
第11回「いつ地元に戻る?」【イラストレーターうえたに夫婦のワークライフバランス】
夫です。
最近、Webや雑誌などで「クリエイターの地方移住」なんてワードを目にすることが増えたような気がします。移住した人には地方自治体から補助金が出るなんてこともあるようです。
僕たちの場合は、マンガにも描いたとおり「ギリギリ都心に出られる範囲」という条件で小田原市に決めました。それが独立した2016年の夏。
いつかは関西に戻って活動したいなぁと思ってたので「最初から関西で活動する」ということも少し考えました。ただ、仕事の実績がほとんどない状態だったので「まずは仕事優先で、都心に出られるとこやろ」という気持ちが強かったんです。
そしてその年の冬に、はるくんが産まれました。このとき「はるくんが標準語になるかも」と少し頭をよぎりましたが、「家で俺らが関西弁しゃべってたら、はるくんも自然と関西弁になるやろ」とか考えてましたね。
その考えは甘かった(笑)。
保育園では(当然ですが)周りの子たちは全員が標準語です。はるくんもどんどん言葉を覚えて、今では完全に標準語ボーイ。家にいるときに関西弁で話しても、うまく伝わらないことも増えてきました。
例えば「そんなんやったらアカンやん!」って言っても、何言ってるの?みたいな顔するんです。だから「そんなことしたらダメでしょ!」って言い直さないといけない…。
なので、これから3年間思いっきり働いて、関西に戻ってもスムーズに仕事ができるような状態になりたいなぁと思ってます。そうなれば、はるくんも関西弁になって、意思疎通もスムーズに…なんて。
子どもも関西弁になってほしいというのは、親のエゴだというのは分かってるんですけどね〜。
妻です。
奈良に帰りたい気持ちもあるけど、やっぱり仕事が不便になりそうというのが本音です。
最後のコマの「有名になって」というのは少し大げさですが、奈良に帰っても仕事と収入を確保できる確信を持つことができれば…。でもその「確信」って具体的には?という感じで、この話になったらとりあえず「今、目の前の仕事を頑張ろう」と言って終わります。
小田原はまったく知らない土地でしたが、今の生活は快適です。このまま小田原市民なのか、奈良県民に戻るか、それともまったく別の場所に住むのか…。
どこでもできる仕事だからこそ選択肢がありすぎるという、贅沢な悩みです。
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