
【男の育休ファイル】三つ子パパの育休体験-期間内取得型-
育児休暇の取得を計画しているパパの参考に、育休取得経験のある先輩パパたちの経験談をお伝えしていく「男の育休ファイル」。
前回は、7種類+αの「育児休業取得タイプ」をご紹介しました。
今回は、以前「男性で育休を3カ月間取得した三つ子パパの毎日とは!?」に登場いただいた広告制作会社勤務の寺門さんに改めてインタビュー。ママと共働きで「期間内取得型」の育休スタイルを選び、娘3人の子育てに奮闘した寺門さんの体験を、育休前・育休中・育休後に分けて詳しく掘り下げていきます。
【育休前】普段からのコミュニケーションで申請も引き継ぎもスムーズに
─7つの育休タイプでみると、寺門さんは「期間内育休型」ですね。
はい。うちは共働き家庭で、妻の産休・育休期間と合わせて、3カ月間育休を取りました。三つ子なので、生まれてからNICU(新生児集中治療室)・GCU(回復治療室)を経て4月下旬に退院。退院したタイミングから3ヵ月間の育休をスタートしました。
▼期間内取得型の図
▼すべてのタイプ
─育休を取得しようと決めたのはいつ頃ですか?
子どもを授かったと分かった時から、漠然とは「育休を取りたいな」と考えていました。経過診断で三つ子だと分かり、妻一人で赤ちゃん3人の世話なんて無理だから絶対に育休を取ろう!と決めました。
─会社にはどのタイミングで育休を申請しましたか?
三つ子のため出産のリスクが高かったこともあり、申請のタイミングには迷いました。結局、出産3〜4カ月前まで引っ張りましたね。
─育休期間は何カ月で申請しましたか?
育休開始から180日までは国から給料の67%が給付金として受けられるので(※)、生活費のことを考慮して妻と相談した結果、3カ月間で申請しました。今考えると「もっと期間を長くすればよかったかな」と思うこともありますが、職場復帰のしやすさも考えると自分は3カ月間ぐらいで妥当だったかな。
─以前のインタビューで、寺門さんは社内初の男性育休取得者と伺いました。育休を申請した時の上司や同僚の反応は?
最初に「三つ子が産まれるので」と切り出したからか、上司には二つ返事で認めてもらいました。私の部署には女性が多いこともあって、同僚も理解を示してくれました。普段から「三つ子だし育休を取ろうかな〜」と冗談めかして前振りしていたから、実際に育休申請を報告した時も驚かれませんでしたね。
─仕事の引き継ぎは大変だったのでは?
普段から同僚とのコミュニケーションは綿密に取っていたので、わりとスムーズに引き継ぎできました。ちょうど引き継ぎの時期に会社から携帯電話が支給され、「いざとなったら電話で1本連絡してください」とお願いしました。
【育休中】夫婦で同じスタートラインから子育てに参加
─育休中の家事育児に対して不安はありましたか?
料理は調理師免許を持っている妻に任せっきりでしたが、出産前から皿洗いや洗濯は率先的に行っていて特に不安はありませんでした。それに母乳と料理以外は妻と同じスタートラインから始めたので、子どもの世話は何でも主体的に行っていましたよ。
─とはいえ、3人の赤ちゃんの世話は大変だったのでは?
ミルクもオムツ替えも沐浴も、何でも同時に3人分ですからね。お世話が落ち着いた時に少しだけウトウトしてまたお世話、の繰り返し。確かに、ゆっくり休憩できる時間はあまりありませんでしたね…。
─他にも三つ子ならではの苦労はありましたか?
ベビーカーやベッドなど大きな道具を3人分どう揃えるか悩みました。大人用ベッドの両脇に柵を付けてそこに3人寝かせたり、双子用と1人用のベビーカーに分けて乗せたり、いろいろ自分たちで工夫しました。ちなみに今は保育園に子どもを預けているのですが、送り迎えはベビーカーではなくキャンプ用のワゴンに3人乗せ、ガラガラ押して運んでいます(笑)。
─子育ての参考になる情報はどのように集めましたか?
本やWEBをじっくり読む時間も気力もなかったので…。妻に勧められた育児系メルマガをたまに読んだぐらいですかね。参考のためではないけどよく買ったのが、育児モノのエッセイコミック。育児に奮闘する内容に共感しながら、気晴らしに読んでいました。
─ご自身も大変だったと思いますが、ママのケアは心がけていましたか?
3人分の母乳をあげる妻は夫の何倍も体力的にキツいだろうから、ちょっとでも仮眠できるよう極力休ませるようにしました。家事育児の悩みも聞いてあげていたけど、普段から思っていることを何でも言い合える関係だったので特別なことは特にしてなかったですね。
【育休後】妻が“一人きりになれる時間”を作れるようサポート
─育休後の職場復帰で大変だったことは?
復帰から最初の1週間は、キーボードをスムーズに打つのに一苦労…。何をするにも育休前より時間が掛かり、仕事のペースを取り戻すまでは大変でしたね。
─育休前と育休後でライフスタイルに変化はありましたか?
朝は妻と一緒に子どもを保育園へ送っているのですが、子どもを保育園から連れて帰るのは時短勤務の妻に任せ、少しでも早く家に帰れるよう6時半には退社。家に着いたら子どもをお風呂に入れてあげ、お世話が全部終わってから夜ご飯を一緒に食べています。以前は夜中も子どもの世話のために起き、翌日の仕事が辛かったですが、最近は長時間まとめて寝てくれるようになりずいぶん楽になりました。
─平日に早く退社するために意識していることは?
基本中の基本ですが、To Do リストを作って1日の仕事を効率的に進めています。イレギュラーな業務が入ることもあって、必ずしも予定通りにはいきませんが…。
─休日は家族とどのように過ごしていますか?
子ども3人の面倒を私が見て、その間に妻を「友だちと遊びに行って来なよ」と送り出すなど、妻の一人きりの時間を作るようにしています。そうした息抜きが無理な時は、スーパーに一人で買い物に行かせたり。それだけでも気分をリセットできますからね。
─なかには、小さな子どもの面倒をパパが一人きりで見れなかったり、なかなか一人で外出する時間が持てない夫婦も多いように感じます。夫婦で同じスタートラインから毎日子育てし、家族との絆や育児のスキルを培ってきた育休パパならではでしょうね。
言われてみると、確かにそれは育休取得者ならではのアドバンテージかも。料理以外はある程度できるから家に妻がいなくても育児でテンパることはないし、育休中は24時間一緒に過ごしていたからか子どもに顔見知りされることもないですね。
─今後の子育ての目標は?
もともと子ども3人とも無事に出産できるか心配な時期もあったので、生まれてくれて、元気に育ってくれるだけで十分幸せです。強いて言うなら、子どもが思う存分に床をジャンプできるような家に買い替えたり、のびのび育てられる環境を作ってあげたいですね。
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(※)参考文献 厚生労働省