【父親像の歴史】令和時代の家族のカタチと父親像はどうなっていく?(後編)

【父親像の歴史】令和時代の家族のカタチと父親像はどうなっていく?(後編)

ライフスタイル

目次[非表示]

  1. 「父親」ではなく「親」になる
  2. 家族を維持する難易度は高まっていく? そして真のワークライフバランスとは

家族を維持する難易度は高まっていく? そして真のワークライフバランスとは

──男女の役割が互換的になっていくという流れにおいて、男性にとって家庭はどのような場になっていくのでしょうか。

家のことはすべて妻に任せていた時代とは違って、家事育児の分担をしっかり決めてマネジメントし、妻子のケアもする…つまり「家族を維持する」必要がある。今までにない楽しさもあるけど、その一方で今までにない大変さも付きまとってきます。

──家族を維持する努力を怠るリスクは何ですか?

夫婦間の不満が蓄積し、熟年離婚に至る危険性が高まるでしょうね。日ごろから夫婦で意思疎通を行う時間を作っておかないと、致命的なすれ違いに発展するおそれがあるので、意識しておいた方がいいと思いますよ。

──以前よりも家族を維持する難易度は高まってきている気がします。

やることや考えることが多すぎて、人によっては「家族を維持すること」が仕事のように感じられ、負担になるでしょう。そうならないためには、まず会社で働く時間を減らさないといけません。

──どれぐらい働く時間が減るのが理想的でしょうか。

会社で仕事、家庭で家事育児を行い、それだけで1日が終わってしまう状況が最も辛いですよね。仕事と家事育児を行った上で自由な時間が残っていないと、会社や家庭における作業効率を見直したり、あるいはパートナーと意思疎通を行う余裕も持てなくなりますから。

──目の前の実務だけに追われていると、会社や家庭での問題改善まで意識が回らないも仕方ないですね。

まだ会社の業務は同僚や部下に頼ることができますが、家庭であれば職務分配も会計管理も夫婦だけで行う必要があるから、時間の余裕がないとなおさら大変なのです。

──昨今はワークライフバランスが重要視されていますが、仕事と家庭の両立に手一杯だとなかなか満足感を得にくいでしょうね。

たとえ仕事と家庭を両立できたとしても、それは有償労働と無償労働を両立しているにすぎず、いわば“ワークワーク”バランスです。仕事も家事も育児もしない、本当の意味での自由な時間も得られてようやくワークライフバランスを実現したと言えるのではないでしょうか。

予想と分析をまとめると…
令和のお父さんってこんな感じ…?

まだまだ令和は始まったばかりで、未来を予測することも困難ではあるものの、今回のインタビューは家庭を守っていくためのヒントに富んだ内容でした。


家族を維持する重要性と、真のワークライフバランスを実現するために欠かせない自由な時間。これらを肝に銘じながら、令和の時代に望んでみてはいかがでしょうか。
▼前篇はこちら
<インタビュー協力>
筒井 淳也(立命館大学 産業社会学部教授)

1970年生まれ。93年一橋大学社会学部卒業、99年同大学大学院社会学研究科博士後期課程満期退学。現在は立命館大学 産業社会学部教授。主な専門は家族社会学・計量社会学。著書に『結婚と家族のこれから 共働き社会の限界』(光文社新書)『仕事と家族 日本はなぜ働きづらく、産みにくいのか』(中公新書)など。

イラスト:武田侑大
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