新生活シーズンは「子どもの便秘」に要注意!親子で取り組みたい快腸習慣

新生活シーズンは「子どもの便秘」に要注意!親子で取り組みたい快腸習慣

ライフスタイル

目次[非表示]

  1. 環境の変化による心理的ストレスで悪化!子どもの便秘を放置してはいけない理由は?
    1. ①排便の我慢が“便秘の2重ループ”へ
    2. ②小児期の便秘は“大人の便秘”に移行
  2. 見逃さないで!子どものお腹の不調サイン
  3. “行動” と“食事”からアプローチ!親子で取り組む快腸習慣
    1. 【対策①】毎朝のトイレ時間「うんちタイム」を作ろう
    2. 【対策②】うんちが出やすくなるよう「踏ん張り台」を設置しよう
    3. 【対策③】いつもの食事に野菜やきのこ類をプラスしよう
    4. 実はエビデンスがない?世の中に広まっている便秘対策の“常識”
急に寒暖が変化し気温差が激しくなる春先は、新生活へのストレスと相まって自律神経が乱れがちなシーズン。その症状として頭痛や睡眠異常(不眠や日中の眠気)に慢性的な疲労感などが挙げられますが、便秘もその一つ。そこで気をつけたいのは、そうしたストレス由来の便秘症状が大人だけでなく子どもにも見られることです。

NPO法人「日本トイレ研究所」が昨年11月に実施した調査(※)によると、小学生の4人中1人に便秘の疑いがあることが判明。便秘が疑われる硬い便(「1 ころころ」または「2 ごつごつ」)が10日間で2回以上あった子どもが24.6%を占めたそうです。

※NPO法人日本トイレ研究所「小学生の排便に関する記録調査」

「便秘なんて健康に害はないし自然に収まる」と楽観視する方もいるかもしれませんが、腸内環境の悪化はさまざまな病気を引き起こすおそれがあるので、しっかり原因を究明し改善したいところ。そこで今回は、子どもの便秘に詳しいユアクリニック秋葉原の院長・杉原桂先生の解説を交えながら、子どもの便秘の原因や親子でできる予防法をご紹介します。

環境の変化による心理的ストレスで悪化!子どもの便秘を放置してはいけない理由は?

子どもが便秘になる大きな要因として考えられるのは、食生活とストレス。このうちストレスについて、杉原先生は「コロナ禍以降、家庭内環境が変わった、外で思いっきり遊べない、友だちになかなか会えないなどのストレスにより、便秘を発症するケースが多く見られました」とコロナ禍の影響を指摘。脳と腸は互いに影響を及ぼす関係にあり、心理的ストレスによって気づかないうちに交感神経が優位となると、副交感神経によって働きかける腸の動きが鈍くなり、便秘を発症しやすくなるのだそうです。

さらに杉原先生はコロナ禍のストレスに加え、入園・入学・新学期で生活環境が大きく変化することも要因として指摘。「『新生活の緊張』『学校のトイレに慣れない・恥ずかしい』『登校前にトイレに行く余裕がない』という3つの原因がさらに便秘を悪化させてしまう場合があるので、便秘が気になる場合は、今のうちに対策をしておく必要があるでしょう」と警鐘を鳴らしていました。

では、なぜ早めに対策する必要があるのか? 杉原先生によると、子どもの便秘を放置すると次のような悪影響を及ぼすおそれがあるのだそうです。

(画像提供:雪国まいたけPR事務局)

①排便の我慢が“便秘の2重ループ”へ

痛みを伴う排便を経験するとついつい我慢するようになり、その結果、慢性的な便秘に発展してしまう場合があります。さらに、常に便が直腸にある状態が続くと、腸がだんだん鈍感になり、便意が起こりにくくなります。すると、ますます便が硬くなり、たまってしまうといった悪循環が起きて“便秘の2重ループ”に陥ることも。この悪循環が続くと、直腸や結腸が次第に拡大して巨大結腸となり、大腸内に巨大な便の塊ができた結果、少量の便が漏れでる「遺糞症」となることもあります。

②小児期の便秘は“大人の便秘”に移行

「小児慢性機能性便秘症診療ガイドライン」(※)によると、5歳以上の小児期に来院した便秘患児の4人に1人が大人の便秘へ移行すると言われています。子どもに辛い思いもさせないためにも、そして成人期に便秘を持ち越さないためにも、早めの対応が重要です。

※日本小児栄養消化器肝臓学会・日本小児消化管機能研究会「小児慢性機能性便秘症診療ガイドライン」

見逃さないで!子どものお腹の不調サイン

特に小さいうちは便秘という概念がなかったり、また恥ずかしさのせいで、子どもは症状があってもなかなか自己申告できないもの。そこで大切なのが、親が子どもの排便の変化に気づいてあげること。杉原先生によると、子どもに次のような症状が見られたら便秘の疑いがあるそうなので、ぜひ毎日の状態をチェックしてあげてください。

■排便が週3回より少ない(または5日以上出ない)
■排便を痛がる
■排便時に肛門が切れ、出血することがある
■硬い便やコロコロの便が出る
■少量の便が頻繁に漏れ出ている

“行動” と“食事”からアプローチ!親子で取り組む快腸習慣

では、子どもにお腹の不調や便秘の症状が見られたら、どうすればいいのか? 杉原先生は「子どもの便秘は親次第。便秘にならない生活リズムや食生活を整えてあげることが大切です。行動面と食事面、2つのアプローチから快腸習慣を作りましょう」と次のような対策を挙げていただきました。

【対策①】毎朝のトイレ時間「うんちタイム」を作ろう

朝食をしっかり摂り、トイレに行く時間をきちんと確保するためにも、夜更かし・寝坊は厳禁。規則正しい生活習慣と規則正しい排便習慣を心掛けましょう。ただし、子どものストレスになるような排便を強制する声かけは良くありません。便器に座るのは、長くても10分程度。まずは便器に座る習慣を身につけ、便が出たら子どもと一緒に喜んであげましょう。

【対策②】うんちが出やすくなるよう「踏ん張り台」を設置しよう

大人だけでなく子どもも排便時の姿勢が、便秘解消には大きく関係します。洋式トイレの場合、足が少し持ち上がる踏ん張り台を使うことで、直腸がまっすぐになり、うんちが出やすくなる場合がありますので、ぜひ試してみてください。

【対策③】いつもの食事に野菜やきのこ類をプラスしよう

便秘解消には、バランスの良い食事が大切。中でも、食物繊維を積極的に摂取することをおすすめします。食物繊維には「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」があり、どちらも体内には吸収されませんが、第6の栄養素ともいわれるほど重要な役割を担っています。このうち「不溶性食物繊維」は、水分や老廃物などを吸着して便のカサを増し、腸を刺激してぜん動運動を活発化させ、排便を促す役割があります。

忙しい朝は特にパンやご飯など炭水化物中心の食事になってしまいがちですが、野菜やきのこ類、海藻類、果物など、食物繊維が豊富に含まれている食品を一緒に食べることが重要です。中でもおすすめしたいのが、味噌汁の具としてなど手軽に食べられるきのこ類。特にまいたけは、不溶性食物繊維などの食物繊維が豊富なのはもちろん、骨の生成や風邪予防、アレルギーの抑制効果など、子どもの成長と健康に欠かせないビタミンDも豊富に含まれています。

実はエビデンスがない?世の中に広まっている便秘対策の“常識”

一方、便秘には水分や乳製品を摂ると良いと言われていますが、杉原先生によると「子どもに脱水症状がない場合、水分を多めに摂取しても尿として出てしまい、便通改善に効果があるといったエビデンスはありません。ヨーグルトも、腸内環境を整え人の身体に良い影響を与える乳酸菌が入ったプロバイオティクス食品ですが、子どもの便秘に対する効果は医学的な結論が出ていないのが現状です」と医学的に明らかになっていないことも多いそう。

また、浣腸や下剤を子どものうちから使用すると癖になってしまいそう…と抵抗がある方もいるでしょうが、杉原先生によると「直腸にたまってしまった便をまずは取り除いて空っぽにし、便意が起こりにくくなっている悪循環を断ち切ることが一番重要。子どものうちから使用することで、癖になる、排便の力が弱まるといったことは医学的根拠がありませんので、医師の診断・指導のもと正しく使用すれば問題ありません」と、便秘の症状がひどくなる前に医療機関で診察を受けるよう推奨していました。
便秘はよくある病気で大して心配することではないと考えられがちですが、お腹の不調が続くと病気を引き起こしたり日々の生活における活力が失われるおそれも。慢性的な便秘になってしまう前にパパママが子どもの状態をチェックし、親子で一緒に快腸習慣に取り組んでみてください。

<専門家プロフィール>
杉原 桂

医師、医学博士、日本小児科学会認定小児科専門医、医師会認定産業医
ユアクリニック秋葉原院長/医療社団法人縁風会理事長
昭和大学病院小児科などを経て、2015年、ユアクリニックお茶の水を開設。複数の大学医学部で講師を務める傍ら、メディア出演や医療監修も多数務める。

記事協力:雪国まいたけPR事務局

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