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バレンタインデーに夫婦で見るならこの映画 | 『エターナル・サンシャイン』『(500)日のサマー』

甘ったるくないラブストーリーを見ながら夫婦の距離を縮めよう


街中がロマンティックなムードに包まれるバレンタインの季節が今年もやって来ました。


普段は恋愛映画を見ないという男性も少なくないとは思いますが、この日ばかりは、いやこんな日だからこそ、女性が大好きなキュンとする恋愛映画を夫婦で鑑賞し、奥さんとの距離をグッと縮めてみませんか。


とはいえ、コテコテの純愛映画だと見ていて恥ずかしくなる…という方のために、斬新なビジュアルや凝った演出が印象的な2作品『エターナル・サンシャイン』『(500)日のサマー』をオススメします。


辛い記憶を消すことで“愛の原点”を再確認『エターナル・サンシャイン』

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この作品は、恋愛映画としてかなり奇想天外!


ケンカ別れした元恋人クレメンタイン(ケイト・ウィンスレット)のことをキレイさっぱり忘れてしまいたいジョエル(ジム・キャリー)が、なんと特定の記憶だけを消せる“記憶除去手術”を受けるのですから。

さすが、ぶっ飛びコメディ『マルコヴィッチの穴』の脚本家チャーリー・カウフマンが共同執筆を務めただけのことはあります。


ぶっ飛んでいるのは物語だけではありません。

クレメンタインに関する記憶を次々と消されていく主人公ジョエルの脳内が、大胆な映像表現でビジュアル化されていくのですが、人間の顔が消えたり家屋が崩壊したり、2人で寝転ぶベッドが一面雪の砂浜に突如出現したり…。すべてがシュールかつエキセントリックで驚きっぱなし!

ビョークのミュージックビデオで一躍評判を集めた奇才ミシェル・ゴンドリー監督の本領発揮です。


こうした自由奔放なイマジネーションを存分に堪能していくうちに、その根底に息づく物語のテーマが少しずつクッキリと輪郭を帯びていきます。


最初は元恋人のことを忘れたくてしょうがなかったジョエルですが、別れる原因となった嫌な出来事の記憶が消え去っていくごとに、初めて彼女と出会い惹かれ合っていった日々の素敵な思い出が蘇ってくるのです。

かけがえのない思い出の瞬間をたどっていくごとに元恋人への愛を再確認していき、「この記憶は消さないでくれ!」と思わず叫ぶジョエルの心情に胸が痛くなる…。


たとえどんなに愛し合った男女でも、仲違いすることはありえます。

逆に言うと、どんなに険悪な関係に陥った男女でも、お互いに惹かれ合った頃の気持ちを思い出せればやり直せるはず。


奇想天外であり切ない逆回転ムービーを鑑賞しながら、夫婦それぞれの“愛の初心”を思い出してみませんか。


運命の愛を信じるか信じないか──議論が盛り上がる『(500)日のサマー』

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もう1つオススメしたい“男性も見やすい恋愛映画”は、ロマンティック・コメディの王道をことごとく外した異色作『(500)日のサマー』。


冒頭で「これはボーイ・ミーツ・ガール(男女の出会い)の物語だが、愛の物語ではない」と宣言されるように、運命の恋を信じる草食系男子トム(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)と、真剣な恋なんて信じない不思議系女子サマー(ゾーイ・デシャネル)の決定的なすれ違いが物語のテーマです。


気になる女の子の思わせぶりな言動に一喜一憂したり(自分の好きなアーティストを「私も好きよ」なんてキュートに言われたら無理もない!)、気のない素振りに勝手に気分が滅入ったり…。

そんな恋する者なら誰もがハマるドツボが、徹底して主人公トム=男性目線で描かれるのだから共感せずにいられません。


そしてこの作品もまた、『エターナル・サンシャイン』に負けず劣らず映像が独創的!

恋に浮かれるトムの有頂天ぶりをホール&オーツの楽曲でミュージカル風に描いたり、すれ違っていくサマーとの関係を“妄想と現実”が同時進行する分割画面で表現したり、恋に振り回される男子の心情が実験的な表現によっていっそう甘くビターに伝わってきます


そう、この作品は一人の青年が叶わぬ恋にもがき苦しむことで愛のカタチを探究していく、まぎれもない“愛の物語”


結婚したら普段は愛について語り合う機会なんて少ないと思いますが、極端なほど正反対なトムとサマーの恋愛観をネタにすれば、鑑賞後の夫婦の会話も盛り上がるはず。

さらに、共感必至な主人公トムに自分を重ねて鑑賞するうちに、彼の“恋する男子目線”があなたのパートナーへの視線へと重なることでしょう。


『エターナル・サンシャイン』 (2004年) /アメリカ/ 上映時間:107分

『(500)日のサマー』 (2009年) /アメリカ/ 上映時間:96分

上村 真徹(ライター・編集者)
上村 真徹(ライター・編集者)

家庭では妻の笑顔と娘の成長を最大の生きがいに、週末の料理やデザート作りで家族の胃袋をつかんでいる。最近は娘が成長し、以前ほど甘えてくれなくなったのが悩みのタネ。映画は新作・旧作問わず、年間100作品以上鑑賞。マイベストムービーは『ゴッドファーザー』だが、実は泣ける映画好き。

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