相手を許せない原因は、自分だけの『べき』──お互いの〇〇を許容すれば夫婦喧嘩は減っていく

怒りの取り扱いアドバイザーの稲田尚久です。


前回の記事では、妻の心の中を察して共感することの大切さについてお伝えしました。


  妻の怒りの導火線へ火をつけないために!妻への共感力アップが夫婦円満の秘訣 何気ない一言で妻の怒りに火をつけないためには、どうすればいいのか? そのキーワードは「心のコップ」と「共感」です。怒りの取り扱いアドバイザーのいなっち先生が、妻の気持ちに共感するコミュニケーションのコツを解説します。 家men


さて今回は、アンガーマネジメントにおける“3つの暗号”の2つめ。『思考のコントロール』についてです

怒りの感情をコントロールして夫婦喧嘩までいかないようにするためには、どう考えていけばいいのか? お互いを許容し合って生活することの秘訣についてお伝えします。


ビールを飲んだ後、缶を運ぶ運ばないでプチ夫婦喧嘩

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まずは次の会話を読んでください。3年前に妻との間で起きた出来事です。


妻「焼酎を取りに台所へ行ったついでに、ビールの缶を捨てたらどう?」

僕「後で捨てようと思ってたよ!いつも捨ててるんだから、言われたくない!」

妻「ついでに持っていけばいいと思ったから、提案しただけでしょ!」

僕「宿題をしようと思ってたら、親に注意されてやる気がなくなった中学生の気分だ!」

妻「あなたは中学生じゃないでしょ!どうして“はい持っていきます”って言わないの?」


まるで親子喧嘩ですね(笑)

この頃の私はすでにアンガーマネジメントファシリテーターとして活動を始めていましたが、まだこういったプチ夫婦喧嘩もたまにありました。


さて、この会話のどこがまずいのか、あなたは分かりましたか?


自分の『べき』をぶつけ合うから夫婦喧嘩になる

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第1回の記事で書きましたが、私たちには「こうあるべき」「こうするべき」といった、自分の中では正しいと信じている理想や願望を持っていて、アンガーマネジメントではこれを『べき』と呼んでいます。

そして、夫の『べき』と妻の『べき』に大きなギャップが生まれると、相手を許せなくなって怒りの原因となってしまうのです


自分の『べき』に強くこだわりすぎると、相手のやることなすことに対していつもイライラしてしまいます。

夫婦喧嘩の場合、こうしたお互いの『べき』がぶつかり合い喧嘩になっていくことが多いのではないでしょうか?


そこで必要なのは、お互いの『べき』を許容する気持ちです


今回紹介した私たちのプチ夫婦喧嘩を振り返ってみると、何がマズかったのかが見えてきます。それは、私も妻も自分の『べき』を主張しているからなのです。


■妻の『べき』は?

・自分で飲んだビールの缶は自分で捨てるべき

・私は仕事から帰って夕食作って洗い物までやっているのに、少しは私の気持ちを理解するべき

・言われたことは素直に聞くべき


■私の『べき』は?

・仕事で疲れてるからゆっくり飲ませるべき

・言われなくても後で缶を捨てるのだから、言わずに信じておくべき


こういったお互いの『べき』を主張し合うだけではぶつかってしまいますし、お互いに納得がいきませんよね。


怒って後悔しないための『思考のコントロール』


そこで、アンガーマネジメント3つの暗号の2つめ『思考のコントロール』に従って、次のように考えるといいです。


1.目の前で起きた出来事に対して反射せず、まずは『6秒』待つ

2.その出来事は、自分の考える『べき』と違うが、

①許せる

②まあ許せる

③許せない

のどれなのか考える

3.①と②ならば、いつも『怒らない』ことだと決める。

4.③ならば、『怒る』ことだと決めて行動する


こうやって冷静に考えれば、「妻は仕事から帰って夕食を作ってくれているのに、自分はただ食べてのんびりするだけだから、少し小言を言われたくらいで反発するべきではない」と思うことができました。つまり、②の『まあ許せる』に入れておけば良かったわけです。


前回の記事で伝えたように、妻の心のコップは「疲れ」「しんどい」といったネガティブ感情でいっぱいなわけですから、それを察しておくことが大切です。そう思えると、妻に対してイラッとして反論する必要もなかったわけですよね。


しかも私は、怒って後悔してしまいました。

怒って後悔、怒れなくて後悔──『怒りの感情で後悔しない』ということが、アンガーマネジメントのポイントです。

ですから、次回からこのような出来事があったときには、②の『まあ許せる』に入れて『怒らない』と心に決めたのです。


アンガーマネジメントは心理トレーニング。こうやって失敗した出来事も振り返って、少しずつできるようになっていけば良いのです


お互いの主張や立場を大切にする主張を心がける

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さらに、自分の気持ちを怒らずに伝えられるようにもなっておけるといいですね。


お互いの主張や立場を大切にした自己主張・自己表現で『アサーティブコミュニケーション』という方法があります。この方法は、自分の気持ちを伝え、相手とのコミュニケーションを成立させるのに有効です。


意識するポイントは次の4つです。


①相手の気持ちに共感する

例:「君も疲れて帰っているのにご飯作って洗い物までしてくれて、本当にありがとう」

②『私』を主語にして、気持ちや感情を伝える

例:「僕は今日は特別仕事で疲れてて、もう少しゆっくりしたい」

③相手ができそうな提案を伝える

例:「あとで必ず缶は捨てるから、今はそっとしておいてくれる?」

④提案を受け入れてくれたら、感謝や喜びを伝える

例:「ムリを聞いてくれてありがとう!」


いかがでしょうか?

アサーティブコミュニケーションは夫婦に限らず職場でも活用できますから、普段から意識してみてください。


お互いを許容する気持ちを大切にする


先ほどのプチ夫婦喧嘩ですが、客観的に見れば僕の方が楽をしています。でも妻は私のことを理解してくれていました。


当時、現役中学校教師だった私が毎日の仕事で大変なことを妻は理解し、夕食後にゆっくりすることは許してくれていたんですよね。妻からすれば『②まあ許せる』に入れてくれていたわけです。

だから妻も「焼酎を取りに台所へ行ったついでに、ビールの缶を捨てたらいかがでしょうか?」と優しく伝えてきたわけです。


こうやって夫婦は相手の『べき』に対して許容する気持ちが大切になってきます。


『べき』というのは、その人だけが正しいと思っていることもたくさんあるので、時には自分の『べき』を振り返って「これは本当に必要なことなのか?」「自分の勝手な思い込みじゃなか?」など、考えるようにしておけるといいですね


まずは今日から、妻へ求める自分の『べき』を考えてみましょう。きっと、どうでもいい『べき』が多くあるはずですよ。


「夫婦喧嘩はアンガーマネジメントでうまくいく。いなっち先生の「怒りの取り扱い講座」」他の記事はこちら>


※掲載する情報はすべての方にそのまま当てはまる内容ではありません。

それぞれの夫婦関係や事例に沿った方法でご活用ください。

稲田尚久(怒りの取り扱いアドバイザー)
稲田尚久(怒りの取り扱いアドバイザー)

一般社団法人日本アンガーマネジメント協会認定アンガーマネジメントファシリテーター。 1970年岡山県真庭市生まれ。名古屋芸術大学絵画科洋画専攻卒業後、愛知県の中学校に講師として1年間勤務し、翌年帰郷。岡山県の公立中学校教諭として23年間勤務。24年間の教師生活の22年間を学級担任として、700組以上の多感な思春期の子どもと保護者へ寄り添ってきた。 2017年4月、『怒りの取り扱いアドバイザー』として独立。 アンガーマネジメント、叱り方、伝え方、聴き方を中心に、子育て、教育、コミュニケーション、メンタルヘルス、ハラスメントといった分野の講演や研修を行っており、年間120本以上をこなしている。また、産業カウンセラーとして、官公庁や企業、個人へのカウンセリングも行っている。 教師経験を活かした内容と豊富な事例。自身がイライラを家族へぶつけてきた父親としての反省を活かした内容に共感を呼び続けている。失敗経験を包み隠すことなくおもしろおかしく伝えることで、笑いながら楽しく学べる内容に定評あり。元中学校教師が教える「思春期の子育て」 https://ikariadviser.com/  

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