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子どもが笑顔になる絵本の読み聞かせとは?パパママが真似できる読み聞かせの秘訣~読み聞かせのプロ「聞かせ屋。けいたろう」さんインタビュー後編~

前回のインタビューでは、“読み聞かせのプロ”として活躍する「聞かせ屋。けいたろう」さんのライブレポートと合わせてこれまでの活動を振り返っていただき、「大人も絵本を楽しもう」というメッセージをいただきました。


今回のインタビューのテーマは「読み聞かせの成功の秘訣」。皆さんが普段子どもに絵本を読み聞かせする際に参考となるポイントを、多くの絵本と共にライブ活動を重ねてきたプロならではの目線でアドバイスしていただきます。


>「聞かせ屋。けいたろう」さんインタビュー前編はこちら


読み聞かせの成功は「絵本選び」がカギ

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─家庭で子どもに絵本を読み聞かせしていると「反応が薄いな」と感じることがありますが、考えられる理由としては何がありますか?

「表面的に子どもの反応がないからといって、必ずしも退屈しているとは限りません。実は夢中になって絵本の世界に入り込んでいるのかも! 笑ったり驚いたり明確なリアクションがないと、読み手としては不安にもなりますが(笑)」


─集中しているからこそ静か、ということがあるのですね。

「それ以外に考えられる理由としては、その子に合った絵本をセレクトできていないからかな。絵本には対象年齢があって、作られる目的そのものが違うのです。例えば今日の読み聞かせライブは3歳ぐらいの子どもが多かったので、物語がしっかりしたものよりも気軽に楽しめるポップな絵本をセレクトしました。『おおきなかぶ』という有名な絵本がまさにそうですが、これぐらいの年代の子たちは同じ言葉や同じ行動を繰り返すパターンが大好きなんですよ」


─絵本を楽しいと思う基準が年齢で違うのですか。

「成長と共に洋服のサイズが変わるように、ピッタリの絵本も成長ごとに変わっていきます。文章も長めでじっくり味わうような内容の絵本は、年長さんや小学生ぐらいの子どもの方が、より楽しめるものです。子どもはそれぞれなので、一概には言えないのですが(笑)」


─ということは逆に、3歳よりもっと小さい子にも対象年齢の絵本があるということですね。

「今日のライブで読み聞かせした『おっぱいごりら』は、私の娘が、大のおっぱい好きだったことからアイデアを膨らませた、まさに赤ちゃん(0〜2歳)が喜ぶことを考えて作った絵本です。今年の夏にこの本と『たっちだいすき』を出版するにあたって“何かプロモーション活動をしよう”と考え、『赤ちゃん絵本』というリーフレットを制作することにしました」


─リーフレットを拝見したところ、けいたろうさんが文章を手がけた『おっぱいごりら』と『たっちだいすき』以外にも、『だあれだ だれだ?』『ぴょーん』『こちょこちょさん』『ぶう ぶう ぶう』の4作品が紹介されていますね。

「自分の絵本を広めるというより、赤ちゃん絵本を広めるというスタンスの方が有意義だと思ったからです。世の中には素晴らしい絵本がたくさんあるのに、赤ちゃん向けの絵本があることを知らないパパママが少なくありません。せめて“赤ちゃん絵本”という言葉だけでも一人歩きすれば、赤ちゃんに合った絵本を選ぶきっかけになるはずですから」


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読み聞かせにテクニックは不要!親子で楽しむ気持ちが大切


─これらの絵本を“赤ちゃん向け”としてセレクトしたポイントは?

「例えば『だあれだ だれだ?』の中には、“あむあむあむ”とご飯を食べるシーンがあります。“あむあむあむ”という音感自体が心地いいし、『あむあむしてみようか?あむあむあむ』といった言葉のコミュニケーションのきっかけにもなりますよね。赤ちゃんが自分でめくっても破れないボードブック(厚紙仕様)だったり、まだ視力が弱い赤ちゃんでも見やすいよう絵の黒縁をしっかり付けています」


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─赤ちゃんに対する配慮があらゆる面から成されているんですね。

「音感といえば『ぶう ぶう ぶう』も特徴的。“ぶうぶうぶう”みたいに唇が震える音は、赤ちゃんにとってすごく楽しいんです。また、絵本と同じように“ぶう”と息を震わせれば、赤ちゃんが笑顔になります。こうした親子の触れ合いを促してくれる絵本は本当に素晴らしいし、ぜひたくさんの人が手に取ってくれるよう広めたいですね」


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─そうした楽しい絵本だけでなく、知識の獲得を目的とした絵本もありますが、どのようにお考えですか?

「ともすれば赤ちゃん絵本というのは、“色を教えよう”とか“動物の名前を教えよう”とか知識を目的に絡められがちですが、赤ちゃんにとって絵本は楽しければいい。赤ちゃんが遊んだり親子で触れ合うきっかけになればいいんです」


─数えきれないほどの絵本の中から、自分の子どもに合った絵本までたどり着くのは大変ですが、絵本探しのコツはありますか?

「確かに“何から読むか?”という取っかかりを見つけるのは難しいもの。そんな時は、絵本の催しなどで読んでもらった絵本を手に取ったり、あるいは図書館の司書に相談するのも一つの手段です。そうやってお気に入りの絵本が1冊見つかったら、同じ作家さんの絵本からレパートリーを広げていくといいですよ」


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─絵本の読み聞かせで子どもを引き込むテクニックというのはありますか?

「絵本の読み聞かせにおける大事な目的は、親子で関わり合う時間を持つということ。なので、絵本をちゃんとうまく読もうとする必要はありません。親子共に絵本を楽しむことに専念していれば、絵本の方から内容やテーマを伝えてくれるはずですから」


─大人がキャラクターに成りきって絵本の世界に入り込んだ方が、子どもも絵本に熱中してくれそうな気がしますが?

「必ずしも大人がキャラクターの声色を真似たり、絵本の世界を演じようと頑張る必要はありません。僕もライブでは客観的に絵本を読むように心がけていて、むしろ聞き手の反応や空気感を大事にしています」


─読み聞かせを通じて、読み手と聞き手の間に育む関係性が最も大事ということですね。

「はい。大好きな人が自分のために読んでくれる──それだけで十分。大人が楽しみながら絵本を読めば、子どもも楽しんでくれるものです。あとは、表紙が見えるよう部屋に配置するなど普段から手に取りたくなるような環境を作っていけば、子どもが“絵本を読んでほしい”と思うきっかけになると思いますよ」


─最後に、親子の絵本の付き合い方についてアドバイスがあればお願いします。

「“絵”という漢字は“いとへん”に“会う”って書きますよね。まさに絵本は、人と人を糸で結んでくれるものだと思っています。子どもが年長さんや小学生になると『自分で読めるでしょ』と親が読み聞かせしなくなりがちですが、まだ小さいうちは文字を解読しようとしながら読むので、物語を心から味わえているかというと疑問です。やっぱり子どもにとって絵本は“読んでほしいもの”なんだと思います。だから『読んで』と子どもにせがまれるうちは、どんどん読み聞かせをしてあげてください」


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絵本の読み聞かせにうまい・下手は関係ない。親子で絵本を楽しめばそれでいい──。そう思えるとなんだか肩の荷が下りて、読み聞かせのハードルがグッと下がりますね。

皆さんも子どもの年齢や関心にマッチした絵本を手に取り、親子の絆を育む手段として読み聞かせを活用していってください。




●プロフィール

聞かせ屋。けいたろう

元保育士、JPIC読書アドバイザー。

短期大学の保育学科を卒業後、夜の路上で大人に絵本を読み聞かせるライブ活動を開始。2009年、2010年、2012年に延べ4カ月の渡米公演を経験し、読み聞かせ、絵本講座、保育者研修会と10年以上にわたり日本全国を駆け巡る。「おっぱいごりら」(アリス館)など絵本作家として文章も担当する。

ホームページ http://kikaseya.jp/


●インタビューでご紹介した赤ちゃん絵本

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『おっぱいごりら』『たっちだいすき』文・聞かせ屋。けいたろう  絵・ひろかわ さえこ 出版 アリス館

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『だあれだ だれだ?』文・うしろ よしあき 絵・長谷川義史 出版 ポプラ社

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『ぴょーん』作・まつおか たつひで 出版 ポプラ社

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『こちょこちょさん』『ぶう ぶう ぶう』文・おーなり由子  絵・はた こうしろう  出版 講談社

家men編集部
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この記事は家men編集部がお届けしました!男性視点で家事や毎日がもっと楽しくなるような情報を発信していきます!

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