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『オンリー・ザ・ブレイブ』 | 大切な人たちを守るため空前の山火事と戦った実在の英雄たち

男はいつだってヒーローに憧れる


誰もが一度は映画やマンガの主人公に憧れ、「自分もヒーローになりたい」と思ったことがあるはず。

でもたいていの人は、フィクションのキャラクターのようにずば抜けたパワーを持っているわけではなく、憧れを憧れのままにとどめて育ったのではないでしょうか。


でも普通の人間だって、その気になればヒーローになれるのです!

その証明となる作品を今回はご紹介します。アメリカに実在した森林消防隊を描くスペクタクル・ドラマ『オンリー・ザ・ブレイブ』です。


強い絆で結ばれた“名もなき勇者”たちの活躍が熱い!


高温少雨かつ空気が乾燥したアメリカの山林地帯で、毎年のように起きている大規模な山火事。こうした災害をなんとか最小限に食い止めようと、全米各地で名もなき森林消防隊員たちが奮闘しています。


その中でも極めつけのエリートが“ホットショット”と呼ばれる農務省の精鋭部隊。アリゾナ州プレスコット市の森林消防隊を率いるマーシュは「いつか自分たちもホットショットになりたい」という夢を抱いていました。


そんな中、恋人の妊娠をきっかけに更生しようと決意した前科者マクドナウを新たなメンバーに加え、マーシュたちは地獄のような訓練をひたすら積んでいきます。

そんな彼らの実力を認める市長の後押しもあり、マーシュたちは実際の山火事で認定審査を受けることになり、地方自治体の消防隊としては前例のない“ホットショット”への昇格を果たすのです──。


火災に挑む男たちを描いた映画といえば『バックドラフト』が思い浮かびますが、『オンリー・ザ・ブレイブ』もそれに劣らず熱い戦いや人間ドラマが繰り広げられます。


この作品の森林消防隊員たちは、普段は仲間とふざけたり最愛の家族との時間を大切に過ごす、どこにでもいる男たち。

そんな彼らがいざ火災が起きるや、街の人々を守る使命をまっとうするため危険を顧みないのだから、まさに等身大のヒーローの極みです。


しかもただ火の海に飛び込んでいくだけでなく、火災が広がっていく動きを読んで野焼きを行い、迎え火によって火災を抑え込んでいくプロフェッショナルぶりはカッコいい!の一言に尽きる。

強い絆で結ばれたチームの果敢な活躍と勇気は、見ているだけで心がワクワクと高揚させられ、自分だってヒーローになってみせる!と背中を押されることでしょう。


葛藤を乗り越えた末の決意が男をヒーローにする

オンリー・ザ・ブレイブ,実話,山火事,ジョシュ・ブローリン,マイルズ・テラー


またこの作品は、勇気ある森林消防隊員たちの活躍を描く一方、死と隣り合わせの任務に挑む者ならではの過酷な現実にも迫っています。


隊長のマーシュは、命懸けの現場での“迷い”になってしまうかもしれない守るべき存在=子どもをつくらないよう妻と約束したはずなのに、いつしか妻が「守るべき存在が欲しい」と思うようになり溝が生まれてしまう。

一方、生まれたばかりの娘に自分を誇れるようマクドナウは一人前の消防隊員に成長するも、山火事のシーズンになると家族になかなか会えなくなり、自分の任務に疑問を抱きはじめる。


愛する存在がいるゆえ生じる迷いや矛盾と向き合う彼らの姿は、危険な任務とは無縁の一般人が見ても胸を揺さぶられ、感情移入せずにいられません。


人生にはこのように、相反するもののいずれかを選ばされるかのような局面がやって来ます。でも、何か1つを選んだからといって、決して他のものを捨てたことにはなりません

愛する人を守りたいから命を懸けて頑張る──さまざまな葛藤を乗り越えた末に抱いた決意は、きっとあなたをヒーローのように強くしてくれることでしょう


実在の森林消防隊員たちが見る者すべてに与えてくれる覚悟と勇気を、ぜひ皆さんも受け取ってください。きっと、我が道を進んでいくためのエネルギーになるはずですから。


『オンリー・ザ・ブレイブ』(2017年) /アメリカ/ 上映時間:134分

© 2017 NO EXIT FILM, LLC


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上村 真徹(ライター・編集者)
上村 真徹(ライター・編集者)

家庭では妻の笑顔と娘の成長を最大の生きがいに、週末の料理やデザート作りで家族の胃袋をつかんでいる。最近は娘が成長し、以前ほど甘えてくれなくなったのが悩みのタネ。映画は新作・旧作問わず、年間100作品以上鑑賞。マイベストムービーは『ゴッドファーザー』だが、実は泣ける映画好き。

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