
自分らしい、珈琲(コーヒー)と道具のある暮らし
料理や道具の知識を豊富に持ち、日本初の「料理道具コンサルタント」として幅広く活躍中の荒井康成さんによる連載「とことんこだわりたい、一生の料理道具」。一生モノとして愛用したくなる上質な料理道具と、その道具を活かしたオススメ料理を動画と共にご提案します。
世界中で愛され続けている、珈琲。
そのスタイルは、人や道具によってもさまざまな形へと変化し、今や個人の価値をも表わすかの存在だ。
今回はそんな珈琲を「スタイル」ととらえ、珈琲と道具のショートストーリー全9話を制作。
珈琲を抽出し作る工程にフューチャーするのも、それぞれの道具が生み出す珈琲の世界観によってストーリー性が演出されるのも、「珈琲スタイル」の楽しさである。
今回はあえて使い方などの字幕なども入れていないので、まずは全9話からなるからストーリーから、自分が心地良いと感じる「珈琲スタイル」を見つけてはいかがだろう?
目次[非表示]
- 1.第1話 珈琲本来の旨味をしっかり抽出してくれる「サイフォン式コーヒーメーカー」
- 2.第2話 アウトドアでコーヒーを飲むなら連れて行きたい「パーコレーター」
- 3.第3話 「全自動エスプレッソマシン」で極上のカフェラテやカプチーノを
- 4.第4話 「ゴールドフィルター(シングルカップタイプ)」でコーヒー豆本来の美しさをそのまま楽しむ
- 5.第5話 特徴的なデザインが魅力なコーヒーのドリップ道具「ケメックス(ペーパードリップ)」
- 6.第6話 コーヒーに最適な温度で沸かす「温度コントロール 電気ケトル」
- 7.第7話 直火式エスプレッソメーカー「モカエキスプレス(マキネッタ)」
- 8.第8話 スペシャルティコーヒーを抽出する「フレンチプレス」
- 9.第9話 自宅でサードウェーブコーヒーを楽しめる「ドリップステーション」
第1話 珈琲本来の旨味をしっかり抽出してくれる「サイフォン式コーヒーメーカー」
老舗の喫茶店やコーヒーショップでもよく見かける「サイフォン式コーヒー」。
生まれは19世紀初期のイギリス。理科の実験器具のようなサイフォン式は、淹れ方が美しいというだけでなく、コーヒー本来の旨味をしっかりと抽出してくれる。
■使用道具
bodum(ボダム)『PEBO』サイフォン式コーヒーメーカー
■使用方法
1 水またはお湯を入れた下部ガラス(ジャグ)をガスコンロ の上に置く。
2 上部フラスコガラス(ファンネル)に挽いたコーヒー豆(中挽き)を入れ、ファンネルをジャグにしっかりとはめ込み、弱火で加熱。コーヒー豆の量は、コーヒー1杯(120ml) に対し、コーヒースプーンすりきり1杯(7g)が目安。
3 ジャグの中のお湯が沸騰するとチューブ(管)を通り、ファンネルに上がる。お湯とコーヒー豆が混ざり合いはじめたら、マドラーかスプーンで軽く全体をかき混ぜる。
4 2cmほどのお湯を残し、お湯がファンネルに上がりきったらすぐに、加熱を止め、三脚から下ろす。コーヒーがファンネルのチューブ(管)を通り、ジャグに落ちたら出来上がり。
第2話 アウトドアでコーヒーを飲むなら連れて行きたい「パーコレーター」
フランス発祥の道具で、西武開拓時代のアメリカで普及。
コーヒー抽出機能と水を沸かせる機能の2つを兼ね備えたことから、軽いアルミ製のパーコレーターは現在でもアウトドアで人気。
■使用道具
old pyrex(パイレックス )ガラス製直火式パーコレーター
■使用方法
ふたを開けると中には、コーヒーを抽出するためのフィルターが入っている。
本体に水を入れたら、杯数分のコーヒー粉を入れたフィルターをセット。
沸騰してしばらくすると、ろ過器の底から出ているパイプの中をお湯が通り、上部に送られたお湯がコーヒー豆にふりかかることで、熱々のコーヒーが出来上がる。
第3話 「全自動エスプレッソマシン」で極上のカフェラテやカプチーノを
エスプレッソの本場といえば、イタリア。そのイタリアが作り出した家庭用の本格全自動マシン。
イタリアのバールで働くバリスタ曰く、香り高いコーヒーは「豆から挽いて、すぐに抽出」が大切とのこと。この全自動エスプレッソマシンならば、好みの豆を買って、豆挽き方から抽出法まで選べ、コーヒー本来の香りと旨みを最大限にひき出す技術を持っている。
しかもすべてワンタッチ操作。スチームノズル付きで、日本人好みのカフェラテやカプチーノを楽しめる。
■使用道具
デロンギ コンパクト全自動エスプレッソマシン
第4話 「ゴールドフィルター(シングルカップタイプ)」でコーヒー豆本来の美しさをそのまま楽しむ
純金メッシュのフィルターで、コーヒー豆本来の美味しさを手間なくダイレクトに引き出せる、シングルカップゴールドフィルター。
好きな豆をセットしてお湯を注ぐだけ。
美味しい一杯分にこだわり、化学変化に強い純金コーティングは味と香りに影響が少なく、豆本来の美味しさをそのまま抽出。
■使用道具
CORES(コレス )シングルカップゴールドフィルター
■使用カップ
CORES(コレス )キキマグ
スペシャルティコーヒーの際立つ香りと風味を余すことなく楽しむために、細部まで計算し、こだわりぬいて作り上げたマグカップ。
ワイングラスのような形状と、温もりを感じさせる質感。カップを口にした途端、鼻から抜ける芳醇なアロマと味わいが口の中いっぱいにやさしく広がる。
第5話 特徴的なデザインが魅力なコーヒーのドリップ道具「ケメックス(ペーパードリップ)」
世界にも「CHEMEX派」がいるほど人気の高い道具。
ドリップ道具としては特徴的なデザインが魅力で、 1940年ドイツ生まれの米国科学者ピーターシュラムボーム博士によって考案。
三角フラスコと漏斗を合体させたデザインは、以前から実験室に転がっているフラスコをコーヒーメーカーの代用として日常的に使用していたことにヒントを得て製作された。
ガラス、木、革紐から成るデザインは、ナチュラルでもあり、モダンであり、MoMA(ニューヨーク近代美術館)のパーマネントコレクション(永久展示品)にも認定されている逸品。
■使用道具
CHEMEX(ケメックス )6カップビンテージタイプ
第6話 コーヒーに最適な温度で沸かす「温度コントロール 電気ケトル」
飲み物に合わせて選べる温度設定可能な電気ケトルとして、電気ケトルに革新をもたらした。
ホットドリンクの最適な温度は、必ずしも沸騰した温度とは限らない。7段階の温度が設定されたこの電気ケトルなら、95℃では紅茶、90℃ではコーヒー、抹茶では80℃、白湯には60度など、飲み物に合わせた美味しい温度で楽しむことができるので、たとえインスタントコーヒーであっても美味しく味わえる。
■使用道具
T-FAL(ティファール)アプレシア エージー・プラス コントロール 0.8L
第7話 直火式エスプレッソメーカー「モカエキスプレス(マキネッタ)」
沸騰した水の蒸気圧でコーヒーを抽出する方式の直火式エスプレッソメーカーで、マキネッタの名でも知られている。手軽で洗い物も少なく、キャンプ道具でも人気。
アルフォンソ・ビアレッティ(Alfonso Bialetti)により1933年に発明され、オリジナルの物はベークライト製の柄が付いたアルミニウム製。
ビアレッティ社(Bialetti)ではモカエキスプレスの名称で知られる代表的なモデルを販売し続
けており、現在はモカエキスプレスには1杯用から18杯用までさまざまな大きさがある。
■使用道具
BIALETTI(ビアレッティ)モカエキスプレス
■使い方
1 モカエキスプレスは上部のサーバーと下部のタンク、間の金属のフィルターバスケットで構成
されているので、まずはこれらを分解する。
2 タンクに抽出必要量の水を入れる。
3 フィルターバスケットにコーヒーの粉を入れ、タンクにセットする。
4 サーバーをかぶせてセットし、弱火にかける。
5 お湯が沸騰するとノズルを通ってサーバーにコーヒーが噴き上がり、完成。
第8話 スペシャルティコーヒーを抽出する「フレンチプレス」
フレンチプレスは金属製のメッシュで豆を濾しているだけなので、メッシュを通り抜けてしまう小さなコーヒーの粒子や、焙煎コーヒー豆が持っているオイルの成分が液体に混ざる。
そのため、抽出したコーヒーの液体はドリップコーヒーの色と比べると、濁ったような色に見え、以前はそのことからフレンチプレスのコーヒーが敬遠されてしまっていた。
しかしながらその抽出されたオイルこそがコーヒーの豊かなアロマ(香り)やフレーバー(風味)の元である、という認識が徐々に広まったこともあり、世界的なコーヒー品評会をはじめ、今ではスペシャルティコーヒーを抽出する基本的な方法となっている。
■使用道具
bodum(ボダム)x スターバックス 限定コラボ商品フレンチプレス
■使い方
1 コーヒー粉をフレンチプレスに入れ、あらかじめ用意しておいたお湯を50cc注ぐ。
2 フレンチプレスにシャフトをかぶせ、30秒蒸らす。
3 シャフトを取り、残りのお湯量を勢いよく入れる。
4 シャフトをかぶせ、3分蒸らす。
5 ゆっくりとプッシャーを下に押し、シャフトを下げて完成。
フレンチプレスならではのコーヒーの油分がキラキラと光っているのが分かる。
第9話 自宅でサードウェーブコーヒーを楽しめる「ドリップステーション」
サードウェーブコーヒーの味わい方の代表格とも言える、ドリップコーヒー。
コーヒーの本場のアメリカでは、時間だけでなく、コーヒーの抽出量も量ってドリップするのが主流となり、秒単位とグラム単位で正確に測れるコーヒー抽出用のスケールが日本でもお目見えした。
そのスケールとドリッパー、サーバーすべてをドッキングしたのが、HARIOが開発したドリップステーション。アメリカではお店オリジナルのレシピを作るのが当たり前となっているが、このドリップステーションから、また新たなレシピも生まれそうだ。
■使用道具