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【掃除機・洗濯機】その使い方、故障の原因になりますよ!総合家電エンジニアが伝授する「正しい家電の使い方」

生活家電には耐用年数があり、日々使っているうちにいつかは寿命が訪れます。

でも、間違った使い方を続けていると故障につながり、耐用年数よりも早く寿命を迎えることも…。


そこで、延長保証制度の設計・運営を行うテックマークジャパン株式会社の総合家電エンジニア・本多宏行さんに、家電の故障を未然に防ぐ“正しい家電の使い方”を2回にわたって解説いただきます。

第1回のテーマは、年末の大掃除などでいつも以上にフル稼働することが予想される「掃除機」と「洗濯機」です。


ついやってしまいがちな掃除機のNGな使い方


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1.充電式タイプは「電池残量警告ランプ」が点灯したら即充電

最近の掃除機は、電源コードを気にせず掃除できる「充電式スティックタイプ」がトレンドです。そんな充電式スティックタイプ掃除機で注意したいのは、充電池の残量とその取扱方法です。


掃除の途中で「電池残量警告ランプ」が点灯した時に、一度運転を停止した後、電源スイッチを押してそのまま掃除を再開してしまう、あるいは点灯を気にせずそのまま使い続けている時ってありますよね。


ついつい行ってしまいがちな行為ですが、この行為を繰り返してしまうと、充電式電池を早期消耗させる原因となってしまいます。


充電式リチウムイオン電池の鉄則は「電池残量を10%未満にしない」こと。


メーカーは、電池残量が10%未満になる状態を避けるために、電池残量の警告を早めに点灯させるように設定しています。


点灯=電池を使い切ったわけではないので、電源スイッチを入れると動き出すこともありますが、警告ランプの点灯を確認したら掃除は一旦中断し、充電するようにしましょう。

※1度目の電池残量警告ランプが点灯した時点で動作が停まるように設定されている掃除機もあります。


2. スティックタイプは「床ノズル」の取り扱いに注意

スティックタイプ掃除機の手元で持つ部分を本体、床に接触する部分を床ノズル、さらに本体と床ノズルを接続する部分を延長管と言います。


床ノズルの重量はタイプによって異なりますが、床ノズルの回転ブラシが自転動作するタイプや、床への接触を検知すると回転ブラシが自転動作するタイプはそれなりに重量があります。


床ノズルを床から持ち上げた状態で移動させたりすると、床ノズルと延長管の接続部分や延長管と本体の接続部分に大きな負荷がかかり、接触不良や破損の原因となる場合があるのでご注意ください。


スティックタイプ掃除機は延長管を外して本体に直接床ノズルを接続することでハンディータイプに早変わりしますが、ここで気をつけたいのが、本体に床ノズルを接続せずに本体の吸込口から直接ゴミやホコリを吸い取ろうとする行為です。


床ノズルや付属品の隙間ノズルなどが接続されていないと、本体吸込口はかなり大きなゴミやホコリを吸い込める状態となります。


そのつもりはなくても本来掃除機で吸い込んではいけないようなものまで吸い込んでしまう可能性があり、最悪の場合、掃除機本体を故障させてしまいます。


掃除機全般にあてはまることですので、充分に注意しましょう。

※ノズルの吸込口自体が大きく設計されている掃除機もありますが、基本的にノズルなどを接続せずに直接ゴミを吸い込む行為は御法度です


3. 海外メーカー製品は樹脂パーツを丁寧に扱うこと

掃除機の外装には強化プラスチックが多く使われています。

強化プラスチックを成型するためには溶けた樹脂を金型へ流し込むのですが、この金型内部で溶融樹脂同士が合流するときに出来上がるウェルドラインの処理方法が、国内製品と国外製品とで異なります。


国外製品の樹脂部品を観察すると、亀裂のような筋がありませんか?


その亀裂のような筋こそがウェルドラインで、強化プラスチックにおける脆弱部位に該当します


手で触れる程度では分かりませんが、ウェルドラインにはV字の溝があるため、そこに応力が集中すると強度はかなり低くなります


決して国外製品を悪評するわけではありませんが、強度面に関しては国内製品が優位なのは間違いありません。


国外製品の樹脂部分は乱暴に扱わず、丁寧に取り扱うことをお勧めします。もちろん、国内製品であれば少々乱暴に扱っても問題がないということではありませんが…。


洗濯機を傷めないためのコツ

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洗濯機が左右に大きく揺れて、ものすごく大きな音がすることはありませんか?


全自動式洗濯機の場合、洗濯と脱水の両工程を担当するタンク(洗濯物を入れる部位のこと)があります。


水槽に覆われたタンクは洗濯機のほぼ中央で吊るされた状態になっているのですが、防振つり棒に不具合が生じると水槽自体が暴れてしまい、洗濯機が大きく揺れるような現象になってしまいます。


大きな音については、水槽下部に据えられている軸受機構部(※)が原因となっている可能性が高いといえます。軸受機構部は洗濯機の部品の中でも高い方で、修理となると約25,000円ぐらいかかってしまいます。

※軸受機構部:洗濯物を挿入するときに見える、タンク底のパルセーター(回転羽根)を回転させるためのモーター


1. 見えない部分のカビをこまめに掃除

洗濯槽の裏側やパルセーター(回転羽根)の裏側は、石鹸カスなどの付着が多い場所であり完全な乾燥も難しいため、カビが発生しやすくなります。


カビは洗濯機のイヤな臭いの原因にもなりますが、最悪の場合、カビが発生している部品をすべて交換しないかぎり異臭などの改善ができないことや、カビなどを落とす際に傷みやすい部品も多いため破損させてしまうことも…。


これらを考慮すると、やはり定期的なメンテナンスが不可欠です。


<主なお手入れ方法>

●洗濯機を使用した後に乾いたやわらかいタオルなどで水気をふき取る

●各種フィルターは毎回取り外して掃除する

●洗剤・柔軟剤入れは可能なかぎり取り外して乾燥させておく

(次回の洗濯まで取り外しておく)

●定期的に洗濯機内部を専用の薬品で洗浄する


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2. 定められた洗濯・脱水容量は守ること

ついつい洗濯物がたまって、洗濯機いっぱいに衣類を入れて洗うことがありますが、取扱説明書に記載されている洗濯・脱水容量はしっかり守らないとモーターへの負担が大きくなり故障につながります


だからといって、少量の洗濯物を数回に分けて行うことは省エネという観点で考えると妥当ではないように思えます。では、洗濯容量を目一杯にして使うのであれば容量オーバーではないため問題はないのでしょうか。


洗濯機の寿命は、高負荷な洗濯回数に比例すると考えても間違いではないと思うので、洗濯用量の70%ほどで洗濯することが、高負荷も抑えられ、洗い落としも効果的だと考えます。


衣類の詰め込みすぎはモーターへの負担だけでなく、洗剤がしっかり溶け込まない原因にもなりますので、汚れは落ちなくなります。


正しくは取扱説明書を熟読し、省エネ効果の得られる機能なども積極的に活用して上手に使いましょう。

掃除機と洗濯機の正しい使い方をご紹介しました。


年末の大掃除や正月休み明けのまとめ洗いなど、よりいっそう活躍してもらうシーズンに使えなくなっては大変!


突然の故障を未然に防ぐためにも、今回ご紹介した正しい使い方をぜひ実践してみましょう。

本多宏行(総合家電エンジニア)

本多宏行(総合家電エンジニア)

テックマークジャパン株式会社 オペレーション部クレームチーム チーフ 。大手自動車ディーラーでメカニックを経験した後、1999年に延長保証会社、テックマークジャパンへ入社。一貫して、延長保証の修理精査業務に携わっている。多種多様な家電製品の幅広い専門知識が必要となる「総合家電エンジニア」資格を保持し、チームを牽引。取り扱い製品は、家電全般、住宅設備(給湯器、換気扇、温水洗浄便座等)、パソコン、車など多岐に渡る。 ※修理精査業務とは、延長保証を利用した製品の修理に対し、修理内容が保証の対象かを判断する業務。各種対象製品の機能に加え、故障原因や修理についての幅広い知識が求められる。

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