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芸術の秋は映画の秋!心に染みる大人向け名作映画を夫婦で観よう

気候がすっかり秋めいてきて、ますます“○○の秋”を楽しみやすい季節になってきましたね。


先月の連載「秋といえば『芸術の秋』!夫婦でアート展を見に行こう」で、気軽に鑑賞できるアート展をご紹介しましたが、そうは言ってもアートは敷居が高い…という方もいることでしょう。


そんな皆さんにご提案したいのが、身構えることなく気軽に楽しめる映像芸術──そう、映画です。

そこで今回は、秋の休日に夫婦が自宅で一緒に鑑賞するのにピッタリな映画を、見る時の気分別にご紹介します。


■理想の老夫婦像に心が温かくなる『ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります』

家men,もう一度夫婦で恋しよう,映画の秋

© 2014 Life Itself, LLC All Rights Reserved


自宅のリビングで夫婦揃って鑑賞する場合、刺激たっぷりの賑やかな娯楽大作より、こじんまりとした規模で等身大の人間模様を描いた佳作の方が心に染みるし、見終わった後の会話もけっこう弾むものです。


見ているだけで心がほんわか温かくなる作品としてオススメなのが、以前に映画コラムでもご紹介した『ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります』。


モーガン・フリーマン&ダイアン・キートンの大ベテラン2人が演じる老夫婦がとても自然体で、長年連れ添った熟年カップルならではの深い絆を静かにさりげなく魅せてくれます。

自分たちもこんなふうに互いを思いやりながら、飾らず自然体で年齢を重ねていきたい…という同じ思いをパートナーと分かち合えるはずです。


>『ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります』過去の紹介記事はこちら


■結婚前の情熱を思い出すことができる『ビフォア・サンセット』

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『ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります』とは違う意味で“空気のような”夫婦関係に、再び情熱を通わせたい

そう感じている方たちにオススメしたいのが、これまで映画コラムで何度も取り上げたリチャード・リンクレイター監督作の傑作ラブロマンス映画『ビフォア・サンセット』。


ベタベタの恋愛モノは苦手という男性もいるでしょうが、この作品は大人の機微に触れるビターな人間ドラマに仕上がっていて、男女問わず心に刺さりますよ。


かつて一夜の恋に燃えた男女が再会を果たせないまま9年。

30歳を過ぎてなお人生に満たされない思いを抱える男女2人が運命的に再会し、互いの心の空白、そして9年間のブランクで生じた微妙な距離感を埋めるため、会話を重ねていきます。


ウィットを交えながら抜群のテンポで交わされる会話が親密で心地いいのですが、言葉の端々やふとした表情に出る「もっと早く再会できていたら」という、やるせない気持ちが切ない…。

9年経っても変わらない“​​​​​​​運命の2人”の思いや愛の駆け引きに触れるうちに、見ている方も“出会った頃の2人”に戻れるかもしれませんよ。


■カズオ・イシグロの名作小説を映画で読む『わたしを離さないで』

家men,もう一度夫婦で恋しよう,映画の秋

© 2010 Twentieth Century Fox


秋といえば“読書の秋”でもあります。

話題の作家の小説を読んでみたいと思っているけど、時間がなくて手が伸びない──そんな時は、名作小説を映像化した作品を鑑賞してはいかがでしょうか。


例えば、昨年ノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロの小説はこれまで『日の名残り』と『わたしを離さないで』が映画化されています。

今回オススメしたいのは、キーラ・ナイトレイやアンドリュー・ガーフィールドら現代の若手スターによる瑞々しい競演が見られる後者です。


ある特殊な運命の下に生まれた男女3人が、自分たちの生きる意味を模索しながら、恋と友情を育む姿が描かれています。

重いテーマをことさらセンセーショナルに誇張しない端正な語り口は、原作者カズオ・イシグロらしい抑制の利いた筆致を彷彿とさせ、小説を読み進めているような満足感に浸れるはず


■何かに夢中になっていた青春時代の輝きをもう一度『シング・ストリート 未来へのうた』

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© 2015 Cosmo Films Limited. All Rights Reserved


もう1つ、秋といえば“音楽の秋”

近年まれにみる傑作音楽映画としてぜひ見てほしいのが、元バンドマンのジョン・カーニー監督による半自伝的な青春ドラマ『シング・ストリート 未来へのうた』。


サエない少年たちがバンドを結成して一念発起!というのは、洋の東西を問わず青春映画の鉄板ネタ。

この作品も、15歳の高校生がモデル志望の年上美女の気を引くためだけに、「僕たちのバンドのMVに出演しない?」なんて誘ってからあわててバンドを組むという無謀な始まり方ですが、曲作りや演奏にどんどん熱中していく彼らのなんとキラキラして見えること!


1985年のダブリンが舞台ということで、アラフォー世代にストライクな80年代UKソングがふんだんに使われているのも嬉しいポイント。でもそれ以上に、バンド少年たちが演奏するオリジナルソングがまたイイんです

元バンドマンのカーニー監督が80年代サウンドにオマージュを捧げて作った曲の数々は、聴く人の青春時代の記憶をも呼び覚まし、バンド少年たちのように「かつて何かに熱中していた頃」の楽しさや情熱まで思い出させてくれますよ


■音楽とカーアクションの絶妙なシンクロに興奮!『ベイビー・ドライバー』

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Photo by Wilson Webb - © 2016 - TriStar Pictures


音楽ネタのオススメ作をもう1本。

最近、仕事や家のことでたまっているストレスを発散したい! そんな時にピッタリなのが、イギリス映画界の鬼才エドガー・ライト監督によるカーアクション映画『ベイビー・ドライバー』です。


音楽を聴くことによって天才的な運転技術を発揮する若者が主人公の本作。とにかくスゴイのは、シーンごとに流れるゴキゲンな楽曲と超絶カーアクションとの完璧な連動感


曲のメロディやドラムのリズムが、車の運転や銃撃戦と密接にリンクしていて、冒頭のカーチェイスからいきなりグイグイ引き込まれてしまいます。

まるで車が音楽に合わせて踊っているかのようで、公開当時に“カーアクション版『ラ・ラ・ランド』”とも呼ばれたのも納得!

神業というべきシンクロ映像に間違いなくスカッとしますよ。


■みんな誰かの大切な人…映画史上屈指のハッピーエンドに涙が止まらない『素晴らしき哉、人生!』

家men,もう一度夫婦で恋しよう,映画の秋


古き良き時代のハリウッド映画には、大人だからこそ良さが分かる“洗練された粋”が詰まっていて、夢見心地に浸ることできます。

そんな往年の名作の中でも特にオススメなのが、ヒューマニズムの名匠フランク・キャプラ監督の代表作である人情コメディ『素晴らしき哉、人生!』です。


事業に失敗して人生に絶望し、自殺を決意した男の前に現れた一人の天使。「もし自分が生きていなかったら、世界はこうなっている」という光景を天使に見せられた男は、自分が生きる意味、そして人とのつながりの尊さを思い出します


このファンタジックな奇跡に込められた心温まるメッセージは、今見ても決して古くさく感じません。

止まることのない涙を流すと同時に優しい気持ちになり、パートナーへの愛情と感謝の気持ちが涌き上がることでしょう


秋に夫婦で見たいオススメ映画を6本ご紹介しましたが、いかがでしたか。


今回ご紹介したオススメ映画はほんの一例です。

静かな感動にじっくり浸りたい。

スカッと爽快な気分を味わいたい。

それぞれの気分にマッチしたお好みの作品を探し出し、夫婦で感動を分け合うことで絆を深めていってください。


>「もう一度夫婦で恋しよう」その他の記事はこちら

上村 真徹(ライター・編集者)

上村 真徹(ライター・編集者)

家庭では妻の笑顔と娘の成長を最大の生きがいに、週末の料理やデザート作りで家族の胃袋をつかんでいる。最近は娘が成長し、以前ほど甘えてくれなくなったのが悩みのタネ。映画は新作・旧作問わず、年間100作品以上鑑賞。マイベストムービーは『ゴッドファーザー』だが、実は泣ける映画好き。

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