
靴の嫌な臭いを撃退!靴と下駄箱の消臭対策方法
オフィスや工場から身近な生活空間まで、あらゆるニオイ問題を捜査し解決する、通称“におい刑事”こと臭気判定士の松林宏治です。
ニオイの第一印象は「ニオイの記憶」として無意識にインプットされるものです。
では、お客がご家庭で最初に通る場所はどこですか? おそらく多くの場合が「玄関」であり、「玄関のニオイ」こそニオイの第一印象になるでしょう。そんな玄関に、ご家庭の「ニオイの記憶」を左右してしまうニオイ犯が潜んでいるとしたら? 今すぐにでも撃退しておきたいと思いませんか?
今回は、玄関に潜伏して来客の印象を悪くするニオイ犯を“におい刑事”が取り締まっていきます!
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イヤな「靴の蒸れたニオイ」の2大潜伏場所
玄関のニオイ犯が潜伏している場所は大きく分けて2つ。靴と下駄箱です。この2大ニオイ犯の特徴と撃退方法を確認していきましょう。
靴
「靴」のニオイ犯は、いわゆる「靴の蒸れたニオイ」。おそらく多くの方がそのニオイを記憶されていて、今、この記事を読みながらニオイの記憶を思い出してしまい、思わず顔をしかめておられるのではないでしょうか。
1日歩き回った足はコップ1杯分以上も汗をかくと言われており、それらの汗の多くは靴に染み込んでいきます。
もちろん、靴下が緩和してくれる部分もありますし、汗そのものも蒸発したり乾燥しますが、履いている以上は靴の中は高温多湿の状態となります。
その状態が続きますと、汗を栄養源に雑菌が繁殖しやすくなり「靴の蒸れたニオイ」が発生してしまいます。
そのまま靴を玄関に放置すれば、玄関に蒸れたニオイが漂ってしまい、靴を下駄箱に入れてしまうとニオイ犯も中に潜伏してしまいます。
下駄箱
もう1つの「下駄箱」は、この「靴の蒸れたニオイ」をはじめいろいろなニオイが染み込んでしまい、そこから徐々に揮発することがニオイの原因となっています。
下駄箱は普段密閉されていて、靴の出し入れ以外はあまり意識的に換気していないご家庭も多いでしょう。そのため、雑菌やカビの繁殖条件も整いやすく、また一度入り込んだニオイ分子はなかなか逃げず、一度揮発してもまた下駄箱の中に再潜伏してしまいます。
つまりニオイ犯にとって大変居心地の良いアジトと言えるでしょう。
靴・下駄箱の臭い対策。もうニオイの元をそのままにしない!
潜伏場所が分かったニオイ犯をどうやって逮捕すればよいでしょうか?
まずは、靴のお手入れが大切になります。
靴の臭い対策
1日履いた靴は、帰宅して脱いだらすぐ市販の除菌消臭スプレーなどを活用し「雑菌を退治しておく」ことが重要です。
ただし、退治したから安心!とばかりに、すぐに下駄箱に入れないようにしましょう。最低一晩は空気の流れのある場所で乾燥させておくと、よりニオイ対策として効果的です。
その他、新聞紙や炭、コーヒーの出し殻など、ニオイを吸着したり湿気を吸湿してくれる素材を入れておくのも有効です。
次に下駄箱の対策です。
下駄箱の臭い対策
どうしても中にニオイ犯が滞留してしまうので、定期的に下駄箱のドアを開けて空気を入れ替えましょう。空気の流れが悪い場所であれば、扇風機やサーキュレーターを活用し、強制的に空気を入れ替えるようにするとより効果的です。また、ニオイを吸着させる効果のある重曹や炭、新聞紙、コーヒーやお茶の出し殻などを下駄箱の各段に置き、ニオイ犯を拘束するべくトラップを仕掛けておくのも有効な対策となります。
トラップを仕掛ける際に気を付けていただきたいのは、炭や新聞紙などの交換頻度です。吸着量には限界がありますので、ある程度ニオイを吸着しきってしまえば、それ以上の効果は見込めません。むしろ、吸着したニオイを放散させてしまう可能性もあります。ミイラ取りがミイラにならないように、定期的な交換を推奨します。
密室空間のニオイ犯をおびき出して追い出す臭い対策のウラ技
最後に、“におい刑事”が実践している、とっておきの下駄箱ニオイ対策方法を伝授しておきます。その技とは「ベークアウト」という脱臭方法。やり方は文字通り「暖めて(ベーク)逃がす(アウト)」です。
ニオイ分子は一度付着して染み込んでしまうと、なかなか一気に揮発していきません。少しずつじわじわと揮発していくため、いつまでもニオイを感じてしまうのです。さらに下駄箱では、せっかく揮発したニオイ分子の逃げ場がないため、また下駄箱の中に付着してしまう悪循環にもなるのです。
そんな厄介な付着臭に対して有効なのがベークアウト。用意するのは「暖める道具(ドライヤーやハロゲンヒーター)」「霧吹き」「換気の補助装置(扇風機やサーキュレーター)」です。
ベークアウトの方法
1.下駄箱を開け、中の靴や物をすべて取り出す
2.ニオイが気になる場所に、霧吹きで水をうっすら噴霧する
3.ドライヤーやハロゲンヒーターで強制的に暖める(焦げや小火にならないように十分注意し、無理のない範囲で暖めてください)
4.玄関のドアや窓を開け、扇風機やサーキュレーターで換気する
ニオイ分子は高温多湿になるとその運動を活発化する特性があるので、この特性を逆手に取り、あえてニオイ犯が好む高温多湿な状態を作っておびき出すのです!
うまくニオイ犯をおびき出すことに成功しても油断は禁物。そのままにしておけばまたニオイ犯は潜伏してしまうので、最後のとどめとして換気の補助装置を使って、ニオイ犯を外へ追い出してしまいましょう。しつこいニオイ犯は一度だけでは逮捕しきれないかもしれないので、何回かベーク(暖める)&アウト(換気する)のサイクルを繰り返しトライしてください。
下駄箱のニオイはもちろん、クローゼットや押入など、密閉空間のニオイ犯にお困りの方は、ぜひお試しください。
では次の事件現場で会いましょう!
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