
「くるま旅」に出れば家族の絆を深められる?キャンピングカー“自由気ままな旅”の実態と魅力
車内にベッド・キッチン・トイレなどの生活設備を備えた、移動手段の「車」であり生活場所の「家」でもあるキャンピングカー。
旅行において宿の予約が不要で、なおかつテントの設営・撤収時間も省くことができるという“走る家”ならではの自由気ままな旅に憧れているパパも少なくないと思いますが、実際のところどんな「くるま旅」が体験できるのか?
そこで今回は、一般社団法人日本RV協会がキャンピングカーを所有または興味を持っている方に行った調査結果を通じて、旅の日程から過ごし方に至るまで「くるま旅」の実態についてご紹介します。
最も一般的な日程は、合理的な「週末の2泊3日」
キャンピングカーを所有しているユーザーは、1年のうちどれだけキャンピングカーを使っているのでしょうか。
稼働回数で最も多かったのは1~10回で41.5%。次いで11~20回が28.5%と続きます。7割のユーザーは平均して1カ月に1~2回ということになります。
31回以上という人も少なからずいて、これは仕事をリタイヤされている層が一定数いると考えられます。
それでは、出かける時の日程や時期はどうなっているのでしょう?
最も多い日程は2泊3日で34.4%。そして、出かけることが多い時期は週末で48.3%と約半数となっています。
これは、キャンピングカーのアドバンテージを最大限利用した使い方ということが理解できます。つまり、仕事を終えた金曜日の晩に出発して目的地(やその近く)で仮眠をとった後、朝の渋滞に巻き込まれることなく土日を目いっぱい楽しんでいるのではないでしょうか。
実質は1泊2日の旅行ですが、電車や乗用車を使った1泊2日旅以上の充実感が得られそうですね。
旅の計画は出発直前に!宿泊(仮眠)は道の駅がダントツ
思い立ったらいつでも出発できるのが「くるま旅」ですが、実際はいつから計画をスタートするものなのか?
乗用車等であれば、宿を手配する必要もあって1カ月前以上というのが通常でしょう。しかし、キャンピングカーオーナーの場合は、半数以上の人が「直前」と答えています。
やはり「思い立ったら出発できる」という強みを存分に発揮しているようです。
1日あたりの予算については「特に決めていない」と答えた人が58.8%とトップを占めました。
どこでどんな食事をするのか、あるいはどんな観光や遊びをするのか直前に決めることが多い人たちにとって、予算は自由に幅を持たせて行動していることが伺えます。
1日の走行距離については、300km以下が38.9%でトップ、次いで200km以下と続きます。
行き先を直前に決めても、7割近くの人は200km~300km程度は走り、途中で快適に休憩を取ることのできるキャンピングカーでのくるま旅を楽しんでいるようです。
旅先の仮眠を含めた宿泊のトップは「道の駅」で6割を占めています。これは、トイレ等などの設備があり、広い駐車場や深夜でも駐車できるという点が要因になっているようです。
近年話題のRVパークは全体の約1割に過ぎませんが、利用者数の伸びや関心度が高くなっていることを踏まえると、今度さらに数値が上昇すると思われます。
くるま旅の必須道具と装備はコレ!
くるま旅に持って行く道具のトップは「お風呂セット」で61.9%。旅先で温泉を見つけたらいつでも入れるよう準備は怠りません。
旅行の必需品のカメラは2位で13.3%。常備薬は8.0%ですが、行った先に常に薬局や病院がないことを考えると重要なアイテムと言えるでしょう。
一方、キャンピングカーにとって常につきまとう不安といえば電力の問題。電子レンジやエアコンなど、装備が高級化、多様化しているだけに大いに気になります。
電力対策については8割以上の人が「考えている」と答えていて、その具体例として多いのが同率首位で「サブバッテリーの強化」と「ソーラーシステムの装備」。
特にソーラーシステムについての関心度は高く、近年ではソーラーシステムを標準装備化するキャンピングカーも増加しています。高価ではありますがリチウムイオンバッテリーの需要も高まっているようです。
また、電源確保の拠点としてRVパークが第1位で38.5%となっています。
安心・安全のための宿泊施設として、現在、全国に約140カ所オープン。その認知度は年々高まっており、「キャンピングカー白書2018」によるとRVパークを利用してみたいというオーナーは92.6%にものぼっています。
「くるま旅」ならではの関心事と楽しみな過ごし方は?
では「くるま旅」の旅先で一番気になることは何でしょうか?
これは、宿泊(仮眠)場所とお風呂が1位、2位を占めました。
海外に比べれば非常に治安の良い日本とはいえ、最低限の安全は確保しなければなりません。お風呂は景観(露天風呂の有無など)や営業時間など、多少なりとも制約される点もあります。
旅先での食事はレストランなどの食事処がトップで61.2%、自炊(食材は主に現地調達)が26.7%で第2位でした。
旅のすべてでレストラン等を利用すると高額になるし、かといって毎食が自炊だと大変なので、リーズナブルな自炊と便利な外食を使い分けてくるま旅を楽しんでいるようです。
最後に旅先での過ごし方についても質問したところ、家族との会話(40.5%)を筆頭に、晩酌、自分の趣味の順となりました。晩酌が2位というのは、旅先でも自宅で家族とくつろぐようなプライベート空間が確保できるキャンピングカーならではの安心感にほかなりませんね。
キャンピングカーに乗るというのは、単に車で各地を渡り歩くだけではないことが実感できる結果ですね。
ちなみに日本RV協会がキャンピングカー利用者に行った別調査によると「夫婦で一緒に過ごす時間が増えたと思いますか?」という質問にはいと答えた方は約8割。
その中から「夫婦の会話が増えたと思いますか?」と尋ねたところ、はいと答えた方は93.0%にも上ります。
さらに子どもについても同様のことを質問したところ、一緒にいる時間が増えたと答えた方は58.8%、子どもとの会話については85.4%が増えたという結果になりました。
夫婦間・親子間において一緒に過ごす時間や会話が増えたことは、やはりキャンピングカーで出かけることでより相手が近くに感じられるようになったのではないでしょうか。
キャンピングカーが家族の絆にどれだけ大きく貢献しているのかが垣間見えますね。
宿のチェックイン・チェックアウトの時間に縛られず、目的地だけ決めて自由気ままに旅する──。
キャンピングカー利用者たちのリアルな体験談を聞いているうちに、電車や乗用車での旅ではなかなか体験できない「くるま旅」に出かけてみたくなったことでしょう。
ホテルの部屋ほど広くはないものの、逆にコンパクトな密室空間だからこそ家族との距離がグッと近くなる「くるま旅」を通じて、パパと家族のコミュニケーションを深めてみませんか。
■調査概要
調査地域:全国
調査対象:日本RV協会ホームページ閲覧者
調査手法:Webアンケート
調査時期:2019年7月18日(木)~2019年8月17日(土)
■日本RV協会 URL:https://www.jrva.com/