
焼酎聖地宮崎の蔵元さんを巡る旅 後編(県南・県西)
趣味・遊び
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町田正英(焼酎ナビゲーター)
「焼酎聖地宮崎県の蔵元さんを巡る旅」の後編は、「県北・県央」と「県南・県西」の2回に分けて蔵元さんをご紹介しています。
県南では、日南市の小玉醸造さんと古澤醸造さん。県西では、都城市の柳田酒造さんと小林市の須木酒造さん。それぞれ焼酎を「作る人」にスポットを当ててお伝えします。
■前編と後編(県北・県央)はこちら
県南では、日南市の小玉醸造さんと古澤醸造さん。県西では、都城市の柳田酒造さんと小林市の須木酒造さん。それぞれ焼酎を「作る人」にスポットを当ててお伝えします。
■前編と後編(県北・県央)はこちら
【県南編】薩摩藩との食文化が交じり合う多様な地域性
県南の特長は、鹿児島に隣接し、南国らしい気候と漁業が盛んな土地柄です。
ここには宮崎県内全38蔵のうち約30%の13蔵が集中しています。飫肥藩のゆかりを思わせる城下町や、かつては醤油や味噌など発酵食品が製造されていた醸造の町です。特に南の串間は鹿児島焼酎文化の影響が強い特色もあります。
ここには宮崎県内全38蔵のうち約30%の13蔵が集中しています。飫肥藩のゆかりを思わせる城下町や、かつては醤油や味噌など発酵食品が製造されていた醸造の町です。特に南の串間は鹿児島焼酎文化の影響が強い特色もあります。
小玉酒造
飫肥藩の歴史が息づく小京都で醸す焼酎
小玉醸造さんのある日南市は、海岸線が美しい日南海岸国定公園や、歴史的な町並みが残る飫肥や油津が有名。
また温暖な気候を利用した柑橘類の生産も盛んで、漁業でもカツオ1本釣りの水揚げが全国1位と、食を支える宮崎らしさがある地域です。
また温暖な気候を利用した柑橘類の生産も盛んで、漁業でもカツオ1本釣りの水揚げが全国1位と、食を支える宮崎らしさがある地域です。
蔵は飫肥藩の情緒が残る城下町に位置し、敷地の横には優雅に錦鯉が泳ぐ水路があり、小京都さながらの雰囲気があります。
小玉醸造さんの歴史と地元日南市の魅力を重ねた焼酎作りの物語は2001年から始まります。名物マグロの食べ方を工場長の工藤さんに教わりながら、蔵の新生ストーリーを聞かせていただきました。
小玉醸造さんの歴史と地元日南市の魅力を重ねた焼酎作りの物語は2001年から始まります。名物マグロの食べ方を工場長の工藤さんに教わりながら、蔵の新生ストーリーを聞かせていただきました。
蔵人は東京から日南市へ
工藤さんのご出身は東京で、宮崎にて新たな人生を歩んだIターン。プライベートでは地域の野球チームの監督を務めているなど、都会からの移住型でありながら蔵の顔としてご活躍中です。
人口減少に対応した人口増への施策が全国各自治体の喫緊の課題ですが、蔵人・工藤さんのライフスタイルは日南市の成功事例。杜氏の金丸潤平さんと工場長の工藤さんという、蔵の顔が2枚あることが小玉醸造ブランドの強みでもあります。
人口減少に対応した人口増への施策が全国各自治体の喫緊の課題ですが、蔵人・工藤さんのライフスタイルは日南市の成功事例。杜氏の金丸潤平さんと工場長の工藤さんという、蔵の顔が2枚あることが小玉醸造ブランドの強みでもあります。
2つの蔵が融合した背景
小玉醸造には2つの蔵の歴史があります。一つは杜氏・金丸さんのご実家発のもの。
金丸さんのご実家は宮崎市で「金丸本店」という造り酒屋を営んでいたそうで、明治時代から味噌や醤油、清酒、焼酎を作っていた5代目の時代に、他の蔵と合併することになりました。
金丸さんのご実家は宮崎市で「金丸本店」という造り酒屋を営んでいたそうで、明治時代から味噌や醤油、清酒、焼酎を作っていた5代目の時代に、他の蔵と合併することになりました。
一方「小玉醸造」は、当初の屋号は冨士屋で、江戸時代創業の由緒ある蔵です。
富士屋の所以は飫肥藩主・伊東家発祥の地である伊豆にちなみ、冨士という芋焼酎を作っていたことが背景です。休業していた「小玉醸造」を2001年に金丸さんが継承し杜氏となりました。
富士屋の所以は飫肥藩主・伊東家発祥の地である伊豆にちなみ、冨士という芋焼酎を作っていたことが背景です。休業していた「小玉醸造」を2001年に金丸さんが継承し杜氏となりました。
地元の素材と手仕事にこだわり
焼酎作りの素材にはこだわりがあり、主要な素材は県南串間市のサツマイモ・宮崎紅。全製造の80%が宮崎紅であることが小玉醸造さんの大きな特長で、独自の世界観の象徴です。
そして作りは「手仕事」で対応することも大きなこだわり。酒造りは、一麹(いちこうじ)・二酛(にもと)・三造り(さんつくり)と昔から言われていますが、この酒造りの重要な工程を「手仕事」で行います。結果、焼酎は複雑な甘みを要し、味わいも深く伸びるそうです。
そして作りは「手仕事」で対応することも大きなこだわり。酒造りは、一麹(いちこうじ)・二酛(にもと)・三造り(さんつくり)と昔から言われていますが、この酒造りの重要な工程を「手仕事」で行います。結果、焼酎は複雑な甘みを要し、味わいも深く伸びるそうです。
「繊細・調和。余韻」をテーマとして新たな発想で焼酎作りに挑む杜氏と、新たな風を入れる東京出身の工場長のコンビが織り成す日南市飫肥発の新焼酎文化。
ここで醸される焼酎は紅芋ならではの品格ある雅な香りをまといます。次世代の代表各である蔵元の思いをぜひ焼酎の香りとともに受け止めていただきたいです。
ここで醸される焼酎は紅芋ならではの品格ある雅な香りをまといます。次世代の代表各である蔵元の思いをぜひ焼酎の香りとともに受け止めていただきたいです。
■小玉醸造 HP
http://www.kodamadistillery.co.jp/
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