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『Merry Christmas!〜ロンドンに奇跡を起こした男〜』 | 優しい気持ちを思い出させるクリスマスの魔法

クリスマスの真の目的とは?


クリスマスは何のための日か──そう問われたら、あなたはどう答えますか。


イエス・キリストの誕生日、子どもがサンタクロースからプレゼントをもらえる日、ケーキやローストチキンを囲んで楽しく過ごす日…。


いろいろな答えが浮かび上がるでしょうが、その中でも忘れたくない“クリスマスのあるべき姿”を思い出させてくれる映画を今回はご紹介します。

名作小説「クリスマス・キャロル」の誕生秘話を描いた、11月30日より劇場公開される『Merry Christmas!〜ロンドンに奇跡を起こした男〜』です。


「クリスマス・キャロル」の作者と主人公との不思議な出会い


この物語の主人公は、「クリスマス・キャロル」の作者である19世紀イギリスの文豪チャールズ・ディケンズ。家族を養うためになんとかベストセラーを生み出したい彼は、スランプと戦いながら創作に没頭するうちに、現実と幻想の境目がつかなくなっていきます。


そんなディケンズの前に、なんと「クリスマス・キャロル」の主人公スクルージが出現! 彼とのやり取りを通じて小説のインスピレーションが次々と湧いてきますが、やがて父親との確執など自らの問題と向き合わざるをえなくなっていきます。



「小説の主人公が目の前に」という趣向からファンタジー色の強いストーリーを想像する人も多いでしょうが、この作品の軸となるのは“家族の絆”をテーマとした人間ドラマです。


「クリスマス・キャロル」とは、偏屈で人間嫌いな守銭奴スクルージが、過去・現在・未来の幽霊と出会って不思議な体験をするうちに、他人を思いやる慈愛の心を取り戻していく“改心”がテーマ。


一方、その作者ディケンズは、お金にだらしがないトラブルメーカー気質の父のせいで辛い幼少期を過ごし、今でも父を許せずにいます。つまり、「クリスマス・キャロル」の主人公スクルージは、家族の絆を忘れたディケンズの分身とも言えるのです


小説の中のスクルージが幽霊とのやり取りを通じて改心していくように、ディケンズもまたスクルージとのやり取りを通じて自らの心の闇と向き合い、家族への思いやりに目覚めていく。現実と小説のストーリーがシンクロするようなメッセージに、いつしか胸が温かくなることでしょう。


現代のクリスマスは「クリスマス・キャロル」がルーツ


この作品のもう1つの興味深いポイントは、舞台となる19世紀半ばのクリスマスの光景です。


実は当時のクリスマスは一部の地方で祝われる程度で、決して特別なイベントではありませんでした。

それが、他人への思いやりや優しさをテーマとし、クリスマスの光景を温かく綴った「クリスマス・キャロル」のベストセラーによって一変。


ドイツから伝わってきたクリスマスツリーを家に飾ったり、商業用に制作され始めたクリスマスカードを贈り合うようになり、現代のようなクリスマスの祝い方が定着していったのです。そうした変化は、この映画の1シーンからも垣間見ることができます。


聖なる夜に家族が揃い、プレゼントを交換したり美味しい食事を味わいながら、お互いの幸せを祈る──。クリスマスの持つ本当の意味を噛みしめることができる、奇跡のような物語をぜひ家族一緒に鑑賞してください。


『Merry Christmas!〜ロンドンに奇跡を起こした男〜』(2017年) /アメリカ/ 上映時間:104分

11月30日(金) 新宿バルト9ほか全国ロードショー

配給:東北新社 STAR CHANNEL MOVIES

©BAH HUMBUG FILMS INC & PARALLEL FILMS (TMWIC) LTD 2017

上村 真徹(ライター・編集者)

上村 真徹(ライター・編集者)

家庭では妻の笑顔と娘の成長を最大の生きがいに、週末の料理やデザート作りで家族の胃袋をつかんでいる。最近は娘が成長し、以前ほど甘えてくれなくなったのが悩みのタネ。映画は新作・旧作問わず、年間100作品以上鑑賞。マイベストムービーは『ゴッドファーザー』だが、実は泣ける映画好き。

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