【包丁の研ぎ方】切れ味がたちまち復活!包丁研ぎの手順とコツ(両刃・片刃)

【包丁の研ぎ方】切れ味がたちまち復活!包丁研ぎの手順とコツ(両刃・片刃)

料理

毎日の暮らしの「困った!」に役立つ技やコツをご紹介する連載「目指せ我が家のHERO!家族を助ける特技を作る」。今回のテーマは「包丁研ぎ」です。


目次[非表示]

  1. 1.包丁を研ぐ頻度はどのくらい?
  2. 2.最初に揃えておきたい包丁研ぎの基本道具
    1. 2.1.砥石
    2. 2.2.研ぎ台(または濡れ布巾)
    3. 2.3.砥石を水に浸ける容器
    4. 2.4.面直し用砥石
  3. 3.砥石を使った包丁研ぎの基本手順
    1. 3.1.砥石を水に浸す
    2. 3.2.滑らないよう砥石を固定
    3. 3.3.峰+あご+ハンドルの「三点支持」で包丁を持つ
    4. 3.4.砥石に対する“角度”をキープして包丁を研ぐ
    5. 3.5.反対の刃も研ぐ(両刃包丁の場合)
    6. 3.6.包丁のバリを取る
    7. 3.7.砥石のメンテナンス(面直し)


普段、キッチンで包丁を使っていて「野菜がちゃんと切れていない」「肉がスッと切れない」といった経験はありませんか?

刃物は使っているうちに摩耗していくので、包丁の切れ味が落ちるのは避けられないものなのです。


「包丁を買ってから一度も研いだことがない」「使いづらいけど我慢している」という方も少なくないかと思いますが、切れ味が悪いまま包丁を使い続けるデメリットは、単に料理が不便になるだけではありません。

貝印株式会社が行った調査(※)によると、切れ味の落ちた包丁で無理にカットすると、旨味を逃してしまい、食材本来の味を損なう原因になるそうです



■新品の包丁と、砥がずに使い続けた包丁(1カ月・2カ月・4カ月相当)の食材に与える影響についての調査

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※貝印株式会社「食材の美味しさは包丁の切れ味で決まる! 〜味覚力に優れた日本人には、旨味を引き出す包丁を〜」

https://www.kai-group.com/news/id/471


そこで提案です。切れ味の落ちた包丁のせいで料理がストレスになったり食材の旨味を損なわないよう、自宅でこまめに包丁を研いでみませんか。

未経験者でも手軽にできる包丁研ぎの手順とコツを、日本を代表する刃物メーカーの貝印株式会社による監修でご紹介します。


包丁を研ぐ頻度はどのくらい?


「料理人にとって包丁は命」と言われるように、料理店であればそれこそ毎日のように包丁を研ぎますが、一般家庭であれば月1回程度で大丈夫


研ぎ器にはいくつか種類があり、最近は電動式など簡易的な研ぎ器も店頭に並んでいます。でも実は、本格的な砥石も慣れてしまえば意外と簡単!

切れ味が格段に違うので、こだわり派の男性の皆さんは下記の道具一式を揃えて、砥石を使った包丁研ぎで職人気分を体験してみましょう。


最初に揃えておきたい包丁研ぎの基本道具


<用意する道具>

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砥石

砥石には「荒砥」「中砥」「仕上砥」の3種類があります。これらは砥粒(砥石を形成する粒子)の数によって粗さが異なり、砥粒が粗いほど包丁の刃が大きく削れます。

ひどい刃こぼれを直すために刃を大きく削るなら「荒砥」、普段使いで切れ味の落ちた包丁を研ぐなら「中砥」をメインに使うのがオススメです。


研ぎ台(または濡れ布巾)

砥石を固定する専用台。用意できない場合は濡れ布巾でも代用可能です。


砥石を水に浸ける容器

包丁を研ぐ前に砥石に水を含ませる必要があるので、容器に水を張っておきましょう。


面直し用砥石

包丁を研いで凸凹になった砥石を、平らに直すために使います。


砥石を使った包丁研ぎの基本手順


砥石を水に浸す

まずは砥石に水を含ませておきます。

桶などに水を張り、気泡が出なくなるまで(10〜20分が目安)砥石を浸けておきましょう。


滑らないよう砥石を固定

肘より少し下(へそくらいの位置)の位置に砥石を配置。

研いでいる最中に砥石が滑らないよう、研ぎ台(または濡れ布巾)で固定しましょう。


峰+あご+ハンドルの「三点支持」で包丁を持つ

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包丁は利き手でハンドル部分を握ります。峰と呼ばれる背中部分を人差指で、あごと呼ばれる刃に近い部分を親指で押さえるように持つと、砥石にあてる包丁の角度が安定しやすくなります。


砥石に対する“角度”をキープして包丁を研ぐ

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刃を手前に向け、利き手でない方の人差し指と中指で刃先を軽く押さえます。

この時、包丁は砥石の縦方向に対して45~60°に置き、さらに砥石の水平面に対して刃を少し起こしながら(砥石と包丁の間に小指が少し入る程度=約15度)、腕の重さが少し乗る程度の力で滑らかに前後にスライドしましょう。

一度で包丁全体を研ぐのは難しいので、切っ先から刃元まで何度かに分けて研いでいきます。

※砥石の縦方向の幅をいっぱいに使うと、効率よく研ぐことができ、また砥石の摩耗の偏りを抑えることができます。


反対の刃も研ぐ(両刃包丁の場合)

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ある程度研ぐと刃先に引っかかり(バリ・刃返り)が出てきます。刃先を触って全体に髪の毛1本分ぐらいのバリを感じたら、包丁を逆さにして反対の刃を研ぎましょう

砥石に対してキープする角度は工程4と同じですが、あご付近を研ぐ際にハンドルが砥石にあたりそうになったら、砥石に対して直角に置いて研ぐといいですよ。


包丁のバリを取る

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全体にバリが出ていることを確認したら、平らな場所に広げた新聞紙の上で、包丁を払うような感覚で刃先の両面をこすってバリを落とします

試し切りをしてスムーズに切れれば包丁研ぎは終了。もし引っかかるような抵抗感がある場合は、その部分にバリが残っていることがあるので、さらに刃先をこすってください。


砥石のメンテナンス(面直し)

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包丁を研ぐと砥石は中央からへこみます。へこんだままの砥石で研ぐと、研ぐ角度が安定せず、上手に研ぐことができません

包丁研ぎの後、へこんだ砥石は必ず面直し用砥石を使って、平らになるまで削りましょう。平らになっているかどうかは、色で確認できます。へこんでいる部分に鋼材の微粉末がたまるため色がつきますが、面直し用砥石で削っていき、色がついていないところまで削れたら完了です

砥石が平らになったら水気をふき取り、室温の場所に保管します。


包丁研ぎの基本手順をご紹介しましたが、意外と簡単そうではありませんか?


自宅でこまめに包丁を研げば、一度も手入れしない場合と比べて驚くほどスパッと切れるようになり、使いやすさやカットした食材の旨味においてその効果を実感できるはず。使い慣れた包丁を買い替えることなく長持ちできて、いいことづくめですね。


我が家の包丁を見違えるように蘇らせ、普段使っているご自身はもちろん、家族みんなが楽しく快適に料理できるようにしましょう。


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家men





※記事協力【貝印株式会社】

1908年、刃物の町として有名な岐阜県関市に創業。現在、生活に密着した刃物を中心とする刃物、カミソリ、メンズグルーミング、ツメキリなどの身だしなみやビューティーケア、包丁をはじめとする調理・製菓、医療用など1万アイテムにもおよぶ商品を展開し、商品の企画開発から生産、販売、物流までの一連を行っている総合刃物メーカー。


本社:東京都千代田区岩本町3-9-5

代表取締役社長:遠藤宏治

公式HP: http://www.kai-group.com/