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自分の居場所が欲しいなら、今すぐデスクを捨ててみよう

家に居場所がない。

家に帰りたくない。


と、嘆いているオトコがいるという。

そうして、仕事が終わってもすぐ帰宅せずにフラフラしてから帰るフラリーマンがいるんだっていうことは前回触れました。


一方で、

家が好き。早く家に帰って家族と一緒に過ごしたい。


そんなふうに毎日のように家路を急ぐオトコもいる。


両者は一体何が違うんだろう?

どうして、一方は家に居場所がないのに、一方は家を居場所にすえられているんだろう。


家「に」居場所を作るんじゃない。家「を」居場所にするんだ!


僕は普段、子育て家庭のためのモヨウ替えコンサルティングというサービスを行っています。

家事育児がやりやすい動線を考えたり、お子さんのフェーズによって変わってくる部屋の役割を見直したり、それらをご夫婦で一緒に取り組みながらお互いのパートナーシップを確認し合うサービスです。

その関係で、普段から様々なご夫婦とお会いします。


そうすると、男性のタイプはハッキリと2つに分かれるのを感じるのです。


①家の中に自分の居場所を作りたいタイプ

②家を自分(たち)好みに作り変えたいタイプ


前者は、納戸や書斎など小空間でも構わないから家族から離脱する、自分だけの場所を家に欲している男性が多い。そして、その場所以外にはあまり興味がない傾向があります。


後者は、家族の中にいる自分がどれだけ心地よく過ごせるかを考えています。なので、家全体への興味関心が高いのが特徴。


家族の中に居場所を作るなら、今すぐ「デスク」を捨ててみよう


「デスク」とは、机という直接的な意味だけでなく「家族から逃げる場所」というメタファーです。


実際には家の中で仕事をすることが多かったり、家族とは共有しづらい趣味(筋トレやDIY、株や絵を描くなど様々)に没頭するためのスペースが必要であったりもします。そういった「アトリエスペース」があることで、家族間のコミュニケーションバランスを保っているご家族もいらっしゃいます。


このようなハッキリと使用目的の決まっている「アトリエ」については家族からの理解も得やすいし、ある意味必要な空間と言えます。


問題なのは「たいして使用頻度も高くないのに、何となく心の拠り所になっている書斎」「ほぼ物置のような状態なのに、そこがなくなったら俺の場所が一切なくなると思って半ば意地で死守しているワークデスク」など。なんだか、そこがなくなったらいよいよ家の中に居場所がなくなっちゃうんだよ、という悲壮感を漂わせているスペース。そういったスペースの代表格が「デスク」なのです。


デスクの代わりに生まれた居場所

デスクの代わりに生まれた居場所


「そんな少しの場所まで奪わないでくれ!!」と言う嘆きの声が聞こえそうですが、そのスペースがなくなって問題になったケースを、僕は1人も知りません。


物理的に収納スペースが必要なら、「デスク」の代わりに本棚やチェストの方が、収納効率は圧倒的に高いです。その分を収納スペースとして活用して、LD(リビング・ダイニング)や他のお部屋が広く快適に使えるようになれば、住み心地よく感じるようにならないでしょうか。


例えばLDに空間が生まれたことで、パーソナルチェアを置けるようになったケースもあります。僕は、家の中の自分だけの引きこもりスペースではなく、家族の空間の中に自分の椅子があってそこで過ごすことが、贅沢で充実した自分の居場所づくりになるのではないかと思っています。


また、「デスク」を使いこなせていないことから来る気持ちのモヤモヤが晴れたり、「デスク」1つなくなっただけでこんなにも空間にゆとりが生まれるのかと感動したりもします。処分するのはちょっと…という場合は、サイズをコンパクトにしてみるのもおすすめです。幅120cmもある大きなデスクを半分の幅60cmにしただけで圧迫感がなくなったり、家族にも喜んでもらえたり。案外デスクサイズもその程度で充分だったりするかもしれません。


ある意味では「デスク」を処分するというのは断捨離のような効果もあるのでしょう。その結果、デスク(書斎など)を処分された男性たちはスッキリされて、暮らしやすく、心地よく生活をできるようになっていたりします。


家「を」居場所にしよう!


家を居場所にしている男性たちに共通しているのは、家庭へのコミット力の高さではないかと思います。

それは家にいる時間が長いとか、家事育児をバリバリやっているなどとは少し違います。


彼らの特徴は「どうしたら家族(自分も、妻も、子どもも)が暮らしやすくなるかな?」という視点。これを前提に、妻とのコミュニケーションを取っているのです。


一方、家に「デスク」のような居場所を作ろうとするパパは、「自分」という視点が強いように感じます。

「俺は困ってないよ」「俺は別に気にならないよ」「俺は…」と、自分が家族の中の一員ではなく、家族&自分のような単独意識があるのではないでしょうか。


もちろん、自分を押し殺せ、ということではありません。家族の中に自分もしっかり含めた上での家族視点を持つことが家を居場所にするための出発点ではないかと思うのです。


最後に

とはいえ、「男性だって1人になる場所が欲しい」ですよね。(女性だって欲しいと思いますが!)

でも、実は1人になるために必要なのは「場所」じゃなくて「時間」だったりするのです。


子どもが眠った後の夜の時間。または家族がまだ眠っている早朝の1時間。その間はリビングでもダイニングでも和室でもゆっくり本を読んだりゲームをしたりできます。

居場所は空間だけでなく、時間を作ることでも生み出せることを忘れないでいてください。


次回は「デスク」を失った男性が、家の中で自分のための場所をどこから作っていったらいいかをお話しします!


『男の居場所を創る』その他の記事はこちら>

三木智有

三木智有

日本で唯一の家事シェア研究家 / 子育て家庭のモヨウ替えコンサルタント / 内閣府「男性の暮らし方・意識の変革に関する専門調査会」委員 フリーでのインテリアコーディネーターを経て、2011年に男性の暮らし方を変えていきたいとNPO法人tadaima!を設立。”10年後、20年後も「ただいま!」って帰りたくなる家庭にしよう!”をスローガンに家族の家事シェアを当たり前にする活動を行っています。

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