ママの負担を軽減し、我が子との絆を深める!パパの離乳食作り入門 ②モグモグ期以降の実践編

ママの負担を軽減し、我が子との絆を深める!パパの離乳食作り入門 ②モグモグ期以降の実践編

料理

目次[非表示]

  1. 離乳食作りにチャレンジする前に知っておいてほしいこと
  2. 赤ちゃんの月齢ごとの離乳食の目安
  3. モグモグ期(7~8カ月)の離乳食
    1. 離乳食の固さなどの目安
    2. 離乳食作りのポイント
  4. カミカミ期(9~11カ月)の離乳食
    1. 離乳食の固さなどの目安
    2. 離乳食作りのポイント
  5. パクパク期(12カ月~)の離乳食作り
    1. 離乳食の固さなどの目安
    2. 離乳食作りのポイント
  6. さいごに
毎日の暮らしの「困った!」に役立つ技やコツをご紹介する連載「目指せ我が家のHERO!家族を助ける特技を作る」。今回のテーマは「パパの離乳食作り」です。

料理はできるけど赤ちゃん向けの離乳食を作るとなるとハードルが高く感じてしまい、ママに任せっきりになっていませんか? 離乳食はその基本さえ知っていれば、料理が苦手という方でも実は簡単に作れます。むしろ、普段しないという方こそトライする絶好の機会です!

それにパパが離乳食を作って赤ちゃんに食べさせることができたら、ママに偏りがちな育児の負担を軽減でき、また食を通じて我が子の成長を見守りながら絆を深めていけるなど、家族円満につながるいいことづくめ!

そこで今回も、基礎知識とゴックン期からのスタートをレクチャーした第1回に続き、『パパ離乳食はじめます』の著者でもある料理家の本田よう一さんが、パパが離乳食作りにチャレンジするイロハを解説。実際に家庭でお子さんに離乳食を作り続けた経験を基に、モグモグ期以降の離乳食作りにおける実践的なアドバイスをいただきます。

離乳食作りにチャレンジする前に知っておいてほしいこと

離乳食作りをスタートしようと思っているパパに、心にしっかりとめてほしいことがあります。それは「離乳食は失敗して当たり前」ということ。離乳食は、パパママにとっても赤ちゃんにとっても初めての経験。作って与える側も、食べる側もうまくいかなくて当然なのです。何が何でも完食を目指そうとせず、また赤ちゃんが食べなくても落ち込まず「食べない日もあるよね」と割り切ることが、離乳食作りを継続していくには大切。食べてくれなかった時の精神的ダメージを減らす方法として、作る人・食べさせる人・片付ける人の役割を分担することもオススメです。

また、「離乳食のスタートまでに完璧に準備しなきゃ」と焦る方もいるかもしれませんが、作り方の創意工夫や必要な道具の準備は、離乳食を進めながらでも十分間に合います。失敗を繰り返しながら経験を重ねていけば、自然とうまくいきます。そう聞くと大変に感じるかもしれませんが、離乳食作りは必ず終わりがやって来る短い期間(生後5カ月くらいから始めて、早いと1歳で終了。長くても1歳半くらいまでを目安に)です。時には手作りにこだわらず市販のベビーフードも活用しながら、近い未来のゴールを目指してゆっくり気楽に頑張ってください。

離乳食作りに限らず、赤ちゃんの成長について情報を知りたい場合は、お医者さんや地域の保健師など対面で話せる第三者を見つけるのがオススメ。ネットで調べるとネガティブな情報もたくさんあって不安になるので、「それぐらいなら大丈夫だよ」とポジティブにアドバイスしてくれる人がいると安心できますよ。

赤ちゃんの月齢ごとの離乳食の目安

赤ちゃんの成長に必要な栄養を補うために、生後5~6カ月ごろからスタートするのが理想的とされる離乳食。その食べさせ方は赤ちゃんの月齢ごとに次のように変化します。ただし、赤ちゃんの性格や成長具合によってだいぶ変化するので、この通りにいかなくても気にしなくて大丈夫。「もう〇カ月だから△△に変えなきゃ」とあせらず、目の前にいる我が子の状態を見ながらマイペースで進めてください。

●ゴックン期(5~6カ月)
この頃の赤ちゃんはまだ歯がない子がほとんどで、舌も前後にしか動かせない時期。まずは1日1回、ドロドロした口当たりのペースト状の食べ物をスプーンで少しずつ与え、自ら唇を閉じてゴックンと飲み込むことに慣れさせます。

●モグモグ期(7~8カ月)
今まで前後にしか動かせなかった舌が上下にも動かせるようになる時期。舌でつぶせる固さの食べ物を1日2回与え、モグモグと食べて飲み込むことを覚えていきます。

●カミカミ期(9~11カ月)
唇の筋肉が発達してモグモグ期よりも舌をたくさん動かせるようになる時期。1日2回食から3回食に進み、食べ物の固さも舌と上あご(歯茎)でつぶせるぐらいへと移っていきます。

●パクパク期(12カ月~)
肉団子くらいの固さなら上あご(歯茎)で噛めるようになり、大人と同じ食事を与える(赤ちゃん用に取り分けて作る)ことも可能。3回の食事で栄養が摂れるよう、主食・主菜・副菜の栄養バランスも考えていきましょう。

モグモグ期(7~8カ月)の離乳食

離乳食の固さなどの目安

■おかゆ
8倍がゆ…米1/4カップ:水2カップで、約40分炊く
■野菜
ゆでたり煮込んだ後に、細かく刻んだり粗く潰す
■魚
加熱した後に細かくほぐす

モグモグ期の離乳食。ほうれん草混ぜ8倍かゆ、ゆで生鮭、ゆでかぼちゃ、加熱バナナ(写真:本田よう一)

離乳食作りのポイント

モグモグ期の離乳食は、ゴックン期と同じく基本的には“煮込む” “ゆでる”と調理が簡単。ほとんど料理をしたことがないパパでも、この時期までにスタートしておくと離乳食作りが軌道に乗りやすくなります。「これぐらいの固さだと食べてくれない」など日々課題を見つけながら探究していくと、きっと離乳食作りが楽しくなるはずです。ここまでは味付けも不要なので、とてもトライしやすいと思います。

モグモグ期になると豆腐・肉・魚などたんぱく質を多く含む食品が増えていき、それに伴ってうんちの色もにおいも変わってきます。離乳食を与えるのと併せて排泄物の状態もチェックし、健康状態を管理しましょう。また、モグモグ期から新しく加わる食材の中には、卵や小麦粉などアレルギーがあるものも登場してきます。新しい食材を初めてトライするなら、万が一アレルギー症状が出た時のため、病院が空いている平日の日中あるいは土曜の午前中に、できれば夫婦2人ともいる日に行うのがベスト。そしてどの食材がアレルギー症状の原因か分かるよう、トライするのは1回の食事で1種類までにしましょう。

なお、我が家もそうだったのですが。このぐらいの時期になると食べる時もあれば食べない時もあったり、一度食べたことがある物でも次は食べないということも珍しくありません。赤ちゃんだって好き嫌いはあって当然だし、仮にブロッコリーを食べないとしても他の食品で同じ栄養を摂れれば十分。それに卒乳するまでは食事以外からでも栄養を摂ることができるので、「食べないならしょうがない」という心がけをママと共有しておくといいでしょう。

本田さんのお子さんも、このように食べ残すことが珍しくなかったそうです(写真:本田よう一)

あまり食べない食品を食べさせたいのであれば、好きなものと組み合わせて与えるのもオススメです。バナナが好きであれば、潰したバナナに混ぜるとよいでしょう。ただし、全部グチャグチャ混ぜてしまうと何が何だか分からない料理になって受け付けない場合もあるので、例えばおかゆの上に炒り卵とほうれん草を載せてちょっと混ぜるという程度にしてください。

カミカミ期(9~11カ月)の離乳食

離乳食の固さなどの目安

■おかゆ
6倍がゆ…米1/4カップ:水1と1/2カップで、約30分炊く
■野菜
柔らかく煮込んだ後に、5~8mm角くらいに切る
■魚
加熱した後に、5~8mmほどの大きさに切る

カミカミ期の離乳食。6倍粥、じゃがいもとにんじんの豚ひき肉の甘辛煮、ブロッコリーのごまあえ(写真:本田よう一)

離乳食作りのポイント

ゴックン期から始めていれば離乳食作りが3カ月目くらいになり、だいぶ慣れてくる頃だと思います。1日3回食になってこれまでより手間も時間もかかりますが、作り置きしてフリージングすれば日々の負担を分散させることができるので、自分なりにラクチンになるスタイルを探してみてください。

カミカミ期から離乳食に調味(味付け)をするようになり、食パンなど塩分を含んだ食品を与えてもよくなります。しかし、塩を使うのはほんの少量にすること。耳かき4分の1程度の塩分量でも赤ちゃんにとっては十分塩味が効きます(大人が食パンで感じる程度のしょっぱさが目安)。

また、カミカミ期は赤ちゃんが手づかみ食べを始める時期。食べこぼしで服は汚れるし床もテーブルもベタベタになり、それが1日3回も続くと精神的にキツくなります。キレイに食べてくれる子もいるでしょうが、我が家の場合は食事のたびに着替えが必要なぐらい汚し、洗濯の回数も増えました。そうした食べこぼし対応にエネルギーを費やす分、ゆでる時間を短縮したりフリージングを活用して調理の手間を減らすなどによってカバーするといいでしょう。

離乳食の後期になると、子どもが自由に動ける分、床やテーブルに食べこぼすことは日常茶飯事です(写真:本田よう一)

また、3回食になることで赤ちゃんの食欲にムラが出て、食べる量が落ちる場合もあります。運動させたり授乳の間隔を空けるなどいろいろな対策はありますが、食べない時は食べません。本当にお腹がすいたら自分から食べようとするものなので、「今は食べないな」と割り切って大丈夫。

また、子どもが食べるまで延々と待っていると家庭生活のサイクルにもメンタルにも支障を来たすので、食事に30分程度の時間制限を設け、手をつけなければタイムアップにするといいでしょう。

パクパク期(12カ月~)の離乳食作り

離乳食の固さなどの目安

■おかゆ
軟飯…米1/2カップ:水1カップで、約25分炊く
■野菜
柔らかく煮込んだ後に、1cm角くらいに切る
■魚
加熱調理したものを一口大に切る

パクパク期の離乳食。軟飯と炒り卵、ほうれん草のおにぎり、にんじんとさつまいものおかかがけ、加熱りんごのヨーグルトがけ(写真:本田よう一)

離乳食作りのポイント

パクパク期になるとほぼ普通の料理が食べることができ、大人の食事から取り分けて作れるようになります。ただし、味付けは大人の半分くらいのイメージで。また、離乳食から栄養のほとんどを摂る時期なので、主食・主菜・副菜の栄養バランスも考えていく必要があります。食材の分量を毎回量るのが大変であれば、赤・緑・黄色と食材の色を意識して食卓をカラフルにしていけば、おのずと離乳食の栄養バランスも整うでしょう

1歳ぐらいになると自分でスプーンを使い始めるようになりますが、最初の頃はなかなかうまく使えなかったり使おうとしない子もいるでしょう。そんな場合は、食事中の視界に入る場所にスプーンを置きつつ、しばらく間隔を空けてから再チャレンジするなど気長にいきましょう。あるいは親が「こう食べるんだよ」と手本を見せるのもいいでしょう。

そしてパクパク期になっても、昨日は食べたけど今日は食べなかったりといった変動は毎日のこと。もちろん「食べなさい」と怒ったからといって赤ちゃんが食べるわけではないので、家族みんなが同じものを一緒に食べて「おいしいね」と言葉を交わすなど、食事を楽しいと思える空間や環境づくりに努めてみてください。

さいごに

離乳食作りの最大の喜びは、食を通じて我が子の成長を見届けることができ、自分が調理したものを食べて成長している!と貢献を実感できることにあります。また、離乳食を作っていくと普通の料理も作れるようになるし、さらに料理を作る工程とその大変さが分かってきて、日々家族の食事を用意してくれるママへの感謝も湧くことでしょう。

家事ができて授乳もできてさらに離乳食も作れるようになっておくと、パパが赤ちゃんと1日中マンツーマンで過ごせるようになり、ママの家事育児の負担もかなり軽減できます。パートナーのサポートが得られる環境の中で、「ママにできることは自分にもできる」と肝に銘じながら“パパがやる家事育児”を増やせるよう努力し、ママが「この人に任せておけば大丈夫」と安心できる我が家のヒーローを目指してください。

※参考書籍
『パパ離乳食はじめます』(本田よう一・著 女子栄養大学出版部・刊)
https://eiyo21.com/book/9784789517232/

(画像提供:女子栄養大学出版部)

<記事協力プロフィール>
本田よう一(料理家)

1983年生まれ。栄養士を経て2006年から料理研究家として活動を開始。野菜をたっぷり使って素材の味を活かした家庭料理が得意で、家族みんなで楽しめる優しい味のレシピを提案している。2歳の男の子のパパとして育児にも励んでいる。著書に『パパ離乳食はじめます』、共著に『2品おかずで塩分一日6g生活』(共に女子栄養大学出版部)。

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