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『レスラー』 | リングだけが生きる場所──孤独な生きざまに男泣き!

男として完全燃焼できる場所はあるか?

心から熱中できるものがなく、何となく毎日を過ごしがち…。一度きりの人生、そんな不完全燃焼ではもったいない!

男として完全燃焼できる“生きがい=生き場所”に出会えずにいる方に見てほしい作品が、プロレス以外に生き方を知らない元トップレスラーの悲哀と死闘を描いた、男泣き必至の感動作『レスラー』です。


ミッキー・ローク 一世一代のハマリ役

1980年代に全米で絶大な人気を博したプロレスラーのランディ“ザ・ラム”・ロビンソンは、今では田舎のドサ回りにまで落ちぶれ、妻子と別れてトレーラーハウスで孤独に暮らしていた。肉体が限界に達しドクターストップを掛けられたランディは、顔なじみのストリッパー、キャシディを心の支えにまっとうな生活を送ろうとするが…。

何といっても本作は、過去の栄光が忘れられない元トップレスラーを究極のハマリ役で演じる、ミッキー・ロークの魅力に尽きます。1980年代に2枚目スター俳優として成功するも、ボクサー転向や整形手術など迷走して転落。実際にランディとオーバーラップするような栄光と挫折を体験したロークの泥臭い演技は、もはや演技とは思えない迫真モノ!


カッコ悪くても自分が納得できればいい

一度は引退を決意してスーパーでのアルバイト時間を増やし、離れて暮らす娘と和解を図ろうとするが、根っからのダメ人間であるランディは何もかも台無しにしてしまいます。彼にとっては生きづらい現実の世界の方が痛く、たとえ危険でも観客の声援を浴びられるリングだけが居場所なのです。その残酷な真理を悟ってリングへと進む後ろ姿、そして決死のラストファイトはもはや涙なしでは見られません。

もう昔のようにカッコよくないダメな自分を受け入れ、今できるベストを尽くし、情熱を注ぎ込める場所に立ち続けるランディ。泥臭く我が道を進む、愚直なカッコ悪さが逆にカッコいい、これぞ男の生きざまのお手本!

リングで死ねたら本望…とまではいかなくても、ランディの熱い魂に触れることをきっかけに、他人の目を気にせず完全燃焼できる“生きがい=生き場所”を見つけ、悔いのない人生を送りたいものです。


<作品情報>

『レスラー』(2008年) /アメリカ / 上映時間:109分

© Niko Tavernese for all Wrestler photos

上村 真徹(ライター・編集者)

上村 真徹(ライター・編集者)

家庭では妻の笑顔と娘の成長を最大の生きがいに、週末の料理やデザート作りで家族の胃袋をつかんでいる。最近は娘が成長し、以前ほど甘えてくれなくなったのが悩みのタネ。映画は新作・旧作問わず、年間100作品以上鑑賞。マイベストムービーは『ゴッドファーザー』だが、実は泣ける映画好き。

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