
楽しみながら仕事の生産性がアップする「コクヨ式」とは!?
楽しみながら仕事の生産性がアップする!?
皆さんは「コクヨ式」という言葉を聞いたことがありますか?「コクヨ式」とは、日本を代表する文具・オフィス家具・事務機器メーカーのコクヨが提唱するビジネス環境の整理術。
整理術といっても、単なる片付けや整理が目的ではありません。働く空間を改善することで仕事を楽しく効率的にするためのメソッドです。
今、その「コクヨ式」の実例を紹介した本が話題になっています。
今回、家men編集部は「コクヨ式」の最新刊『仕事がサクサクはかどる コクヨのシンプル整理術』(※1)(以下、『シンプル整理術』)の編集を務めたコクヨ株式会社ステーショナリー事業部広報宣伝部部長・白石良男さんにインタビュー。「コクヨ式」の考え方から実践まで、たっぷり教えていただきました。
小さな工夫を楽しむのが「コクヨ式」
ー「コクヨ式」のノート術や整理術といった本を出版されていますが、そもそも「コクヨ式」とはどのようなメソッドなのでしょうか?
「コクヨ式」は当たり前のことを当たり前にやる。あるいは、当たり前のことに創意工夫を重ねるというコクヨの社風につながる考え方です。
ー創意工夫を重ねるのが社風
はい、コクヨのビジネスは、特別なテクノロジーや特許等によるものではありません。普通の人が面倒に思って行わないようなことでも、役に立つようなことを考え、実践する。創意工夫を積み上げてきたものなんです。
ー社内ではどういった「コクヨ式」をされているのでしょうか?
一人ひとりの社員がそれぞれ考えて、小さなことから実践しています。例えば、ある社員は、上司や同僚に渡す書類を仏像が写ったクリヤーホルダーに入れて、セリフのように依頼内容と名前を記入した付箋を貼っています。
『仕事がサクサクはかどる コクヨのシンプル整理術』には、コクヨ社員の創意工夫が詰まっている
ー仏像ですか?
はい。シチュエーションによってホルダーの種類を使い分け、急いで読んでほしい時は怖い表情の仏像を選んでいるそうです(笑)。
ー確かに、怖い表情だと「何だろう?」と気になりそうです。
仏像が好きで楽しんでやっているそうですが、普通のクリヤーホルダーに入れるよりも、受け取る側が何かしらのメッセージを感じられる効果が期待できます。怖い表情の時は、早めにチェックした方がいいのかな…と。
ー効果ありますね!
はい。ただ単に仏像が好きだからそのクリヤーホルダーを使うのではなく、怖い表情の仏像ホルダーで渡すことによって、書類を早く読んでもらうという目的を達成しています。
ーなるほど!その方ならではの創意工夫ですね。
一人ひとりが小さな工夫を考えて実践し、またそれを楽しみながら取り組むことが結果的に生産性のアップにつながっています。こういう地味なことでも工夫することが「コクヨ式」と言えると思います。
今回、お話を伺った、ステーショナリー事業部広報宣伝部部長・白石良男さん
ープロダクトではなく社内のメソッドである「コクヨ式」を発信されるようになったきっかけは?
私たちは、これまで文具やオフィス家具の販売を通じて「働く空間作り」を提案してきました。その中で、コクヨは基本的にプロダクト寄りのビジネスで価値を認められてきました。でもこれからはモノづくりだけで認められる時代ではありません。働き方改革についても議論が高まり、オフィスが必要のない働き方も生まれています。ならばコクヨもプロダクト以外の新しい価値を生み出す必要があるのではないかという考えが背景にあります。
100通りのメソッドを集めるのは大変!
ー「コクヨ式」を提唱した本は『たった1分ですっきりまとまる コクヨのシンプルノート術』(※2)(以下、『シンプルノート術』)が最初ですね。
これは出版社からたまたま持ちかけられた企画です。それまで社内には明確なノート術なんて存在しないと思っていました。ところが本のネタ集めで社員のノートの使い方を調べているうちに、小さな工夫がいくつも見つかりました。
ーノートの使い方ひとつでも、社員それぞれが工夫を重ねていた。
はい。結果的に、“役に立つ100メソッド”として提示することができるほどの事例が集まりました。
ーヒアリングをしたことで、分かったんですね。
私たちが当たり前に実践している「コクヨ式」の小さな工夫が世の中の参考になるんだと改めて気づきました。また、ノートの使い方だけではなく“整理”についても工夫している事例がたくさんあることに気が付きました。社内のヒアリングを重ね『シンプル整理術』が誕生したわけです。
ー『シンプル整理術』でも100メソッドが紹介されていました。100通りも提案するのは大変じゃないですか?
実は、最初は「100メソッドすべてが誰にとっても役立つものでなければいけない」と気負っていました。でも、『シンプルノート術』のレビューを見てみると「役立つ項目がいくつかあって良かった」という感想があって。100ある中のうちすべてではなく、そのいくつかだけでも読んだ方に合ったものが見つかり役に立てばいいんだと目から鱗が落ちたように気持ちが楽になりました。とはいえ100通りのアイデア例を集めるのは確かに大変で、「キリが悪いけど80メソッドでもいいかな」とくじけそうになったこともあります(笑)
ーアイデアはどうやって社内から集めたのですか?
まずはメールや社内の掲示板で社員から創意工夫の事例を募集しました。ただ、小さな工夫というのは本人にとっては普段から習慣化している当たり前のことなので、「工夫といえるほど特別なことはしていない」と考えがちなんですよね。『シンプル整理術』の時はオフィスをぶらぶら歩き回って、「珍しいやり方ですね。面白いじゃないですか」と直接声を掛けて話を聞いて、地道に足を使ってネタを集めたりもしました。
\その他おすすめ記事はこちら/
・ワイシャツの襟汚れもキレイに!頑固な襟汚れの落とし方と予防法をご紹介
・泥汚れがよく落ちるコツ!泥まみれの子ども服をキレイに洗う方法とは?
・夫婦円満の秘訣とは?日々のすれ違いをなくす夫婦ビジョンの作り方!
(※1)『仕事がサクサクはかどる コクヨのシンプル整理術』(著者:コクヨ株式会社 出版社:KADOKAWA 2017年10月発売)
楽にできる、すぐできる。 仕事の効率&生産性を上げる100メソッド集結
(※2)『たった1分ですっきりまとまる コクヨのシンプルノート術』(著者:コクヨ株式会社 出版社:KADOKAWA 2016年12月発売)
日本でいちばんノートを売る会社が実践する、最強のノートメソッド100!