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家事で生じる夫婦のすれ違いを解消するには? 暮らしの専門家に聞く「食事の後片付け」の基本

共働き世帯・専業主婦世帯問わず、洗濯・掃除・食器洗いなどの家事シェアに励んでいる方も多いかと思いますが、その際パートナーに「やり方が違う」と指摘されたり「○○ができてない」とやり直されたり、険悪なムードになったことはありませんか?


実はこのように、夫婦の片方が「やったつもり」の家事内容に対してパートナーが「できてない」と不満を抱くケースは少なくありません

ライオン株式会社が2016年に行った調査(※)でも、家事シェア割合において夫の「やっている」という自己申告と、妻の「夫がやっている」という認識との間に大きなギャップがあることが判明。なかでも「食事の後片付け」において夫婦間のギャップのポイント差が最大だったそうです


こうした家事を巡る夫婦間のギャップはなぜ発生するのか?

そしてギャップを解消するにはどうすればいいのか?


そこで今回は、快適な暮らしを実現するための生活情報を提供する「ライオン快適生活研究所」のリビングケアマイスター、杉本美穂さんにインタビュー。

特に夫婦間の意識のズレが大きい「食事の後片付け」を中心に、ギャップの原因と解消へのヒントを語っていただきます。


「やったつもり」と「できてない」のすれ違いが生まれる原因は?

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─夫婦間での家事に対するやり方や考え方のすれ違いは、なぜ起きるのでしょうか?

そうしたすれ違い現象をライオンでは「家事ギャップ」と呼んでいるのですが、夫婦いずれかに負担が偏る「家事負担量のギャップ」、家事をしたのにやったと認められない「家事負担意識のギャップ」、家事に前向きな気持ちになれない「家事の不満のギャップ」が特徴として挙げられます。

今回のテーマが該当するのは「家事負担意識のギャップ」。その主な原因は、何のために何をどう行うかという“家事の定義”が個人によってまったく異なるためです。


─つまり「この時点から始めて、ここまでやれば終わり」「このやり方で大丈夫」といった家事の定義が、夫婦間でも異なりうるということですね。

そうです。家事のやり方は学校で詳しく教えてもらうものではなく、それぞれの家庭で見よう見まねで実践しているケースも少なくないので、どうしても人によって定義のギャップが発生しがち。なかでも、男性の家事参加率が高くて結果も見えやすい「食事の後片付け」「洗濯」でその傾向が顕著です。


─具体的にどのようなギャップが課題として挙げられますか?

ライオンで「食事の後片付けの工程ごとの実施率」を夫婦それぞれに尋ねたところ、8割以上の妻はすべての工程を行っているのに対し、夫は実施率44%の「食器を洗う」の後の作業は、20〜25%と半減。

つまり「ここまでやって終わり」というゴールの認識に夫婦でズレがあるということです。これこそが家事ギャップの大きな問題だと思います。


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─そうした家事ギャップを埋めるにはどんな対策が有効ですか?

家事のやり方について「我が家のルール」を決めておくことがオススメです。

ライオンでは全国の自治体や企業と組んで家事ギャップ解消セミナーなどを開催していて、参加者には家事における“約束事”を「我が家のルールブックをつくろう」という用紙に記入してもらっています。

このように家事の定義やこだわりポイントを見える化すれば、夫婦で共通のやり方を共有でき、家事ギャップの解消につながりますよ


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─やはり夫婦の意思疎通にはコミュニケーションが不可欠ですね。

とはいえ、自分のやり方が正解という考えにこだわりすぎると、せっかく話し合っても「我が家のルール」を合意できません。話し合いを通じてお互いの家事のやり方を客観視し、夫婦にとってベストの形を模索するといいですよ。


─他にもオススメの家事ギャップ解消策はありますか?

家事のやり方についてパートナーにあれこれ口出しをしすぎると、先ほど挙げた「家事の不満のギャップ」、つまりモチベーション低下の原因となります。共通のルール作りとは逆の発想で、夫婦で家事の役割分担を完全に固定し、お互いに相手のやり方に一切手も口も出さず任せることも1つの方法ですよ。


“食器を洗う”だけではない「食事の後片付け」基本工程


夫婦間の家事ギャップ解消法として“共通のルール作り”などを提案いただきましたが、とはいえ正しいやり方を知っていないことには、家事の最終結果を巡るパートナーの不満までは解消しきれないかも…。

というわけで、家事ギャップが特に生じやすい「食事の後片付け」の基本工程とコツを、引き続きリビングケアマイスターの杉本美穂さんに解説いただきます。


食事の後片付けを「食器を洗うだけ」と思う方もいるようですが、それは「食器洗い」という言葉のせいかもしれません。


実は食事の後片付けには、まず、食べた食器を運ぶことから始まるのはもちろん、最後はシンクをきれいにするなどさまざまな工程が含まれています。

それぞれ押さえておきたいコツがあるので、工程ごとに説明していきましょう。


1. 食器をシンクに運ぶ


まずは材質・形・汚れの程度を基準に、例えば「壊れやすいものは別にまとめる」「大きさが似たものをまとめる」というふうに洗い物を仕分けし、洗う際の効率的な段取りを考えながら食器を運びます。

汚れたままの食器を重ねてしまうと、汚れていない場所にまで汚れが広がって洗う手間が増えるので注意しましょう。


2. 食器の前処理

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お皿にベットリついたカレーなど、油汚れのひどいものはキッチンペーパーであらかじめ拭き取ってください


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ご飯粒など乾くとこびりつきやすい汚れは、水につけてふやかしておくと、洗う際に落としやすくなります。油汚れが目立つ食器は、水の中に洗剤をちょっと垂らしておくといいですよ。


3. 食器を洗う

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まずは壊れやすいガラス類や包丁のような危険な道具から始めて、そのあとは油汚れの少ないものから多い食器の順に洗います。

研磨粒子が入った固い面でグラスなどを洗うと傷つくおそれがあるので、適したスポンジを使い分けましょう。


4. 洗った食器をすすぐ

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食器をすべて洗い終わってからまとめてすすぐと、節水にもつながり効率的。水よりも蒸発しやすいお湯ですすぐと、この後の水切りが手早く済むのでオススメです。

「すすぎ」の際に水道の水圧だけで泡を落とそうとする方がいますが、それでは食器の汚れ落ちが十分に確認できず、洗い残しの原因となります。片手で食器を持ちながら、もう片方の手で洗い上がりを確認しながらすすぎましょう


5. 食器を乾かす

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すすぎ終わった食器を水切りカゴに入れて乾かします。

この際、食器がピタッと重なっていると水切れが悪くなるので、空気が通る隙間が空くように傾けながら立てるのがポイント。限られたスペースをいかに効率よく使うか──まさに3Dパズルです。


6. 生ゴミの処理


前述の調査では男性の「食事の後片付け」実施率がこの工程から少なくなっていましたが、放置しておくととキッチンに2次的な汚れやニオイが発生する原因となります。

三角コーナーやストレーナーにたまった生ゴミは密封して捨て、そのたびに洗うようにしましょう。


7. シンクの掃除

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シンクに汚れが飛び散ったままにしておくと水滴が残りやすくなります。食器洗い用と同じスポンジか、衛生面で気になる方はシンク用のスポンジを別に用意し、洗剤で掃除してください。


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水で泡を流し落としたら、シンクに水垢が付かないよう水滴を拭き取りましょう。


8. スポンジの除菌


食器洗いが終わって泡が残ったスポンジを「除菌ができる洗剤だからそのままにしておく」だけで除菌したつもりになっていませんか? これは、衛生的にオススメできません。

使い終わったスポンジは1度洗って水を絞ってから、改めてスポンジ除菌のできる食器用洗剤を付け、スポンジをもんで洗剤をまんべんなく浸透させ置いておきましょう。


家庭で起きやすい「家事ギャップ」の原因と解消法、そしてそのギャップが顕著な「食事の後片付け」の基本工程とコツを伺いました。


今回のインタビューで痛感したのは、個人によって異なる“家事の定義”を夫婦間ですり合わせる重要性。また、「食事の後片付け」の基本手順を改めて教えていただくことで、各工程には1つずつちゃんとした意味があり、いずれも欠かせない手順ということを再認識しました。


皆さんもまずは正しい「食事の後片付け」から手始めに、夫婦いずれも納得できるやり方を共有・実践し、楽しくてやりがいのある家事シェアを実現してみませんか。


※ライオン株式会社「夫婦の家事分担に関する意識・実態調査」

https://lion-corp.s3.amazonaws.com/uploads/tmg_block_page_image/file/3566/20161006.pdf


<専門家プロフィール>

ライオン株式会社

リビングケアマイスター

杉本 美穂

消費生活アドバイザー。家事関連の製品企画・マーケティングを約20年、生活者向け講習会などを約10年経験。毎日大変な料理や食事の後片付けなどを手早くラクにできるよう、役立つ情報をわかりやすく提供している。

家men編集部

家men編集部

この記事は家men編集部がお届けしました!男性視点で家事や毎日がもっと楽しくなるような情報を発信していきます!

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