「家族がいることで“粘土道”の可能性がさらに広がった」Daddy's Talk 第12回 片桐仁さん(お笑い芸人・俳優・粘土造形家)

「家族がいることで“粘土道”の可能性がさらに広がった」Daddy's Talk 第12回 片桐仁さん(お笑い芸人・俳優・粘土造形家)

趣味・遊び

目次[非表示]

  1. “何かに粘土を盛る”という制約があるから粘土道は面白い
  2. 粘土遊びは子どもが創作を親しむ入口にピッタリ
  3. 言いたくないのにガミガミ怒ってしまうのが育児の悩み

言いたくないのにガミガミ怒ってしまうのが育児の悩み

──創作活動のスタートから4年後の2003年に結婚されていますが、家庭を持ったことは創作活動に影響を及ぼしましたか?

もちろんありますよ。20年間創作を続けてこれた理由の一つは、家族の支えがあってこそですから。それに、哺乳瓶、ガラガラ、おしゃぶりなど、子どもと生活しているからこそ見つけられた作品モチーフもたくさんあります。ガラガラは粘土を盛ったら重すぎて子どもが持てなくなり、挙げ句にポキッと折られてしまいましたが(笑)。わざわざガチャガチャの筐体を買って粘土アートを作ったこともあり、あれは子どもが喜びましたね。

──お子さんたちとコラボした作品はありますか?

子どもって道に落ちている物を何でも拾うじゃないですか。長男もネジとか自転車のパーツの破片とか訳の分からないものを拾って、そうやって山積みにたまったものを材料にして小2の自由研究を一緒に作ったことがあります。この「スジンクス」です。スフィンクスの顔の部分は僕が本気で作りましたが(笑)。

子どもと制作した粘土アート「スジンクス」。右が「ガラガラ天」

──お子さんも片桐さんと一緒に粘土などの創作を楽しんでいますか?

僕と一緒に粘土を作りたくて部屋に来ることがありますが、途中で飽きて結局「作って」って頼むんですよ。作品として完成するまで大人がうまく導いてあげられるといいんですが、これがなかなか難しい。でも自分が子どもの頃を思い出しても、プラモデルを最後まで完成させたことなんてほとんどなかったし、それで良いと思っているんです。他には絵を描くのが好きですが、絵画教室に通うほど本腰を入れているわけではありません。

──父親がアーティストだからといって子どもも創作に熱心というわけではないんですね。

親子の人格なんて別ですし、親が無理やりやらせるものでもありませんから。むしろ父親がアーティストということが「息子も才能を受け継いでいて当たり前」と子どものプレッシャーになってないか心配ですね。

──他に育児で悩んでいることはありますか?

ガミガミ怒ってしまうことですね。小さい頃に親からガミガミ言われるのがあれほど嫌だったのに、いいところも悪いところも含めて僕と妻の個性を子どもたちが受け継いでいるものだから、気づけばつい口うるさく怒ってしまうんですよ。

──どんなことで怒ってしまうんですか?

長男は今年の4月から高校生になるのに、今でも親と一緒に寝たがるし、何かあるたびに「どうしたらいい?」と尋ねてくるんです。だからちゃんと自立してほしくてついキツく注意してしまいます。逆に次男は頑固者で、何でも自分の思い通りにしようとしたがります。この前も副鼻腔炎で安静にしなきゃいけないのに「友達の家に遊びに行く」と言って譲らず、ダメだって注意してるのに出かける準備を勝手に進めるんですよ(笑)。

──お子さんの性格が正反対だと、怒るネタもたくさんありそうですね。

あと、次男は炭水化物以外の食べ物がほとんど嫌いで、ご飯を食べ終わるまで2時間かかることもあり、それでまたガミガミ怒ってしまうんですよね…。でもそういう時、最終的には「もういいよ」って言います。というのも、僕も小さい頃は好き嫌いが激しかったけど、大人になって生活に困った時期から何でも好きになったんです。それに大人になれば味覚も変わるし、次男もそのうち食べられるようになるはずだからいいやと思っています。

──そうした育児の悩みを相談する相手はいますか?

マキタスポーツさんは年齢でもパパとしても先輩で、育児においても確固たるポリシーがある方なので、何かと相談しています。それにマキタさんって「俺に任せろ、何でも聞け」みたいな兄貴っぽさがあるからつい頼りたくなるんですよ。ああいう兄貴感に憧れますね。

──これまでの育児を通じて得られた気づきを踏まえて、今後の家庭生活での目標があればお聞かせください。

「子どもは思った通りに育たないもの」だと痛感しています。それでも子どもなりに着実に成長してくれているので、将来やりたいことが見つかるよう手助けしながら、自立できるよう見守ってあげたいですね。
奇抜な粘土アートを生み出すイマジネーションの源泉を熱く語ったかと思えば、思うようにいかない育児を愚痴る等身大のパパエピソードを披露したり、ありのままの自分をさらけ出そうとする片桐さんの姿勢が印象的なインタビューでした。これから子どもの成長と共に家族生活のあり方が変わることで、新たな創作の原動力になることを期待します。
<インタビュー協力プロフィール>
片桐 仁(かたぎり じん)

1973年生まれ。多摩美術大学卒業。大学在学中に小林賢太郎と共にコントグループ「ラーメンズ」を結成。現在はテレビ・舞台を中心にドラマ・ラジオ等で活躍中。また、1999年より俳優業の傍ら粘土造形家としても活動を開始し、全国各地で作品展を開催している。

写真:木原基行

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