テレワーク中のパパが陥りやすい「D to D」とは? 今すぐできるストレートネック予防エクササイズ

テレワーク中のパパが陥りやすい「D to D」とは? 今すぐできるストレートネック予防エクササイズ

ライフスタイル

目次[非表示]

  1. 一日中、何かの画面とにらめっこしていませんか?
  2. スマホの見すぎによって起こる「ストレートネック」とは?
  3. ストレートネックの身体への悪影響
  4. ストレートネックのセルフチェック方法
  5. ストレートネック予防エクササイズ
    1. ①チンイン(顎引き)エクササイズ
    2. ②顎引き+胸張りで姿勢をよくする一石二鳥エクササイズ
  6. スマホ操作の姿勢を考えよう!
今回の記事では姿勢と動作の専門家である理学療法士の筆者が、スマホの使いすぎによって起こる「ストレートネック」のチェック方法と予防策をご紹介します。

一日中、何かの画面とにらめっこしていませんか?

新型コロナウイルスの影響でテレワークが浸透し、この半年で働き方が大きく変わった、という読者の方も多いと思います。そんな中で筆者が最近感じているのは、一日中ずっと「D to D(Display to Display)」※になっている人が増えていることです。

※筆者考案の用語

例えばノートパソコンでオンライン会議→休憩中にスマホでSNSをチェック→タブレットで文書作成→食事中はスマホでニュースをチェック→ノートパソコンで資料作成→テレビを見て休憩というような感じです。

つまりDisplay to Displayとは、仕事・プライベートかかわらず一日の活動の中でずっと際限なく何かの画面を見ている状態のことです。IT機器の活用はもはやなくてはならないものですが、ずっと画面ばかり見ている生活では身体に不調をきたすことがあるので注意が必要です。

スマホの見すぎによって起こる「ストレートネック」とは?

私たちが日常的に使ういろいろなデバイスの中で、特に使う時間が長くなりやすいのがスマートフォンではないでしょうか。どこにでも持ち運ぶことができるため、トイレや浴室、寝室でもスマホを見るようになると、文字通り休みなく画面を眺めている生活になってしまいます。

スマホを見ている時のご自分の姿勢を見たことがありますか?ほとんどの方は頭を前に突き出して覗き込むような姿勢になっていると思います。

このような姿勢を長時間続けることで頸椎(=首の骨)の自然なカーブが消失し、首や肩に痛みを引き起こすのが「ストレートネック」という状態です。

ストレートネックの身体への悪影響

人間の脊柱(せきちゅう)は首から腰までつながっていますので、一部に変形があると、他の場所にも影響が出てしまいます。特にストレートネックになると、頸椎とつながっている胸椎(胸の部分の背骨)への影響が強く、背中が丸まった猫背姿勢になってしまうことが多くあります。

また、頸椎の変形がさらに進行すると、頚椎症(けいついしょう)や頸椎椎間板ヘルニアといった病気につながるおそれもあります。塵も積もれば…というように、無理な姿勢をずっと続けているとその負担は蓄積していき、身体へ大きなストレスを与えてしまいます。早めに身体の状態をチェックして対策していきましょう!  

ストレートネックのセルフチェック方法

ストレートネックになっていないかのセルフチェックはとても簡単です。下の画像のように壁に背中を向けて立ち、かかと・お尻・肩甲骨をぴったり壁につけてみて下さい。
このとき、頭の位置はどうなっているでしょうか。次の3パターンのどれに当てはまるかチェックしてみてください。
①後頭部がぴったり壁につく
ストレートネックの傾向はなさそうです。引き続き、きれいな姿勢を意識していきましょう。
②壁と後頭部の間に指が2-3本(手を床に水平にした状態で)入るほど隙間ができている
→ストレートネック予備群です。スマホの見過ぎ、長時間のデスクワークなど、普段の姿勢に原因がないか見直しましょう。
③頭が前に突き出た姿勢となり、壁と後頭部の間に指が3本以上入るほど隙間ができている
→ストレートネックの可能性あり。首に負担のかかる姿勢を変えるだけでなく、固まっている筋肉のストレッチも取り入れていきましょう。

※年齢や、もともと持っている病気などによって個人差がありますので、このチェック方法はあくまで参考となります。

ストレートネック予防エクササイズ

ここからは、ストレートネックを予防するためのエクササイズを紹介していきます。ストレートネック気味の方はもちろんですが、さきほどのチェックで壁にぴったり頭が着いた方も、予防のためにエクササイズを取り入れてみましょう!

①チンイン(顎引き)エクササイズ

フェイスタオルを写真のようにロール状に巻いて枕を作ります。写真では500mlのペットボトルよりひと回り大きい程度のサイズにしています。 この枕を首の裏側の隙間にぴったりと合わせて横になります。
両膝を立てた姿勢で、顎を手前に引くようにして10秒キープします。首の裏にあるタオルが少しつぶれる感触があると正しいフォームです。これを5セット繰り返しましょう。
硬くなっている首の後ろ側の筋肉(後頭下筋群)を伸ばし、弱くなっている首の前側の筋肉(斜角筋など)を収縮させる運動です。写真を撮る際に「もっと顎を引いてください」と言われたことがあると思いますが、ちょうどあの動きに近いエクササイズになりますので、思い出しながらやってみましょう。

②顎引き+胸張りで姿勢をよくする一石二鳥エクササイズ

下の写真のように両手を背中の後ろで写真のように組んで、胸を張ります。このときストレートネック傾向の方は顎が上に上がりやすくなりますので、先ほどのチンインエクササイズを思い出して顎を手前にしっかり引いてください。
そのままの姿勢で組んだ腕を後ろに上げていきます。猫背姿勢で短縮しやすい胸の筋肉(大胸筋など)のストレッチになります。気持ちよいところで30秒止めてみましょう。これを3セット行います。顎は常に引いた状態をキープしてくださいね。

スマホ操作の姿勢を考えよう!

実は人間の頭の重さは体重の約10%と言われています。体重70Kgの男性で頭の重さは7Kgということですから、かなりの重量ですね。それだけの重さですから、スマホを使う時など、下の画像のように頭が前方に出ているほど、それを支える首の筋肉には大きな負担がかかることがよくわかると思います。
ですからスマホを操作する際は首の真上に頭が位置する状態が理想的です。そのためには可能な限り顎を引いて、下の画像のように反対の手で下から支えてあげるのがポイントです。たったこれだけの姿勢の工夫で、首から肩にかけての余分な力が抜けますので、是非一度お試しください。
せっかく首回りの固まっている筋肉をほぐしても、身体にとって不自然な姿勢を続けていると、結局ほぐしては硬くなり…と同じことの繰り返しになってしまいます。スマホやパソコンなど、私たちが画面を見て作業する時の姿勢を見直して、身体への負担を減らしていきましょう。

パソコン操作時の、肩や首への負担を減らす座り方についてはこちらの記事も参考にしてみてくださいね。
※本稿における専門家による情報は、紹介しているエクササイズの効能や有効性を保証するものではありません。ご自身の身体の状態に応じて無理のない範囲で行ってください。

参考HP
・明神館クリニック
http://www.myojin-kan.jp/ill_straight/

・東京医科大学 整形外科HP
http://www.tmuortho.com/sekitsuiblog/text-neck/