ママが抱える悩みやストレス──夫は何ができる?“新しい生活”におけるチーム夫婦のカタチを考えよう

ママが抱える悩みやストレス──夫は何ができる?“新しい生活”におけるチーム夫婦のカタチを考えよう

夫婦円満

目次[非表示]

  1. テレワークが定着し、パパの家事育児参加率がアップしてもママは十分満足していない?
    1. 【不満の原因①】分担する家事育児の“質”の偏り
    2. 【不満の原因②】多岐にわたる「名もなき家事」の負担の偏り
  2. 新しい生活における「チーム夫婦」の新スタンダードを築くには?
外出自粛やテレワークによって在宅時間が長くなり、今までとは勝手が異なる新生活に戸惑いながらも、「家族と一緒に過ごす時間が増えた」「子どもとの関係が密になった」とメリットを感じているパパも少なくないでしょう。では、ママはコロナ禍の「新しい生活」をどのように感じているのでしょうか?

そこで今回は、コロナ禍による生活や家事に関する変化についての調査結果を交えながら、新しい生活様式に合った夫婦関係やライフスタイルについて考えてみましょう。

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テレワークが定着し、パパの家事育児参加率がアップしてもママは十分満足していない?

まず、コロナ禍を通じてママの生活習慣や意識はどのように変わったのか?

大和ハウス工業が20代〜40代の配偶者がいる男女1200人に行った調査(※1)によると、コロナ禍による生活変化でストレスを感じていることのトップ3の順位が男女で異なる結果となりました。

夫が「外出自粛」(59.2%)、「新型コロナウイルス対策」(52.0%)、「収入・家計」(50.2%)だったのに対し、妻は「外出自粛」(64.5%)、「新型コロナウイルス対策」(61.3%)、そして3位に「家事・子育て」(50.7%)。ちなみに夫で「家事・子育て」にストレスを感じた人は31.7%。夫や子どもの在宅時間が増えたことに伴って、妻の家事育児の負担が増している状況が読み取れます

(画像出典:大和ハウス工業株式会社)

テレワークなどで在宅時間が長くなったパパたちの中には「今までよりも家事や育児に参画するようになった」という方も少なくないはず。実際にクレハが共働きの20代~40代夫婦400名に行った調査(※2)でも、68.1%の家庭で「夫が家事・育児をする機会が増えた、少し増えた」ことが判明。さらに参加機会が増えた内容として「子どもと遊ぶ(58.8%)」「料理・食事の支度(44.5%)」「食料品・日用品の買い出し(41.9%)」と主要な家事育児項目がトップ3に挙がりました。

明治安田生命が行ったステイホーム中の子育てに関する意識調査(※3)でも似たような結果が出ており、テレワークを経験したパパの約9割が「今後もテレワークを行ないたい」と回答するなど、「新しい生活」に対してポジティブな意識を抱いています。

(画像出典:株式会社クレハ)

この結果だけ見るとパパが積極的に家事育児に参画しているポジティブな変化傾向が伺えますが、ここでネックとなるのが「認識」と「満足度」。

同調査で家事分担の割合について調査したところ、分担割合が「妻100%」と「妻50%・夫50%」の項目においてそれぞれ夫婦間の認識の差が大きく発生。さらに、分担の割合についての満足度は84.0%の夫が満足と回答しているのに対し、妻は60.5%。夫婦間で「やっているつもり」「まだまだ足りていない」という認識や満足度の違いがあることが伺えます

このような「新しい生活」においても仕事と家事育児のバランスが十分取れていない夫への不満もあり、前述の明治安田生命の調査でも、大多数のパパがテレワークの継続を希望しているのに対し、専業主婦の4分の1は夫のテレワークを望んでいないのだとか。このギャップとすれ違いは決して看過できませんね。

(画像出典:株式会社クレハ)

【不満の原因①】分担する家事育児の“質”の偏り

ところで、家事育児の分担への不満が芽生えやすい要因は“割合”だけなのでしょうか? 別の観点の調査項目からも考えてみましょう。

クレハが「自身で担当している家事」について男女それぞれに質問したところ、夫のトップ3は「ゴミ出し(57.5%)」「浴室の掃除(47.8%)」「食事の片付け(28.8%)」。一方、妻のトップ3は「料理・食事のしたく(84.3%)」「アイロンがけ(61.8%)」「洗濯・干す(59.8%)」という結果に。

(画像出典:株式会社クレハ)

料理や洗濯といった手間のかかる家事の担当は妻の割合が大きいのに対し、ゴミ出しなど比較的手早く終わる家事は夫が多く担当していることから、夫婦の満足度の差はそれぞれ担当する家事そのものの負担の度合い=質が原因である可能性が伺えます。

つまり、家事分担の公平感は、費やす時間やこなす項目数だけでは計れないということです。

【不満の原因②】多岐にわたる「名もなき家事」の負担の偏り

続いてさらに、家事育児の分担事情とその満足度について掘り下げてみましょう。

しゅふJOB総研では既婚女性866人を対象に「コロナ禍で在宅時間が増えている中、夫が積極的に取り組んでいる家事・育児」と「夫がもっと積極的に取り組んだ方が良い家事・育児」をそれぞれ調査しました(※4)。

その結果、夫が積極的に取り組んでいる家事・育児は「買い物」「ゴミ出し」「掃除や片付け」、夫がもっと積極的に取り組んだ方が良い家事・育児は「掃除や片付け」「料理」「名もなき家事」がそれぞれトップ3に。両項目のギャップを比較したのが下のグラフですが、「名もなき家事」のギャップがずば抜けていますね!

(画像出典:株式会社ビースタイル ホールディングス)

名もなき家事とは、「日用品(トイレットパーパーやシャンプーなど)の補充・交換」や「脱ぎっぱなしの衣類の片付け」「食事の献立作り」など、特に命名されていない家事全般のこと。こうした名もなき家事は日常生活のあらゆるシーンで発生するので、もし夫婦いずれかに負担が偏っていたら「自分ばっかりやるのは不公平」と不満につながってもおかしくありません

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新しい生活における「チーム夫婦」の新スタンダードを築くには?

これらの調査結果で浮き彫りになった夫婦間の家事育児へのギャップやすれ違いを解消する第一歩は、「話し合う」こと。夫婦会議(あるいは食後の一服中など)で本音を伝えあい、どうすればお互いの負担や不満を軽減できるかを考えてみてはいかがでしょうか。コロナ禍をきっかけに「新しい生活」へとシフトチェンジしつつある今こそ、家事育児の分担を含めてライフスタイルを見直す絶好の機会です

また、こうしたコミュニケーションの場を設けることは、夫婦の決まりごとの意思決定のみならず、パートナーのメンタルケアにも大きく役立ちます。

ココドコロが18歳以下の子供を持つ母親約660名に「現在のストレス状況」について調査(※5)したところ、ストレスを感じるポイントとして「一人の時間が取れない」と「自身の育児方法が適切か不安」が1位と2位に。また、子育ての満足度を高めるためのサポートとして「パートナーの協力が得られる」「第三者に話を聞いてもらう」が2位と3位に挙がっていました。

(画像出典:株式会社ココドコロ)

パパが家事育児に積極的に参画するのは素晴らしいことですが、費やせる時間にはどうしても限りがあるし、ママが本当にやってほしいこととギャップが生じてしまってはもったいない。

まずは「これに困っている」「これをやってほしい」というパートナーの悩みや希望を聞き出し、それらをピンポイントでケアすることから努めてはいかがでしょうか。そうするうちに家庭に対する夫婦間の意識のすれ違いが解消され、お互いに納得のいく「チーム夫婦」のカタチが構築されていくはずです。

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