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『パパのお弁当は世界一』 | 思いを込めたお弁当作りでつながる父娘の心

お弁当作りにポジティブに取り組むには


学校で給食が出なくなる学年まで子どもが成長したら、毎朝お弁当を用意してあげる必要があります。

栄養バランスを考えつつ同じメニューばかり続かないよう献立に頭を悩ませながら、早起きして作るのは正直言って大変ですよね。でも、そこにポジティブな“意義”を見出せたら、義務感や大変という気持ちを解消することができるかも…。


そこで今回は、お弁当作りがちょっと楽しくなり、ポジティブな気分になれそうな映画『パパのお弁当は世界一』をご紹介します。


Twitter発の“感動の実話”


タイトルを見るだけで内容はだいたい想像がつくでしょうが、まさにその通り。高校生の娘のために3年間お弁当を作り続けた父の物語です。

妻と離婚し高校1年生の娘・みどりを引き取った父は、娘のために毎日のお弁当を手作りしようと一念発起します。ところが父は料理未経験。たどたどしく作ったお弁当は、思春期の女の子には味も見栄えもとうてい満足してもらえない“男前”な代物に。それでも父はめげずに会社の同僚女性のアドバイスを参考に、工夫を凝らしながら弁当の出来映えを向上させていきます。


実はこの映画は、一人の女子高生がTwitterに投稿し、8万人がリツイート・27万人が「いいね」をした感動の実話がベースになっています。

思春期の娘と些細な出来事で衝突したり、娘に恋人が出来たことに軽くショックを受けたり、恋に悩む娘を慰めたいのにかける言葉が見当たらなかったり…。お弁当作り以外のエピソードは創作のようですが、物語の中で積み重ねられていく何気ない日常やそこで生まれる感情は、おそらくほとんどの父娘にとって“あるある”だらけではないでしょうか。


そんな中、父はお弁当を通じて、言葉にできないさまざまな思いや励ましのメッセージを娘に投げかけ続けます。お弁当がただの料理ではなく、父娘の心をつなぐかけがえのない手段となっていく──そんな不器用だけど心温まるコミュニケーションに、胸が熱くなること間違いなしです。


映画慣れしていないスタッフが生み出す、素朴な日常感と愛情


実はこの作品に携わったメンバーは映画のキャリアがほぼ皆無。父親役の渡辺俊美はヒップホップバンド・TOKYO No.1 SOUL SETのメンバーで、当然演技は未経験(でも実際に高校生の息子のため3年間お弁当を作り続けたとか!)。撮影スタッフもミュージックビデオ関連の人ばかり。でもそうしたメンバー構成が逆に、作り物ぽくない素朴な日常感を醸し出し、誰もが感情移入しやすい“泣ける物語”へと昇華させたと言えます。


仕事や体調不良で大変な時もお弁当を作り続けてくれた父への感謝と、失敗した時も残さずお弁当を食べ続けてくれた娘への感謝。2人の感謝が循環し温かく溶け合っていく交流ドラマを見ていると、たとえどんな出来上がりでもお弁当作りは親子の絆を深める手段になりうるし、親の愛情は必ず子どもに届くんだって励まされることでしょう。


真心を込めた“食育”によって子どもと絆を育みたい。毎日ご飯を作ってくれる親に感謝したい。そんなふうに親子が互いに素直に思える感動作を、ぜひ一緒にご覧ください。


『パパのお弁当は世界一』(2017年) /日本 / 上映時間:76分
© 2017「パパのお弁当は世界一」製作委員会

上村 真徹(ライター・編集者)

上村 真徹(ライター・編集者)

家庭では妻の笑顔と娘の成長を最大の生きがいに、週末の料理やデザート作りで家族の胃袋をつかんでいる。最近は娘が成長し、以前ほど甘えてくれなくなったのが悩みのタネ。映画は新作・旧作問わず、年間100作品以上鑑賞。マイベストムービーは『ゴッドファーザー』だが、実は泣ける映画好き。

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