
“1年の計”を書き初めしよう!大人から始める書道のススメ【男の趣味活】
皆さんは最近、毛筆で字を書いたことがありますか?
冠婚葬祭の「のし袋」の表書きで筆ペンを使う機会はわりとありますが、毛筆となると子ども時代の習字の授業や書き初めが最後…という方も少なくないのではないでしょうか。
お正月といえば書き初め。
久しぶりに毛筆を手にし、1年の計を書き初めしてみませんか。
書道に必要な基本道具「文房四宝」の選び方
取り急ぎ今日にでも書き初めをしたい!という方はお子さんの習字セットを借りるのもいいですが、これからも書道で字を書いていく意気込みがあれば、ぜひ自分用の道具を買ってください。
ネット通販で安価なセットを手に入れることも可能ですが、ちゃんとした道具であるほど断然書きやすくなります。
せめて「文房四宝」と呼ばれる基本道具(筆・墨・硯・紙)だけでも、価格ではなく品質優先で揃えていきましょう。
筆
書道筆は、筆の原料によって「剛毛筆(楷書や大きめの字を書く用)」「柔毛筆(行書や草書を書く用)」「兼毛筆(剛毛と柔毛のミックス)」の3種類に分かれます。初心者は兼毛筆が最も使いやすいのでオススメですよ。
さらに、筆の長さや穂の太さによってさまざまな種類があるので、書きたい字のタイプや習熟度に応じたものを選びましょう(穂先も軸も長いほど上級者向き)。
なお、下記の「四徳」を備えたものが良い筆とされています。
・尖:筆の先端である穂先が尖っていること
・斉:穂先がきれいにまとまっていること
・円:穂先がきれいな円錐状になっていること
・健:穂に程よいコシと弾力があること
墨
使いやすさでいうと断然墨汁ですが、大人の趣味としてたしなむのであれば固形墨がオススメ。墨汁と比べると、色の深みや奥行きに格段の差があります。
また墨の種類には中国産の唐墨と日本産の和墨があり、硬めの唐墨は漢字を、柔らかめの和墨はひらがなを書くのに適しています。
硯(すずり)
固形墨を使う場合は天然石を材料とした硯を推奨しますが、墨汁で手軽に書くのであればプラスチック製やセラミック製でも支障ありません。固形墨を磨(す)るための硯は、表面の凸凹が細かく滑らかなものや、磨った墨がすぐ乾かないよう水持ちがいいものを選ぶといいですよ。
紙
紙は製造方法によって質感が大きく変わります。手漉きはにじみやかすれが出るため、表情豊かな字を書くことができます。ただし値段が高いので手漉きは清書用にし、練習用にはにじみやかすれが出にくい機械抄きとの使い分けをオススメします。
また、一般的に紙が厚いほど筆の運びが重くなって力強い字が残せるようになり、逆に薄い紙だと筆が軽やかに動くため滑らかな字になりやすいですよ。
書き方の基本だけ押さえて、書きたい文字を自由に書こう
書道に必要な基本道具が揃ったら、筆に慣れるために実際に書いてみましょう。
趣味として書道を楽しむのであれば、何かをお手本にしたり堅苦しく気負う必要はありませんが、姿勢と筆の持ち方は次のように意識しておくといいですよ。
姿勢
背中をのばして肩の力を抜き、紙全体がよく見えるように座ります。そのまま頭を少し前に(15度くらい)傾け、体が捻じれないよう正面を向いた状態を保ちましょう。
筆の持ち方
親指と人差し指で筆の軸を挟み中指で下から添える「単鉤法」(写真)と、親指・人差し指・中指で上から軸を持って残り2本の指で下から支える「双鉤法」の2種類あります。
細かい字を書く場合は単鉤法、力強い線を出したい場合は双鉤法が適しています。
筆の弾力を利用して無心の状態でサラサラと書いていくうちに、次第に気持ちが落ち着きながら心も引き締まり、気分がスッキリしていくのが分かるはず。
まさに1年の計は書き初めにあり!
今年の正月はぜひ親子揃って書き初めにチャレンジし、身も心も引き締まった状態で新年のスタートを切りましょう。
<参照>
書道入門