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居場所を失った男たち。フラリーマン現象に見る3つの特徴

はじめまして! 家事シェア研究家でNPO法人tadaima!の代表、三木と申します。


この連載では『男の居場所を創る』と題し、男性の暮らしやすさや地域への関わりなどを通して、仕事以外の居場所を創っていけるノウハウや事例を書いていきます。


初回の今回は、少し前に話題になったフラリーマンと男の居場所についてです。


フラリーマンとはなにか

仕事が終わってもフラフラと家電量販店、喫茶店、公園(!)などに寄って時間を潰してから家に帰るサラリーマン。働き方改革で残業ができなくなった結果、こういったサラリーマンが増えている、とNHKニュース「おはよう日本」で2017年9月に放送されてから話題になりました。


このフラリーマン。子育て世代のパパだと、早く帰って少なからず家事育児の分担があるところを、それが嫌で直帰しない姿勢にママから多くの怒りの声が寄せられているのです。


「家に帰りたくない」すべてはそこから始まる

「家に帰りたくない」すべてはそこから始まる


この放送後、ネット上で賛否両論の炎上騒ぎが起きたのですが、フラリーマン賛成派(パパ)の本音は「家に帰りたくない」。すべての問題の出発点はこの気持ちなのです。なぜパパは家に帰りたくないのか。家に帰りたくないとしたらパパの居場所はいったいどこにあるというのでしょうか?


そこで、フラリーマンに見られる3つの特徴を挙げてみます。

もし、自分に当てはまる、心当たりが見つかったら要注意!


フラリーマン3つの特徴


①“居場所”がない危険性に無頓着!

②働き方を変えられない危険性!

③子育てを通して自分を成長させる気持ちの欠如!


①”居場所”がない危険性に無頓着!

実は男性の社会的孤立は、パパにとってすごく身近な問題。ところが、仕事があるうちは特に困ることもないからか、あまりにも無自覚な人が多い。


こんなデータをご存知でしょうか?

自殺、孤独死、引きこもりの7割は男性との調査結果があります(※)


こうした問題の根底にあるのは「孤立化リスク」。社会学者の水無田気流氏は著書『「居場所」のない男、「時間」がない女』の中で、労働時間が長く家庭や地域への関わりが希薄になる結果、男性が退職後に孤立化しやすい現象のことを「関係貧困」と呼んでいます。


でも別に退職(失職)まで待たなくても、フラリーマンたちは「残業」ができなくなった結果、すでに関係貧困が露呈しはじめているではないですか!


やばいよ!仕事しかないオヤジ

やばいよ!仕事しかないオヤジ


職場だけが自分の居場所だと、仕事以外は何もできないオヤジが出来上がります。

仕事以外に何もできないオヤジは仕事がなくなったら、何もできないオヤジに格下げされます!


「そんなオヤジになりたくないなー」って笑ってるあなた!


一度、仕事も含めて自分がコミットしているコミュニティについて洗い出してみては?いかに自分のコミュニティが仕事に偏っているか見えてくるかもしれません。


②働き方を変えられない危険性

フラリーマンでやっぱり課題なのは「働き方改革の結果」フラフラする人が増えた、という点。すぐ家に帰って家事育児するだけがアフター5の正しい過ごし方ではないけど、「家に帰りたくないから」と無為に過ごすなら残業していた方がいくらもマシです。


「帰ってもやることない」「残業していた方が、残業代ももらえるしマシ」


もしそう思っているなら、残業しない働き方に変えたのではなく、無理やり帰らされているだけ。働き方改革が必要であるという前提にすら立てていないってことかもしれませんね。


月20時間残業が減れば、1年で240時間(10日分)も時間が生まれる!

おおよそ1日1時間ほど残業時間が減れば、ひと月あたり約20時間、年間だとまるっと10日分もの時間を創出できるのです。この時間をどう過ごすかで、自分の居場所をいかようにでも増やすことができるはずです。


趣味や新しい勉強ももちろん素敵です。でも、もしあなたが子育て中のパパであれば、まずは家庭へのコミットでしょう。月20時間を使って、夫婦の信頼関係、子どもとの楽しい時間、家で過ごすことの心地よさ、といった一生ものの価値を手にすることができます。残業代よりもきっと価値があるのではないでしょうか??


③子育てを通して自分を成長させる気持ちの欠如

子育てに苦手意識を抱えていたり「ママのサポート」程度に思っているパパに、ぜひ一度考えてもらいたいことがあります。


それは子育て中のパパは、子どもをハブに居場所をどんどん広げていくことができるという事実です。


”育自”ってパパにとっても大切な価値観だよ!

育児をする男性

地域活動などで出会うママたちは育児のことを”育自”と言い、育児を通して自分を成長させる意識を持っている人が多いです。子どもをハブに新しいコミュニティにも顔を出し、自分で地域活動を始めるママもいます。そういった活動をパパは「仕事ではない、遊びみたいなもんだろ」などと思ってはいませんか?


もう、その仕事最上主義的な考えは捨てた方がいい。


保育園、PTAなどのママ友、地域コミュニティセンターを通した、世代を超えたネットワークの創出。今まで自分が手を出さなかったような新しい世界へのチャレンジ。そういった一つひとつが、自分の枠を広げてくれる財産になる。しかもママたちは男性が想像しているほど暇なわけじゃない。むしろ、営業中に車で寝ているような営業マンやフラリーマンの方がずっと暇そうに見えます(苦笑)


自分の世界を広げることを知らず、「楽したい」「疲れた」「癒やされたい」といった気持ちだけに支配されるようではいつまでも居場所は創出できません。


まとめ

これからの男性は家庭、地域など職場以外の居場所を築いていかなければ、辛い老後が待っています。そして、厳しいようですが自分の居場所を創るのは自分自身でしかありません。妻にそんなことまでお願いするのは、お門違いってもんです。


その代わり、得られた居場所は家庭であれ、地域であれ一生の財産になります。あなたが何か困ったときには必ず手を差し伸べてくれる存在になるでしょう。


次回から「男の居場所の創り方」について考えていきましょう。


『男の居場所を創る』その他の記事はこちら>


\その他おすすめ記事はこちら/

・楽しみながら仕事の生産性がアップする「コクヨ式」とは!?

・自分だけの居場所を作る!DIY秘密基地作戦

・夫婦喧嘩をいつまでも引きずらない、上手な仲直りのススメ


<参考文献>

※  厚生労働省『自殺対策白書』http://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/jisatsu/16/dl/1-01.pdf

※  シニアガイド参照:東京都監察医務院より https://seniorguide.jp/article/1001564.html

※  内閣府政策統括官:ひきこもりに関する実態調査 http://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/hikikomori/pdf/gaiyo.pdf


三木智有

三木智有

日本で唯一の家事シェア研究家 / 子育て家庭のモヨウ替えコンサルタント / 内閣府「男性の暮らし方・意識の変革に関する専門調査会」委員 フリーでのインテリアコーディネーターを経て、2011年に男性の暮らし方を変えていきたいとNPO法人tadaima!を設立。”10年後、20年後も「ただいま!」って帰りたくなる家庭にしよう!”をスローガンに家族の家事シェアを当たり前にする活動を行っています。

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