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ガントチャートで調理の工程と流れを可視化しよう(前編)

秘密結社「主夫の友」総統の村上です。


前回は、カレー作りが完了するまでの作業の流れをPERT図を用いて可視化し、最も時間がかかる作業の流れ(クリティカルパス)を割り出しました。


その結果、カレー作りにおいて必要なトータル調理時間(=カレーが完成する時間)は「ご飯を炊く時間」と同じだと分かりました。


前回のカレー作りのPERT図

家men,理系料理,第6回

>「食事の時間は何時? PERT図で最も短い調理時間を割り出そう」はこちら


ガントチャートで最短調理するための作業工程を考える


カレー作りはカレーとご飯を調理しますので、PERT図ではカレーを作る作業ライン(上の水色の矢印)とご飯を炊く作業ライン(下のオレンジの矢印)の2つのラインが存在します。


実際の調理ではこのラインに沿って作業を進めます。

料理番組のように裏でスタッフが下ごしらえしてくれていたものが途中で出てくれば楽なのですが、家庭で料理する際には一人でこの2つの作業ラインを並行して処理する必要があります。


いち早くカレーを食べるための最短の調理時間には、メインの作業ラインである「ご飯を炊くライン」の流れを遅延させずに、ご飯を炊く工程の合間にカレーを作る工程をどのように割り込ませていくのか考えなければなりません。


そこで調理作業と流れを把握するために、ガントチャート(工程図)を使用して考えてみます。


ガントチャートでは縦軸に「作業」横軸に「時間経過」を表し、各タスクの前後関係と流れを可視化します。


各々のタスクは前の関連タスクが終わらないと取り掛かることができず、あるタスクが遅延するとその後の作業に影響を与えるタスクのつながりも分かります。


ご飯を炊くガントチャート


まずはじめに、ご飯を炊くガントチャートを考えてみましょう。


家men,理系料理,第6回,ガントチャート


「ご飯を炊く」調理工程を、細かく作業単位に展開(WBS:Work Breakdown Structure)します。


 ご飯を炊く工程と所要時間

1.米を研ぐ…5分

2.米を水に浸す…30~60分(季節、水温、新米か古米かにより変動) 

3.米を炊く…25分(炊飯器のコースによる)

4.米を蒸らす…10分


※「2.米を水に浸す」の所要時間については、季節によって水温や米の鮮度(新米か古米かどうか)が異なり、米の吸水時間にも影響があり時間も変動します。


ここでは鍋でご飯を炊く場合など、1~4の工程が必要な炊き方を前提にします。


炊飯器を使用する場合、工程2で炊飯器の釜にお米と水を入れて、炊飯器のコースをセットしスイッチを入れるだけで工程4まで自動調理してくれるので、実際は「1.米を研ぐ」「2.米を炊飯器にセットする」の2工程になります。


普段、炊飯器を使っている方も、この機会に鍋での炊飯を試してみてください。特にキッチンのコンロがガスコンロの方はオススメです。


ガスの高火力で炊き上げると鍋の中で対流が起き、米が踊って熱がムラなく芯まで均一に伝わり、ふっくらと米が立った甘みが引き出されたご飯になります。

級炊飯器が目指しているのはかまど炊きの再現。つまり、鍋を使えば、家庭の直火でも早くて美味しいご飯が炊けるのです。


一部のガスコンロには自動で火加減や時間を調整し、ご飯が炊けたらお知らせして自動で火が消える「自動炊飯モード」が搭載されています。

火加減のコツをつかめば、家庭にある行平鍋やフライパン、土鍋でも炊飯可能ですよ(火加減調整がいらない炊飯用の土鍋やIH対応の土鍋も市販されています)。


カレー作りのガントチャート


次はカレーを作る作業をガントチャート化します。


ご飯のガントチャートと同様に、まずは「カレーを作る」調理工程を細かく作業単位に展開(WBS:Work Breakdown Structure)します。


カレーを作る工程と所要時間

1.具材を切る…10分

2.具材を炒める…5分

3.水を入れて具を煮る…30分(具に火が通るまで)

4.火を止めてカレールーを割り入れる…5分

5.さらに煮込む…10分(とろみがつくまで)


※時間は目安です。実際の作業時間は「3.水を入れて煮込む」は具に火が通るまで、「5.さらに煮込む」はとろみがつくまでの時間です。


ご飯を炊く工程の下にカレー作りの工程を追加したガントチャートです。


家men,理系料理,第6回,ガントチャート2


これで「ご飯」と「カレー」の調理工程のつながりとタイムテーブルが可視化されました。

ガントチャートを使うと複数の献立でも流れが分かりやすいですね。


しかしこのガントチャートでは、「手を動かす調理作業の工程」(濃い色のバー)と、米の吸水や炊飯、煮込みなど最初に準備すれば残りは「待機してもいい工程」(薄い色のバー)が混在しています。


次回のガントチャート後編では、実際の作業工程を時間軸でとらえて、同時調理の段取りを考えてみます。


さらに調理作業間の空いた時間で、もう一品副菜を作ることも検討してみましょう。


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村上誠

村上誠

NPO法人ファザーリング・ジャパン理事、秘密結社主夫の友総統。 1971年生まれ。2児の父。結婚と同時に実両親と同居し、母の介護を機に自身のワークライフ(家事、育児、祖父母のケア)バランスを見直し兼業主夫となる。2015年に主夫仲間と「秘密結社主夫の友」を結成、「主夫=主体的に家事育児に携わる男性」と定義し、男性の育児・家事の更なる浸透と女性活躍の推進、夫婦の多様性を目指して、総統として活動中。料理講座の講師を務めたりメディア出演するなど料理の腕前は一級品。父親の育児家事参画、夫婦関係、祖父母の孫育て、地域の子育て支援など幅広い家族・育児テーマを取り扱い、全国で講演活動やイベント出演をしている。

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