ママの負担を軽減し、我が子との絆を深める!パパの離乳食作り入門 ①離乳食作りの基本・準備~ゴックン期編

ママの負担を軽減し、我が子との絆を深める!パパの離乳食作り入門 ①離乳食作りの基本・準備~ゴックン期編

料理

目次[非表示]

  1. まずは「買い物に行くこと」から始めよう
  2. 離乳食を作る前に知っておきたいこと
    1. 離乳食は何のために食べるのか?
    2. 離乳食の買い出しはどこで?
    3. 離乳食はいつから始める?
  3. 離乳食作りの前に準備しておきたい道具
    1. 調理・保存道具
    2. 食器
  4. 離乳食のNG食材
  5. ゴックン期(5~6カ月)の離乳食「10倍がゆ」を作ろう
  6. ゴックン期(5~6カ月)の離乳食の与え方
    1. 食べさせ方
    2. 食べさせる量
  7. ゴックン期(5~6カ月)のオススメ食材
毎日の暮らしの「困った!」に役立つ技やコツをご紹介する連載「目指せ我が家のHERO!家族を助ける特技を作る」。今回のテーマは「パパの離乳食作り」です。

料理はできるけど赤ちゃん向けの離乳食を作るとなるとハードルが高く感じてしまい、ママに任せっきりになっていませんか? 離乳食はその基本さえ知っていれば、料理が苦手という方でも実は簡単に作れます。むしろ、普段しないという方こそトライする絶好の機会です!

それにパパが離乳食を作って赤ちゃんに食べさせることができたら、ママに偏りがちな育児の負担を軽減でき、また食を通じて我が子の成長を見守りながら絆を深めていけるなど、家族円満につながるいいことづくめ!

そこで今回から2回に分けて、『パパ離乳食はじめます』の著者でもある料理家の本田よう一さんに、パパが離乳食を作って我が子に与えるための基礎知識を解説していただきます。

まずは「買い物に行くこと」から始めよう

パートナーは、産後まだ間もないので体調が完全ではありません。さらに生後5~6カ月の赤ちゃんは 授乳のタイミングが2時間おきくらいにあり、昼夜も関係ないので、まとまった睡眠が取りづらい状況です。

ここでパートナーを支えるのがパパの役割。車を出すことでも、自転車で買いにいくのでも、徒歩でもいいですが、買い物に出ましょう。子どもを連れていくとよりパートナーの日常を感じることができるかもしれませんが、まずは買い物に行く時間を割くことが最初の一歩です

パートナーができることはほぼ、パパもできます。唯一できないことは「母乳を出すこと」。それ以外は、得手不得手があったとしても、できる範囲ですべてにトライしましょう! パートナーができるなら、教えてもらいましょう。

離乳食が始まるとパパの出番が母乳以外の場面すべてでできることが増えます。特に食事。離乳食の「買い出し」「作る」「食べさせる」「片付ける」は基本になります。これができると、より自分が自分の子どもを育てている認識が増えていきますし、子どもと触れ合う時間が必然的に増えるでしょう。

離乳食を作る前に知っておきたいこと

離乳食は何のために食べるのか?

離乳食とは、母乳(ミルク)以外の食品からも栄養を取り入れ、幼児食へと移行する過程の食事のこと。赤ちゃんは生後4カ月までは体内に貯蔵されていた鉄分を使うことができますが、それ以降は成長に必要な栄養素を母乳以外でも補えるよう離乳食を与えていく必要があるのです。

また、食べ物をちゃんと噛む力をつけること、規則正しい食事による生活リズムの形成、そして家族と一緒にごはんを食べる楽しさを知っていくためにも離乳食は重要な役割を果たします。

離乳食の買い出しはどこで?

離乳食の食材は、野菜類・肉類・魚類など基本的には大人が食べる料理と同じなので、スーパーで購入できます。もしも離乳食を作る時間や気力がない時は、「何が何でも手作りを与えなければ」と自分を追い詰めず、ドラッグストアやスーパーで買える市販のベビーフードに頼ってください。

離乳食はいつから始める?

先ほど説明したように、赤ちゃんの体内に貯蔵されていた鉄分は5カ月頃までには使いきってしまうので、必要な栄養を補うためにも生後5~6カ月ごろからスタートするのが理想的。赤ちゃんの機嫌が良い時を見計らいながら最初はスプーン1さじから与え始め、嫌がるようなら無理強いせず様子を見ていくといいでしょう。

なお、離乳食の食べさせ方は赤ちゃんの月齢によって次のように変化します。ただし、赤ちゃんの性格や成長具合によってだいぶ変化するので、この通りにいかなくても気にしなくて大丈夫。「もう〇カ月だから△△に変えなきゃ」とあせらず、目の前にいる我が子の状態を見ながらマイペースで進めてください。

●ゴックン期(5~6カ月)
この頃の赤ちゃんはまだ歯がない子がほとんどで、舌も前後にしか動かせない時期。まずは1日1回、ドロドロした口当たりのペースト状の食べ物をスプーンで少しずつ与え、自ら唇を閉じてゴックンと飲み込むことに慣れさせます。

●モグモグ期(7~8カ月)
今まで前後にしか動かせなかった舌が上下にも動かせるようになる時期。舌でつぶせる固さの食べ物を1日2回与え、モグモグと食べて飲み込むことを覚えていきます。

●カミカミ期(9~11カ月)
唇の筋肉が発達してモグモグ期よりも舌をたくさん動かせるようになる時期。1日2回食から3回食に進み、食べ物の固さも舌と上あご(歯茎)でつぶせるぐらいへと移っていきます。

●パクパク期(12カ月~)
肉団子くらいの固さなら上あご(歯茎)で噛めるようになり、大人と同じ食事を与える(赤ちゃん用に取り分けて作る)ことも可能。3回の食事で栄養が摂れるよう、主食・主菜・副菜の栄養バランスも考えていきましょう。

離乳食作りの前に準備しておきたい道具

調理・保存道具

離乳食作りの調理道具は、基本的に大人の料理に普段使っているもので大丈夫(ただしこまめに煮沸・消毒すること)。食材をきめ細かなペースト状にするためのフードプロセッサーや裏ごし器はあると便利でしょう。

また、離乳食に使うほとんどの食材はフリージングできます。まとめて作って1食分ずつ小分けしたものを冷凍するためのフリージングトレーと、凍らせた食材を必要な時にすぐ取り出せるファスナーつき保存袋を常備し、毎回の調理の手間を省くようにしましょう。保存用に少ない量を取り分ける際は、小さなゴムべらがあると重宝します。

あと、液体や粉類の分量をはかるための計量スプーン・計量カップ、重さをはかるためのキッチンスケールもあると、目分量ではなく正確な量をはかれるので、とても便利です。キッチンスケールがあると保存用の小分けにも活用できますよ。

食器

離乳食専用の食器セットがいろいろ売られていますが、まずは元々持っている小皿などを活用し、必要に応じて少しずつ購入していっても大丈夫。ただしスプーンやフォークは、木・シリコン・プラスチックなどの柔らかい素材の物を用意してあげましょう。

また、赤ちゃんが自分で食器を持てるようになったら、万が一落としても割れないプラスチックや木の食器があると安心。さらに電子レンジ対応のものだと、冷凍保存しておいた離乳食を温める時に便利です。

離乳食のNG食材

食物アレルギーの原因になりやすいものや、消化器系が未発達な赤ちゃんの内臓に負担をかける塩分・油脂分の多いものなど、離乳食の食材として避けたいものを紹介します。
■はちみつ
1歳未満の赤ちゃんに与えると乳児ボツリヌス症にかかるおそれがあります。ボツリヌス菌は通常の加熱や調理では死なないので、絶対に避けてください。

■生の食材
免疫力が未発達な赤ちゃんが食べると食中毒になるおそれがあります。刺身や生卵など加熱調理していないものは与えないようにしましょう。

■のどに詰まりやすい食材
まだしっかり噛めない赤ちゃんにもちやこんにゃくゼリーを与えると、そのままツルリとのどに入って詰まらせる窒息事故の危険性が高いので避けましょう。

■塩分や添加物が多く含まれる食材
消化器官が未発達な赤ちゃんに塩分の高い食事を与えると、消化吸収の負担になります。特に、ハム・ソーセージ、かまぼこ・ちくわ・魚肉ソーセージなどの加工食品は塩分や添加物が多く含まれているので、与えるなら幼児期以降にしましょう。

ゴックン期(5~6カ月)の離乳食「10倍がゆ」を作ろう

ゴックン期の赤ちゃんには、ドロドロしたような口当たりのペースト状の食べ物をスプーンで少しずつ与えます。その基本中の基本である「10倍がゆ」をマスターしましょう。

10倍がゆとは米1に対して水10で炊いた水分の多いおかゆで、食べ物をゴックンと飲み込む練習にピッタリ。10倍がゆは「10倍がゆ+にんじんペースト」「10倍がゆ+シラス干し」など幅広いレシピのベースになり、モグモグ期には8倍がゆ、カミカミ期には6倍がゆ…と水分を減らしながら基本食として作り続けることもできます。

写真:本田よう一

■10倍がゆの材料
米 1/4カップ
水 2と1/2カップ
※吹きこぼれ防止のため大きめの鍋がオススメ

■10倍がゆの作り方
1. 軽く洗った米と分量の水を鍋に入れ、強火にかける
2. 沸騰したら弱火にし、ふたをして50分炊く
3. 火を消して冷めるまでおき、フリージングトレーに入れて冷凍保存する

どうですか? 簡単ですよね。これなら料理を作ったことのないパパでも大丈夫! もし赤ちゃんが10倍がゆでも食べにくそうであれば、フードプロセッサーでもっとなめらかにして、飲み込みやすくしてあげましょう。
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