝わせながら、寝る間も惜しみ風呂場にタイプライターを持ち込んでまで脚本を執筆するエネルギッシュさが、TVシリーズ「ブレイキング・バッド」の名優ブライアン・クランストンがユーモアを交えて熱演することでいっそう魅力的に映し出されます。


己のキャリアと家庭を守るため全身全霊を注ぐ奮闘ぶりに、父親なら誰もが共感必至!

己を曲げない反骨精神と行動力こそ男の証

自分が正しいと思ったことを貫き通す。それは確かに簡単なことではありません。でも、赤狩りという現代よりも過酷な状況下でも己を曲げなかったトランボの強さを知れば、少しでも勇気を得られるはず。こうしたブレない覚悟と決意は、トランボの波乱万丈に振り回されながらも全力で協力する妻子を見れば分かるように、必ず周囲にも伝わります。


己を信じて行動すれば、必ず結果はついてくる──そんなメッセージが胸を打つ秀作をぜひご覧ください。


『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』(2015年) /アメリカ / 上映時間:124分

Photo by Hilary Bronwyn Gayle

上村 真徹(ライター・編集者)

上村 真徹(ライター・編集者)

家庭では妻の笑顔と娘の成長を最大の生きがいに、週末の料理やデザート作りで家族の胃袋をつかんでいる。最近は娘が成長し、以前ほど甘えてくれなくなったのが悩みのタネ。映画は新作・旧作問わず、年間100作品以上鑑賞。マイベストムービーは『ゴッドファーザー』だが、実は泣ける映画好き。

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