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『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』 | かわいい子には冒険をさせろ

コンプレックスに悩む子どもに自信を与えたい


SMAPの名曲「世界に一つだけの花」は今や学校の合唱曲の定番になり、他人とは異なる一人ひとりの個性を肯定するポジティブな歌詞は、きっと子どもたちの胸にも刻み込まれていることでしょう。


そうは言ってもやっぱり人間だから、どうしても他人と比べて「自分は劣っている」とコンプレックスを抱きがち


そんな子どもたちのネガティブな気持ちを変えられるよう、アドバイスしたり背中を押してあげたい──という親心にピッタリのアドベンチャー映画『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』を今回はご紹介します。


現実の自分とは正反対のゲームキャラに変身!


この作品は、1995年の冒険映画『ジュマンジ』の続編です。

“ボードゲームでのプレイ内容が実際に起きる”“クリアするまでゲームの世界は終わらない”という基本設定だけを踏襲し、キャラクターもゲーム内容も現代的かつスケール満点にアップデートしています。


ここで注目したいのが、新たなゲーム(前作の古臭いボードゲームからファミコン風のTVゲームへ進化!)にチャレンジする高校生4人のキャラクター像です。

気弱なゲームオタク、シャイなガリ勉少女、運動神経だけが取り柄のアメフト部員、うぬぼれ屋なインスタ大好き美少女。

そんな彼らがそれぞれ問題を起こし学校で居残りさせられ、たまたま見つけたTVゲームをプレイしたことから、危険なジャングルが広がるゲームの世界に取り込まれてしまいます。


その際、4人はプレイ前に選択したゲームキャラに変身するのですが、その姿が彼らのコンプレックス(あるいは長所・短所)の裏返しとなっているのが興味深い

例えば、貧弱なオタク系男子は筋肉番長ドウェイン・ジョンソンに見た目が変身したのに内面は軟弱なまま。逆に、イケてる美少女はヒゲ面中年ジャック・ブラックに変身し、自分の取り柄を奪われてしまいパニックに!


そうしたギャップ満点のドタバタでユーモアを誘う一方、現実世界とは真逆のゲームキャラに扮して冒険することで、彼らはこれまで目をそらしてきたコンプレックスや自分に欠けているものと向き合うことになります。


インスタ大好き女子は人間の内面の大切さに気づき、オタク系男子は失敗を恐れない勇気を手にしていく──。

思春期特有のコンプレックスの克服がサイドストーリーとして利いているので、団結しながら危険な課題をクリアしていく4人のスリリングな冒険劇がいっそう痛快さを増し、見る者の胸を熱くします。


“変わるべきこと”と“そのままでいいこと”


もちろん、主人公の高校生4人はずっとゲームキャラの姿で生活できるわけはなく、ゲームをクリアすれば現実世界の姿に戻ります。


でも、自分に欠けているものと正面から向き合った彼らは、もうこれまでとは別人です。

冒険を通じて自信を得て、「ここは変わらなきゃ!」「ここはありのままの自分でいい」と自覚した4人の成長は、同じように何らかのコンプレックスを抱える子どもたちの胸に刺さり、勇気を与えてくれることでしょう


みんなと違っていてもいい。

そして変わろうと思えばいつでも自分を変えられる。

そんなポジティブなメッセージが込められたアドベンチャー映画を親子で一緒に手に汗握りながら鑑賞し、見終わった後は作品のテーマについて語り合ってみてください。


もちろんこうしたメッセージ性だけでなく、娯楽アクション大作としても理屈抜きに楽しいのでオススメ!

ライフ3回分までは失敗しても復活できるなど、TVゲームらしさあふれる世界観に大人も子どもも夢中になることでしょう。


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『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』 (2017年) /アメリカ/ 上映時間:121分

© 2017 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.

上村 真徹(ライター・編集者)
上村 真徹(ライター・編集者)

家庭では妻の笑顔と娘の成長を最大の生きがいに、週末の料理やデザート作りで家族の胃袋をつかんでいる。最近は娘が成長し、以前ほど甘えてくれなくなったのが悩みのタネ。映画は新作・旧作問わず、年間100作品以上鑑賞。マイベストムービーは『ゴッドファーザー』だが、実は泣ける映画好き。

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